表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
29/133

そして倒れる。

冷「あ、渚。試合見てたの?」


渚「は?見てないし。たまたまあんたがスパイクしたところ見てただけだし。」


冷「そうか。」

いや、絶対試合全部見てただろ。


渚「あんたって意外に運動神経いいのね。」


冷「ありがとう。」


渚「はぁ?別に褒めてなんかないんだけど。」


冷「そうなのか。」

褒めてないのかよ。


渚「ってかあんたあのピンク色の髪の子と仲良さそうじゃん。あの子狙ってんの?」


ピンク色?

あ、星乃さんのことか。

冷「いや、狙ってないけど。」


渚「本当に?」


冷「本当に。前にも言ったとけど、僕は誰とも付き合う気はないって。」


渚「私それまだ信じてないから。」


冷「はいはい、そうですか。」


渚「何よその返事。」


冷「信じてもらえなくて結構って意味。」


渚「はぁ?何それ、意味わかんない。」


冷「じゃあ僕もう行くわ。」


渚「え?もう行くの?」


冷「のど乾いてるから早く水飲みたいんだよ。」


渚「そう…」


冷「バイバイ渚。」


渚「つ…次の試合も…が…頑張ってね…」


冷「ん?何か言った?」


渚「何でもない!早く行けバーカ!」


冷「はいはい。じゃあね。」

何でバカって言われないといけないんだよ。

相変わらずのツンデレっぷりだな。

まあ可愛いからいいか。


水を飲みに行った後は15分間休憩があり、そして僕らは2試合目に向かった。


「ではこれより、2組1班対7組4班の試合を行います。」


よし。ポジションはこのあたりで良いだろう。


高松「三上君、そこで良いの?」


冷「うん。」


高松「じゃあブロックとかよろしく!」


あ、そうか。

ネットに一番近いからブロックやらないと行けないのか。

それは考えてなかった。

しかし今回もギャラリー多いなぁ。

全員僕目当てか?

しかも男子のギャラリーも多い。

これはきっと星乃さん目当てだな。

人気投票とかあったら僕らの班優勝だろ。


試合はさっきと同様に高校デビュー高松と相沢さんが見事な活躍。

そして僕は目立たないように十分気をつけてプレーをし、スパイクすることなく試合は終わった。

結果は25対14で僕らの勝利。

2連勝となった。


ハル「二人ともすごいね〜!」


高松「いやいや〜、俺はただプレーしてただけだから〜」


いや、めっちゃ頑張ってただろ。

汗すごいぞ。


ハル「このまま優勝目指して頑張ろ〜!」


高松「あ、星乃さん。優勝とかないよ。チーム数多いし時間も限られてるから全チーム5試合ずつって決まってるんだ。」


ハル「え?そうなの?何だ〜、あたしたちなら優勝目指せると思ったんだけどな〜」


優勝とかないのかよ。

大会って言ってたからそういうのあるとか思ってた。

まあ、僕としてはありがたい。

決勝に行ってしまうと、全学年生徒から注目を浴びて、ほとんどの女子を惚れさせてしまう。

だからとりあえずホッとした。


その後僕らは2試合戦い、いずれも勝利してまさかの4連勝。

そして僕らは最後の試合に臨んだのだ。


「ではこれより2組1班対2組4班の試合を行います。」


まさかの相手が宮本さんやショウタがいる4班とは。


ショウタ「お〜!冷!良い試合にしような!」


冷「うん。」

すっかり元気だなショウタ。

相手に知ってる人がいると少しやりづらいけど、少しだけ面白くなりそうだ。

しかし、なぜかさっきから少しめまいがする。

大して動いてないのにもう疲れたのか?


鳴「あなた、ハルと上手く行ってる?」


冷「はい?」

いきなり何の質問だよ。


鳴「ハルと同じ班で良い関係になれたかって聞いてるのよ。」


冷「良い関係というか、別に何度も言うように付き合おうとか思ってませんから。」


鳴「知ってるわ。ハルから何かアプローチ的なものはきた?」


冷「いや特に来てないと思います。」


鳴「そう。まあ、あなた鈍感だから気づいてないだけかもしれないけど。」


冷「そうですかね。」

いや、本当に星乃さんは何もしてない。

もしされたら絶対気づくはずだ。

しかし、宮本さんは何でそんなに星乃さんのことを気にするんだ?

宮本さんも僕のことが好きなのに、それを星乃さんに譲るとか?

まあ誰が告白して来ても、僕は付き合う気はないけど。


そして試合は始まった。

宮本さんたちの班は今までで一番強い相手だった。

と言うのも、相手にバレーボール部員らしき人がいたからだ。

高校デビュー高松とは圧倒的にレベルの差があり、僕らは苦戦した。

それにしても、さっきからめまいがする。

僕これ大丈夫か?

倒れたりすると人に心配かけてしまうし、何より注目を浴びてしまう。

どうするよ。

メンバー交代とかないから、試合から抜けるわけにもいかないし。

困ったなぁ。


高松「18対20!みんな最後まで頑張ろう!そして逆転するぞ!」


ハル「お〜う!」


良い試合だな。

こりゃあギャラリーも盛り上がるだろ。

ここで倒れたら折角の盛り…あ…がりが…




高松「三上君!?!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ