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あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
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質問タイム

二股?

そりゃあもちろんかけてた。モテたし。

ここで正直に答えるとおそらく二人から嫌われるが、これ以上この二人との仲を縮めないためにも正直に言うべきか?

でもこれでクラスに広まってぼっちになるのも嫌だ。

どうするよ。


ハル「鳴〜、冷君がそんな酷いことするわけないよ〜。」


ごめん、星乃さん僕はそういう酷いことをする人なんだ。

宮本さんは答えたくない質問には答えなくていいとは言ったが、ここで答えなければ二股をかけてたと言ってるのと同じこと。

正直に答えないといけないと言ってたが、僕はそんな素直じゃない。

平気で嘘をつけるし今までついてきた。

だから今日も僕は嘘をつく。

冷「かけたことはないです。」


鳴「ほんと?」


冷「本当です。」


鳴「そう。あなたみたいなイケメンってみんな二股をかけてるのかと思ってたから聞いてみただけ。」


ハル「鳴〜、それは偏見だよ〜。」


いや案外そうでもない。

世の中のイケメンはやろうと思えば簡単に二股をかけることができる。

僕はそう思ってる。

だが、中学の頃はバレた時のことはあまり考えていなかった。

バレたとしてもまだ僕のことを好きと言ってくれた女の子はいたし、少なくとも僕にキレる人はなぜかいなかった。

今考えれば不思議なことだ。

たぶん中学生だからだろうか?

だからこそあのアニメを見たときは衝撃だった。

浮気や二股が死につながることがあると知ったからである。


鳴「次行くわよ。質問4。私とハル、もし付き合わなければいけないとしたらどっち?」


究極の選択かよ。

両方って答えたいけど、さっき二股はかけないって言ったしなぁ。

あ、厳密に言えば二股をかけたことがないか。

もし宮本さんと付き合って他の人と浮気したら確実に殺される気がする。

逆に星乃さんは泣いてしまうかもしれないけど、それでも僕のことを好きって言ってくれそう。

だったらここは星乃さんで。


冷「星乃さんですかね。」


ハル「マジ!?やったーーー!」


鳴「何、あなたそんなに私のこと嫌いなの?」


冷「いや嫌いではないですけど、宮本さんたまに怖いんで。」

たまにじゃなくていつも怖いけど。


鳴「あら?私付き合ったらめっちゃデレるわよ?いわゆるツンデレってやつ?」


なんかツンデレとはちょっと違う気がするんだけど…

冷「宮本さんは別にツンデレではないと思いますけど…」


鳴「別にあなたのことなんか好きじゃないんだからね!!!どう?」


冷「どうって言われても…」


ハル「鳴、今のめっちゃ可愛いよ〜!」


鳴「ほらね?ハルが可愛いって言ってるんだから私はツンデレってことよ。理解した?」


冷「まあなんとなく。」

確かに可愛かったけど、宮本さんはやっぱり今まで通りの上から目線のお嬢様キャラみたいな感じの方が似合ってる気がする。

まあ、そういう宮本さんしか知らないからそう思ってるだけかもしれないけど。


鳴「もうあなたに質問なんてないわ。飽きたし。」


冷「飽きたんですか…」


鳴「次はハルに質問するわ。」


ハル「え!?あたし!?」


鳴「そう。ルールはさっきと一緒。」


ハル「あたしは別にいいよ〜、中学の頃は特に何もなかったし。」


まあ、ぼっちだったからな。


鳴「それでも聞くわ。じゃあ質問1。中学の頃付き合ってた人数は?」


ハル「え…えーっと…いない…」


鳴「え?0人?」


ハル「うん。」


鳴「本当に?何で?可愛いのに。」


ハル「それは…その…」


宮本さんって星乃さんが中学の頃ぼっちだったって知らないのか。

何で宮本さんには黙ってるんだろう?

やっぱり知られたくないのか?


鳴「じゃあ質問2。何でそんなに可愛いのに彼氏を作らなかったの?」


ハル「えーっと…告白する勇気がなくて…」


言い方からしてたぶん嘘だ。

何で宮本さんには隠すんだ?

確かに宮本さんも聞いたら驚くだろうけど、別に嫌いになったりはしないだろう。


鳴「そうなんだ。じゃあ質問3。告白とかはされなかったの?」


ハル「えーっと…されたことはあるけど好きじゃなかったから振った。」


これもきっと嘘だ。

ぼっちに告白する男子なんているか?

そのぼっちの子が可愛かったらするかもしれない。

けど中学の頃の星乃さんは黒髪メガネのいわゆる地味系の女子。

星乃さんの場合、もしかしたら可愛いかったもしれないけど。


鳴「そう。っていうことは処女?」


ハル「う…うん。」


また平気でそういうことを聞くのか宮本さんは。

聞いてどうするんだよ。


鳴「じゃあ今度、経験豊富な三上君に卒業させてもらえば?」


は?

いやいやいやいやいや。

何を言ってるんだこの子は。

宮本さんよ、それは非常識な発言だろ。

僕と星乃さんがやるってことだろ?

えーっと…




あ、やばい、ちょっと想像してしまった。




ハル「何言ってんの、鳴〜!それってつまりあたしと冷君がその…セ…セック…」


いや星乃さんも何言おうとしてんだよ。


鳴「冗談よ。大丈夫。ハルは可愛いからきっとすぐ彼氏が出来るわ。」


ハル「別に今は彼氏とかいっかな〜。」


鳴「ハルも三上君と一緒でそういう考えなのね。つまらないわ。」


ごめんね、つまらなくて。


ハル「じゃあ今度はあたし達が鳴に質問!」


鳴「いいわよ、何でも聞きなさい。」


ハル「じゃあ1問目!中学の時に付き合った人数は?」


鳴「…」


ハル「何で黙るの鳴?」


鳴「ルールに従ってるだけよ。」


ハル「ルール?」


鳴「そう。答えたくない質問には答えない。だから私は何を聞かれても答えないわ。」


ずるい。ずるいぞ宮本さん。

確かにそう言ってたけど、僕たちはちゃんと答えたじゃないか。

何一人だけ逃げようとしてんだよ。

僕だって宮本さんの中学時代には興味がある。

確か中学は栞咲中だったよな?

このクラスに栞咲中出身の人は確かいないはず。

だったら他のクラスを探して宮本さんのことを聞くしかないな。

って言っても他のクラスに知り合いは渚しかいないし。

渚に聞くのもなんか面倒くさい。

っていうかあまり渚と会うとまたなんか色々言われるしパニックになりそう。

渚がダメならこれから仲良くなるであろうサッカー部の連中か。

とにかく宮本さんのことは誰かから聞こう。


結局宮本さんは質問に答えなかった。

その後僕らは適当に話をして時間を潰し、バスは目的地である南沢グランドホテルに着いた。

ちなみにショウタはまだ具合が悪いままだ。

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