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あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
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自由時間

夕食の後は消灯時間まで各自自由時間となっている。

自由時間と言っても基本的にやることはない。

部屋での男女の交流は禁止されているため、部屋にいれば女子と関わることは絶対にない。

そもそも男子と女子では部屋の階が違う。

それぞれの階には見回りの先生がいるため、行けばすぐにバレる。

しかも僕らの階の先生は1組の高橋先生でどうやらその先生は怖いらしい。

これは僕にとって好都合だ。

そしてLINEを開かなければ誰も僕と連絡を取ることができない。音信不通状態だ。

これで僕は部屋で十分にリラックスできる。

同じ部屋の斉藤君は高校デビュー高松の部屋へ行った。どうやらクラスの男子がそこで集まっているらしい。

もちろん僕は行くわけがない。

おそらく隣の部屋の慶太も行ってるだろう。ショウタはまだ具合が悪いはず。

僕のこのリラックス環境を邪魔するものはどこにもいない。

最高だ。


コンコン


あ、誰か来た。

しかし僕は出ない。

斉藤君は鍵を持っているから、これは斉藤君ではない別の誰か。

開ける必要はない。


コンコン(ドアの音)


コンコンコン!(ドアの音)


「お〜い!開けろ〜!」


ん?なんか言ってる?


「お〜い!いないのか〜!斉藤と三上!」


待って、、、この声って高橋先生じゃね?

やばいやばい!

早よ開けなければ。


冷「はい、何でしょう?」


高橋先生「おい、一発で開けろ〜。」


冷「すみません、音楽を聴いてて…」


高橋先生「そうか。おい、斉藤はいるか?」


冷「いいえ。斉藤君なら高松君の部屋に行ってると思います。」


高橋先生「そうか。ありがとな。」


どうやら斉藤君に用があったようだ。

おそらく学級委員についてだろう。

まさか先生にリラックス環境を邪魔されるとはな。

まあ仕方ないか。

それにしても高橋先生って噂通り怖そうだな。


ーーー30分後ーーー


コンコン(ドアの音)


ん?


コンコン(ドアの音)


あ、完全に寝てた…

ん?誰か来たのか。また先生か?

斉藤君を見つけれなかったのか?

まだ戻って来てねえよ。


ガチャっ(ドアの音)


冷「はい、まだ戻って来てませ…」


鳴「あなた何でLINE無視するのよ。」


あれ?


鳴「あなたもしかして寝てたの?」


え…



はあああああああああああああ!?!?!?!?!?


宮本さん!?!?!?!?!?!?


何で!?!?!?!?


何で宮本さんがここに!?

冷「宮本さん、何でここに…?」


鳴「LINEしても返事がないから直接来たわ。とりあえず中に入れてくれる?」


冷「いや、それは…」


鳴「中に誰もいないことは知ってるわ。さっきグループLINEで高松君があなたと松風君以外全員集まってるって言ってたし。」


冷「でも男女での交流は禁止されてるはずじゃ…」


鳴「何あなた、あんな意味わからないルールに従うの?」


冷「一応ルールですから…」


鳴「変なの。とりあえずお邪魔させてもらうわ。」


冷「ちょっと宮本さん…」

やばい。強引に入って来てしまった。

それにしてもミスったぁぁぁ…

先生だと思って普通にドアを開けてしまった…

ってかそもそも何しに来たんだよ。

そんなに僕のことが好きなのかよ。

可愛いからって何でもしていいと思うなよ。

でもこんな可愛い子の頼みを断れる男はいるのだろうか?


鳴「あなたのベッドはどっち?」


冷「窓側ですけど。」


鳴「よいしょ。」


冷「ちょっと何勝手に寝っ転がってるんですか!」


鳴「私今日ここであなたと寝るわ。」


はああああああ!?!?

何興奮するようなこと言ってるんだよ。

想像してしまうじゃねえか!

でも僕は宮本さんとなんか寝ないよ?

いくら可愛くてもこれ以上仲良くなってはいけない。

冷「何を言ってるんですか…」


鳴「冗談よ。私ハルと一緒の部屋で、ハルを一人にさせるのは可愛いそうだし。」


冷「ってか星乃さんは今何してるんですか?」


鳴「2組の女子で集まってるわ。私も誘われたけど断ったわ。理由はたぶんあなたと同じよ。」


冷「そうですか。」

宮本さんも女子の中で苦手な人とかいるのか。

まあ宮本さんはあーいう性格だからあまり他の人と仲良くしなさそうだ。


鳴「この部屋、もう一人は誰?」


冷「斉藤君です。」


鳴「あ〜、あのハル狙いで学級委員になったメガネね。」


おっと、まさか宮本さんもそう思っていたとは。

冷「何で星乃さん狙いって分かるんですか?」


鳴「特に理由はないけど、そう感じるのよ。あのメガネ何か怪しいって。」


冷「そうですか。」


鳴「あのメガネならハルに何かしようと企んでるかもしれないわ。」


冷「どういうことですか?」


鳴「例えば、放課後二人きりで学級委員の仕事をしているときにメガネがハルを椅子に縛り付けてそこからレイプとか。」


いやいや、それは考えすぎだろ宮本さん。

でも斉藤君ならなぜか想像出来てしまう。

冷「そこまでしますかねぇ。」


鳴「もしそうなったらあなたがちゃんと助けてあげなさい。」


冷「何で僕なんですか?」


鳴「そりゃあハルがあなたのことが好きだからよ。女の子は誰でも好きな男の子に守ってもらいたいものよ。」


星乃さんが僕のことを好きなのは知ってる。

だが、ここはあえて鈍感に振る舞ってみよう。

冷「星乃さんが僕のことを好きとは限らないじゃないですか。」


鳴「あなたってもしかして鈍感?」


いやそう振る舞ってるだけだ。僕が女の子に鈍感なわけがない。

冷「いや鈍感かどうかは…」


鳴「まだハルに聞いてないけど絶対あなたのことが好きよ。あなたってやっぱりモテるのね。羨ましい。」


いや、宮本さんも十分モテるだろ。

冷「でも僕は誰とも付き合う気がないです。」


鳴「知ってるわ。でも好きになるのは勝手でしょ?」


冷「まあそうですけど。」

確かに勝手ではある。

そして別に僕のことを好きでいてくれるのは構わない。ただ、近づくな。

もっと距離を縮めようとかは思わないでくれ。

ファン交流のないアイドル。

そのような感じにしてくれ。


鳴「とりあえず今日ハルと恋話をしてみるわ。」


冷「そうですか。」


鳴「あなたも斉藤君にどうして学級委員になったか聞きなさいよ。」


冷「分かりました。」

聞かないけど。



ガチャ(ドアの音)



あ、、


斉藤「コールド〜!やっぱり君も来なよ〜、めっちゃ楽しいよ〜!」


やばい、斉藤君が帰って来た。

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