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あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
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黙って見つめ合うだと!?

何のために?

しかも女の子と。

こんなのやったら絶対上野さん僕に惚れてしまうだろ。


岬「みなさん、恥ずかしがることなんてないですよ〜。たったの15秒ですよ、15秒!」


いや十分長いわ。

大体何のために見つめ合うのよ。


岬「準備は良いですか〜?緊張する必要はないですよ〜。ただ15秒間相手の目を見るだけです。」


緊張はしない。

女子の目を見るだけで緊張するとか意味がわからない。

ただ、女子は僕を見ると緊張するかもしれない。

上野さんの様子はどうだろう。

あ、少し顔が赤くなっている。

これはやばい。

絶対緊張してるだろ。

まあでもやるしかないのか。


岬「では行きま〜す!よ〜いスタート!」


女の子と見つめ合うなんていつ以来だろう?

久しぶりだけで何ともないな。

目を見るだけだし。

あ、上野さんの瞳が揺れている。

照れてるのか。

そりゃあイケメンと見つめ合うなんてこと滅多にないからな。


岬「はい終了で〜す!」


みんなざわついている。

特にモテない男子諸君がうるさい。

今まで女子と見つめあったことないからきっと興奮してるのだろう。


上野「なんか照れますね。」


冷「そうですね。」

全然照れてないけど。


岬「じゃあ次は右手で握手してくださ〜い!」


今度は握手かよ。

岬先生は一体何がしたいんだよ。

カップルをたくさん誕生させたいのか?


岬「握手したら、そのままお互いに自己紹介してくださ〜い!」


自己紹介?

何で?

握手したまま?

まあ別に名前と部活だけ言えばいっか。

でもなんで握手したまま?


上野「じゃあ私から行ってもいいですか?」


冷「あ、はい。」


上野「上野雪奈です。みんなからはゆっきーって呼ばれてます。吹奏楽部に入ってます。中学は東如月中です。自電車で登校しています。好きな食べ物はアップルパイです。彼氏は今いないです。よろしくお願いします!」


すごいテンパった自己紹介だな。

ちょっと手を強く握られたし。

っか何さりげなく彼氏いないよアピールしてるんだよ。

こういうこと言うってことは絶対僕のこと好きだろ。

さっき見つめ合ったせいか?

やっぱり惚れさせてしまったかぁ。

ってかアピールしても上野さんのことなんか狙わないよ?


上野「すみません、ちょっと変な自己紹介になってしまって…」


冷「大丈夫です。じゃあ僕行きます。三上冷です。サッカー部に所属してます。よろしくお願いします。」


上野「あ、短くて良かったんですね。私つい色々言ってしまいました…」


冷「大丈夫ですよ。」

僕としてはそんなことよりも手を離したい。

もう自己紹介終わったんだから離していいはずだ。

このまま握手してるのも変だし何より上野さんが僕のことをもっと意識しそうで危険だ。


上野「すみません。私、手に汗をかいてきたんで手を離してもいいですか?」


冷「あ、全然良いですよ。」

これはありがたい。

確かにちょっとずつ上野さんの手が湿ってきていた。

まあ緊張しているのだから仕方ない。


岬「みなさん、自己紹介終わりましたか〜?では続いては質問タイムに移りたいと思いま〜す。」


質問タイム?

昨日のバスの中でもやったんだが…


岬「20分間お互いに質問しあってくださ〜い。どんな質問でも構いません。そしてその質問から会話をどんどん膨らませてくださ〜い!」


20分間もやるのかよ。長くね?

これコミュ障の人にとっては地獄だな。


岬「ではスタート!」


何質問しよう。

上野さんに聞きたいことなんてないんだけど。

とりあえず上野さんから質問してきてくれないかなぁ。


上野「あの〜私まだ質問頭に浮かんでないので、三上君先に良いですよ。」


おいおい上野さん。

僕が先に聞くのかよ。

どうしよう。

まあ時間潰しのために適当に質問するか。

冷「趣味は何ですか?」


上野「えーっと、音楽を聴くのが好きです。」


冷「そうなんですか。J-POPとかですか?」


上野「いや私はK-POP派なんです。韓国のアイドルが好きで…」


冷「そうですか…」

K-POPファンかぁ。

正直、K-POPには全く興味がない。

聴いたこともないし聴こうとも思わない。

それに韓国のアイドルグループのどこがかっこいいのかわからない。

ファンには悪いがみんな全く同じ顔に見えてしまう。

韓国の女性アイドルグループの方はスタイルはいいけど好みじゃない。

やっぱり僕は日本人が好きなようだ。

ってか答えがまさかK-POPだとは思っていなかったからこれ以上会話を発展させられない。

どうしよ。


上野「三上君は趣味何ですか?」


冷「サッカーが好きです。」

本当はサッカーと可愛い女の子を眺めていることって答えたかったが、まあ言えるわけない。

ってか僕と同じ質問じゃねえか。


上野「そうなんですか〜。私はテレビで少しだけ見たことあります。」


冷「テレビで少しだけ見たことある」はほとんど見たことないと一緒だ。

はっきり見たことないって言ってくれればいいのに。

まあ惚れてる男の趣味を否定するようなことは言えないか。


上野「あの…LINE追加しても良いですか…?」


いきなりだな。

ってかこないだのLINEよろしくラッシュの時に追加してなかったのか。

別に構わないがLINEはしてくるなって言いたい。

冷「良いですよ。」


上野「ありがとうございます!」


すごい嬉しそうだ。

こんな嬉しそうにしてる子に「LINEはしてこないでね」って言えたら楽なのになぁ。

どうしたら可愛い子に対して心底から冷たく出来るんだろうか。


上野「あの、三上君ってどういう女の子がタイプ何ですか?」


まさかのまた質問。

僕のターンは無視ですか。

まあ良いけど。

女の子のタイプ?

これが知りたいってことはやっぱり僕に惚れてしまったんだな。

これで高校入って何人目よ。

まだ二週目だぞ?

こりゃあ大幅な改善と対策が必要だな。

って言っても全く思い浮かばないけど。

好きなタイプかぁ…

まあとりあえず顔が可愛い女の子は大前提なんだけど…流石に「顔が可愛い子です」なんて言えないか。

冷「優しい人ですかね。」


上野「そうなんですか〜。顔とかじゃないんですね。」


はい、顔です。

とりあえず可愛ければ良い。

よく「美人は三日で飽きる」と言われているが、そんなわけがない。

ずっと見てられる。

ならなぜ浮気をするのかというとそれはただ単に僕が欲張りなだけだ。

可愛い子を見つけると我慢できなくなる。

そんな僕を今でも続けているといずれ刺されて死ぬ。あのアニメのように。

一人の女性だけを愛すなんて僕には無理だろう。


その後僕らは適当に話をしながら時間を潰し、そして謎のエンカウンターは終わった。

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