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あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
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中二病と高校デビュー

ホテルに着いた僕らは早速先生に部屋の鍵をもらってそれぞれの部屋へ行った。

そして部屋で初めて斉藤君と話した。


斉藤「三上君だっけ?僕は斉藤隆弥、よろしく。」


冷「三上冷です。よろしく。」


斉藤「なんて呼べばいい?三上?冷?それともあだ名とかあったりする?」


冷「いや、特にない。好きに呼んでいいよ。」


斉藤「じゃあコールドっていうのはどう?」


冷「コールド?」


斉藤「"冷"の名前って"冷たい"って字でしょ?冷たいは英語でコールド!だからコールド!カッコ良くない?」


冷「そういうことか。」

いや全くカッコよくねえよ。

大体何で英語にする?

英語にしたら何でもかっこいいと思ってるのかこいつは。

っていうかどちらかというとコールドじゃなくてクールじゃないか?

まあどうでもいいけど。


斉藤「本当にコールドって呼んでいい!?」


冷「いや別にいいけど…」

本当にその呼び名で行く気かよ。

確かに好きに呼んでいいとは言ったが…


斉藤「オッケー!じゃあよろしくコールド!ちなみに僕のことは隆弥レボリューションって呼んでもいいよ!」


冷「レボリューション?」


斉藤「そう!レボリューション!かっこいいしょ!」


こいつ意味がわからない。

隆弥レボリューションって何だよ。

なんだよレボリューションって。

また英語かよ。

レボリューションの意味わかってんのかこいつ。

革命だぞ、革命。

日本語に直すと隆弥革命。

いや全く意味わからない。

本当に何だよ隆弥レボリューションって。

どこがかっこいいのか分からないし、誰がそんな長い名前で呼ぶんだよ。

冷「何でレボリューション?」


斉藤「分かんない、けどカッコ良かったから適当につけてみた!」


「そう。」

分かんないならつけるなや。

ほんと謎だこいつ。

そもそもあだ名って自分でつけるものじゃないだろ。

学級委員でメガネをかけてるから優等生かと思ってたけど、実際はまだ中二病にかかっているオタクってことか?

まだオタクかどうかは分からないけど、ネーミングセンスといい、カッコいいと思ってる言葉が中二病臭い。

そしてもしかしたら学級委員を立候補した理由も星乃さん狙いかもしれない。

こいつと2泊も過ごすのかよ。

まじかあああ…


昼食は各自部屋で持ってきた弁当を食べることになっており、僕は仕方なく斉藤君と食べた。

その後、僕は斉藤君と隣の部屋の慶太と一緒にホテルの1階にある大ホールに向かった。

この大ホールで研修があるとのこと。

ちなみにショウタは具合が悪いままで、部屋で休んでいるらしい。

大ホールに着くと、6人用の丸いテーブルがたくさん用意されていた。

おそらく班ごとに座り話を聞いたりするのだろう。


僕らの班のテーブルに着くと、僕と慶太以外はみんな集まっていた。

もちろんあの高校デビュー高松もいる。

空いている席は二つ。片方は星乃さんの横でもう片方は高校デビュー高松の横。

さあどうする。

正直どちらも嫌だ。

高校デビュー高松はただ単にうざいし関わりたくない。

星乃さんは良い人だけど、おそらく僕のことが好きだろうから危険だ。

仕方ない、ここは流れに身を任せよう。


ハル「やっと冷君きた!隣空いてるよ!」


あ、星乃さんに呼ばれた。

しかも隣空いてるよアピール。

そんなに僕と座りたいのかよ。


高松「三上君!俺の隣も空いてるぜ〜!」


うわ、高校デビュー高松にも呼ばれた。

やっぱりこいつのノリ嫌いだ。

ただ単に口調と声質が耳障り。


慶太「冷って人気者だね〜。」


冷「まあ。」


慶太「僕はどっちでも良いから好きな方座って良いよ。」


冷「分かった、じゃあ…」

普段は僕もどっちでも良いと言って譲るが、高校デビュー高松の声を聞いてやっぱりこいつの隣は無理だと分かった。

慶太には悪いが僕は星乃さんの横にする。


高松「え〜そっちに座るの〜?三上君ってもしかして俺のこと嫌いとか〜?」


うん嫌い。

だから黙って。


そして席に座ってすぐ研修が始まった。

内容は校則についてや学校のシステムについて。

正直つまらなさすぎて、何回か寝そうになった。

1時間に一回10分休みを挟みながら4時間の研修が終わって夕食の時間になった。

夕食もこの班と一緒に食べないといけないらしい。

ちなみに夕食はバイキングではなくセットメニュー。

文句言ってる人もいたけど、僕は別に構わない。


高松「ねえ、みんなって付き合ってる人とかいんの〜?」


いきなり何の質問だよ高校デビュー高松。

聞いてどうするのよ。

絶対この3人の女子の中に気になってる人いるだろ。

たぶん星乃さんだな。


ハル「いないよ〜」


相沢「私も」


上野「私も」


慶太「僕もいない。」


みんなちゃんと答えてるじゃん。

なら流れ的に僕も答えないといけないのか…

冷「いない。」


高松「え?みんないないの〜!」


何驚いてるんだよ。


高松「三上君とか絶対彼女いると思ってたわ〜!イケメンだし〜」


冷「いやいないです。」

あー声質と口調がほんと耳障り。


ハル「冷君は彼女作る気ないんだって。」


上野「何で作る気ないんですか?」


初めて班にいる女子の上野さんが話しかけてきた。


冷「面倒くさいからです。」


慶太「冷、それ分かる〜。彼女いたらサッカーに集中出来ないよね。」


慶太真面目かよ。

サッカー一筋野郎じゃん。

まあ別に良いんだけど。


高松「確かに彼女いたらバスケに集中できないわ〜!」


一々うるさい。黙れや。

ってかこいつバスケやってんのか。

バスケ部の人可哀想に。


ハル「あたしは今まで誰とも付き合ったことないから分かんないな〜。」


高松「え!?星乃さんそれマジ!?!?!?」


何過剰に反応してんだよ。

こいつ絶対星乃さんのこと狙ってるだろ。


高松「星乃さん可愛いから絶対すぐ相手見つかると思うわ〜!」


ハル「そんなことないって〜」


高松「ちなみに星乃さんは好きな人いるの〜?」


こいつほんと分かりやすいな。

星乃さんに興味ありすぎだろ。


ハル「いるようないないような…?」


高松「え〜!何それ〜!?」


ハル「やっぱり言わな〜い。」


高松「え〜!教えてくれよ〜!」


残念だったな高校デビュー高松。

おそらく星乃さんが気になっている相手は僕だ。

決してお前ではない。

まあ僕はイケメンだし、モテるから無理もないだろう。

けど僕は付き合う気は全くないし出来ればこれ以上関わりたくないと思っている。

だから君にもチャンスはあ…

いや、やっぱこいつはノーチャンスだな。

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