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あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
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全然良い日じゃなかった…

眠い。

時間通り起きることは出来たが、ただただ眠い。

このままだと授業中に寝てしまう危険性が出てくる。

授業中あるいは休み時間に教室で寝ることはとても危険だ。

寝てる間、体が無防備になり何をされるかわからない。

写真を撮られたりイタズラされたり、とにかく良いことはない。

特に宮本さんは要注意だ。

僕が寝てたら絶対何か仕掛けてくるはず。

今日は寝ないように注意しなければ。


登校時の対策はもうしない。

っていうか対策を考えても意味がない。

どっちにしろ星乃さんか宮本さんに会ってしまう。

どうせ会ってしまうのなら家を早く出る必要はない。

久木駅で安藤渚にあってしまう可能性はあるが、そこは十分に注意していればいい。

それと今日は早速入部届けを出すつもりだ。

やる気ないとは言ったが、それはあくまで本気でサッカーに取り組むことであって、サッカーをやるのは好きだ。

最近サッカーをやっていなかったから、そろそろやりたいと思っている。

慶太も木曜日に出すって言ってたし、部活に入れば帰る時間が遅くなり一人で下校出来るチャンスも増える。

今日出すことにより発生するデメリットはどこにもない。


久木駅から無事快速列車に乗った僕は星乃さんやショウタに会うことなく如月駅に着いた。


まさか対策を考えず普通に登校したほうが良かったのか?

だったら最初からこうすれば良かった。

のんびりリラックスしながら登校するか。

今日は良い日になりそうだ。


「あ、冷君いた!」


ん?


え…


まさか…


ハル「冷君おっはーーー!」


鳴「あなた、おはよう。」


冷「おはようございます。」

星乃さんと宮本さん…

会ってしまった…

違う車両に乗ってたのか?

はぁ。

せっかく一人でのんびり登校出来ると思ったのに…


鳴「さあ学校行くわよ。15分もここで待っていたんだから。」


は?

待ってた?

15分も?

何してんの?

先行ってろよ。

冷「何で待ってたんですか?」


鳴「何でって…昨日一緒に登校するって決めたでしょ。」


すっかり忘れてた。

ってか君たちが勝手に決めたんだろうが。


鳴「さあ行くわよ。」


冷「鳴〜、まだショウタ来てないよ?」


鳴「別に私は松風君のことなんか待ってないわ。ほら行きましょ。」


相変わらずだな、宮本さん。

結局ショウタを待たずに僕らは歩き始めた。


ハル「冷君、昨日人気者だったね〜」


冷「どういう意味ですか?」


ハル「グループLINEだよ。みんな冷君入って来た途端、追加いい?って聞かれたもん。すごいよ〜」


あ、あれか。

あれはすごいを通り越して気持ち悪かったと思うが…

冷「僕も驚きました。」


鳴「まあ、私のおかげだけど。」


おかげ?

いやいやいや。

「私のおかげ」じゃなくて「私のせい」だろうが。

宮本さんのデタラメな一言でみんなに変な誤解を生んだんだろ。

冷「宮本さん、僕別にみんなと仲良くなりたいなんて言ってないですけど…」


鳴「あら、そう?聞き間違えかしら?」


とぼけんなよ、おい。

絶対わざとだろ。

冷「これからはあのようなデタラメはなしでお願いします。」


鳴「分かったわ。そういえば、あなた昨日夜にインスタ始めるって言ったわよね?」


え?

あ?

言ったっけ?

冷「僕言いましたっけ?」


鳴「何とぼけてんの?ちゃんと言ったわよ。ハルも聞いてたでしょ?」


ハル「言ってたよ〜!アカウント作るって。」


なんか言ったような気がしてきた。

ってかインスタなんか始めたら絶対フォローめっちゃ来るだろ。

一々フォロー返すの面倒だし、そもそもインスタですることが無いんだわ。

でもここで断ったらまたなんか言われそうだし、アカウント作るだけならいいか。

冷「分かりました。今夜作成します。」


鳴「ちゃんと作りなさいよ。」


ショウタ「お〜い!みんな〜!待ってよ〜!」


振り返ると後方からショウタが走ってきた。


ハル「お!ショウタ、おっはーーー!」


ショウタ「は〜、お、おはようハル。」


完全に息切れしているショウタ。

朝からよく走れるな。


ショウタ「何でみんな僕を待っててくれなかったの〜?」


鳴「別に松風君と登校するなんて言ってないわ。」


今日も宮本選手の容赦ない言葉がショウタに降り注ぐ。


ショウタ「そんな〜、宮本ちゃん僕も入れてよ〜!」


鳴「嫌」


ショウタ「宮本ちゃんお願いだよ〜」


あーもう何回目よこのやり取り。

もう星乃さん何とかしてくれ。


ハル「二人とも揉めてないで早く学校行こうよ〜」


鳴「そうね。松風君はほっといて行きましょ。」


ショウタ「そうだねハル!さっさと行こう!」


何なんだ君達は。

もうなんか疲れた気がする。

ただでさえ寝不足なのに。

本当に授業中に寝てしまいそうだ。


ショウタ「冷、昨日のグループLINEすごかったよな〜!」


鳴「その話はもうしたわ。松風君は黙ってなさい。」


宮本さんの態度よ…



その後、僕は必死に睡魔と戦いながら授業を受け、何とか寝ずに過ごすことができた。

しかし、これから高校生活初めての部活動。

寝不足で体力も完全に落ちている僕。

身体が持つか心配だ。


入部届けは朝のホームルームで担任の岬先生に提出した。

ロッカールームで着替えを済ませてグラウンドに行き、顧問の先生が来るまで先輩方に軽く自己紹介などをしていた。

先輩方はみんな優しくてとても接しやすかった。


「はい、みんな集合〜」


先生が来た。


顧問「え〜今日から1年生も練習に参加するからよろしく〜。練習メニューはいつも通りな感じで〜。それじゃ。」


すごい適当だな。

さすが弱小サッカー部の顧問。


顧問「そうそう、お前たちに良い知らせだ。昨日俺のところにマネージャーをやりたいって子が来た。しかも女の子だ。」





何!?!?!?!?



マ…マネージャー!?!?



おいおいおいおいおい、


いやいやいやいやいや、


ちょと待て、


え?


は?


何で?


火曜日話した時はマネージャーいないって言ってたじゃねえか!

どうするよ。

もう入部届け出しちゃったぞおい!


顧問「試しに今日来てもらって色々と体験してもらうんだが、まだその子は来てないようだな。」


ってか誰だよマネージャー希望したの。

弱小サッカー部だぞ?

マネージャーだぞ?

訳分かんねよ。


先輩「先生誰か来ましたよ。あの子じゃないですか?」



ん?

どこだ?


あ、あの子か。




え…



「すみません、遅れました。1年1組の安藤渚です。よろしくお願いします。」



嘘だろ…

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