先生と夕食
岬「先生も星乃さんみたいに抱きついておけば良かったな〜って。」
冷「そうですか。」
いや何言ってんだこの先生。
絶対僕のことからかってるだろこれ。
岬「でも、まさか星乃さんが抱きつくとはね〜。本当に三上君のことが好きなんだね〜」
冷「僕も驚きました。」
岬「どう?嬉しい?星乃さんのこと好きになっちゃった?」
冷「いや別にそういうのはないです。」
久しぶりに女の子に抱きつかれたが、嬉しい気持ちとかにはなれなかった。
これから先、星乃さんとどう接すればいいのか。
これ以上距離を縮めないためにも何か対策を考えなければならない。
岬「今のところ星乃さんが一歩リードってところかな〜。目の前で抱きついているの見るとやっぱり羨ましくなっちゃうよね〜」
冷「そうですか。」
岬「ね?今日先生の部屋で寝ない?」
是非お願いします!
って言いそうになったじゃないか。
すごい僕のことをからかってくる。
先生が僕に興味があるのは間違いないんだけど、一体何がしたいのか分からない。
冷「寝ません。」
岬「え〜残念。」
冷「残念でしたね。」
岬「まあいつか一緒に寝ると思うからその日まで楽しみを取っておくわ。」
冷「そんな日は来ません。」
岬「そうかな〜?あ、着いたよ。」
冷「ここですか?大ホールで食べないんですか?」
岬「大ホールはもう片付けたらしいから今日は私と二人きりでこのレストラン。」
おいおい。
何でこんな雰囲気のあるホテルのレストランで先生と二人きりで食べないといけないんだよ。
岬「じゃあ、あそこの席にしよっか。あ、ここで食べたことはみんなには内緒にしておいてね。」
冷「もしかして、これって先生の独断ですか?」
岬「まあそうだね。でも別にルール違反じゃないよ?」
冷「そうなんですか。」
この人自由だな。
そして僕は頼んだハンバーグを食べながら先生の話に付き合うことに。
岬「じゃあ、私が思う今の状況はたぶんこんな感じだね。まず。星乃さんは三上君のことが好き。これはさっきの行動で間違いないね。」
冷「まあ否定は出来ないですね。」
岬「そして宮本さんも三上君のことが好き。だけど宮本さんはそれ以上に友達思いで、星乃さんに三上君のことを譲ろうとしている。」
冷「それは僕には分かりませんけど。」
いや本当は僕にも分かっている。
けどまだ入学して一週間しか経っていないのに、星乃さんと宮本さんはもうそんな仲が良いのか。
確かに入学してすぐ二人は話てたけど、好きになった人を譲ると思うまでには普通至らないだろう。
僕のいないところで何かあったのか?
岬「それでこの前三上君と話てた1組のあの安藤さんっていう人もあなたのことが好き。」
冷「名前知ってるんですね。」
岬「1組の人に聞いたからね〜」
冷「そうですか。」
岬「でも私はまだ三上君とその安藤さんがどんな関係かは知らないのよ〜」
冷「そうですか。」
岬「どんな関係?」
冷「同じ中学でした。」
本当は同中どころか元カノという関係だが、そんなことはこの先生には言えない。
この先生に僕の中学のことを知られるとかなりまずい気がする。
何がまずいかは具体的には分からないけど。
岬「あ、同じ中学なんだ〜。中学の頃は仲良かったの?」
冷「まあ普通ですね。」
岬「何か怪しいな〜」
何で怪しいって分かったんだよ。
この先生鋭いな。
でも何も言わなければ大丈夫だろう。
岬「もしかして付き合ってたとか!?」
冷「えっ!?」
やばい、何かバレそうになってる。
この人ほんと何なんだよ。
岬「え?もしかして当たり?」
冷「いや違いますよ。」
岬「本当に〜?」
冷「本当です。」
岬「そう。じゃあ今度安藤さんに直接聞いてみるわ。」
冷「どうぞ。」
渚なら言うか?
たぶん言わないだろうけど、ツンデレだから逆に態度でバレてしまうかもしれない。
次の部活の時に渚に言っておかないと。
岬「話を戻すと、安藤さんも三上君のことが好き。そして私も三上君のことが好き。」
冷「先生の好きはからかってるように感じるんですけど。」
岬「そう?私は結構本気よ?」
冷「どうですかね。」
岬「でも私がちゃんとあなたに告白するのはその3人が告白した後。それまで私は楽しく見守ってるわ。」
冷「やっぱりからかってるじゃないですか。」
岬「三上君酷いな〜、からかってないって言ってるのにもう〜」
急にデレる先生超可愛い。
でも仮にこの先生と付き合っても他の人と浮気してしまうんだろうなぁ。
そしたらこの先生は僕のことを殺すのだろうか?
正直分からない。
けど可能性はある。
命をかけてまで人と付き合うメリットはどこにもない。
その後僕らは夕食を済ませて、僕は部屋に戻った。
先生に部屋に来ないか誘われたがもちろん断った。