よろしくラッシュ
岬「ではみなさん。今からそれぞれ班ごとに集まってくださーい。」
まさかあいつと同じ班とは…
ってかなんで今集まらないといけないんだよ。
宿泊研修のためのグループだろ?
高松「じゃあ1班の人ここ集合で!」
いや、何でこいつが仕切ってんだよ、高校デビュー高松。
ハル「冷君、1班あっちだって〜、行こ!」
冷「はい。」
行って何するのよ。
また自己紹介か?
高松「お!君たち1班!?」
ハル「うん、高松君よろしくね!」
高松「星乃さんだっけ?よろしく〜!」
ハル「で、こっちが三上冷君だよ。」
え、何勝手に僕のことこいつに紹介してるの!?
星乃さん、余計なことしなくていいって。
高松「三上君よろしく!一緒に楽しい思い出作ろうな〜!」
いや無理でしょ。
「もしかして冷も1班!?」
振り返ると慶太がいた。
冷「そうだよ。慶太も?」
慶太「そう!良かった〜、冷と一緒で〜」
僕も少しホッとした。
慶太と一緒ならこの高校デビュー高松から受けるストレスが少しは和らぐはずだ。
高松「お〜!君も1班?よろしく〜!」
慶太「高松君だっけ?よろしくね。」
結局班のメンバーは僕と慶太と高校デビュー高松で、女子は星乃さんと相沢さんと上野さん。
相沢さんと上野さんは一般的な女子高生って感じ。
星乃さんや宮本さんほど超絶可愛くはないが、ブスでもない。個人的には上野さんの方が可愛いかな。
集まった理由はただのメンバーの確認だけだったらしく、その日のホームルームはこれで終わった。
どうせショウタ達と帰らないといけないんだろうと思っていたが、星乃さんは委員会、ショウタは部活動見学、そして宮本さんは母親と出掛けないと行けないらしく、奇跡的に一人で家に帰ることが出来た。
家に帰れば可愛い妹が待っている。
「おかえり!お兄ちゃん♡!」
可愛い僕の妹。
しかし妹は中学2年生。
そろそろ反抗期が来るだろう。
いつか僕を軽蔑して話さなくなる日が来るのだろうか?
仮に話さなくなったとしても僕が女の子を家に連れてきたらたぶん怒るだろうな。
間違いなく嫉妬するはず。
って僕が女の子を連れて来る日なんてもう来ないけど。
ん?
スマホの通知音か。
久しぶりに通知が来た。
誰からだろう?
うわ、宮本さんだ。
宮本鳴:あなた早くグループに入りなさいよ!
グループ?
あ、忘れてた。
星乃さんから招待来てたけど、まだ参加するボタン押してなかった。
三上冷:はい。今入ります。
宮本鳴:入ったらちゃんとトークに参加しなさいよ。
いやしないけど。
まだ入学して一週間すら経っていないのに何で話さないといけないんだよ。
ー三上冷がグループに参加しましたー
高松幸助:お!三上君だ!
うるせえよ高校デビュー高松。
瀬波卓朗:まじで?三上君!?追加していい?
椿加奈子:三上君?あたしも追加していい!?
富樫瑛斗:俺も追加していい!?
西宮由乃:あたしもいい!?
戸塚優梨奈:うちも!
佐々木由梨:あたしもいいかな?
おい、ちょっと待て待て!
何だよこれ。
みんな誰だよ。
いきなりすぎるだろうが。
ってかどうするよ。
超答えづらいんだけど…
宮本鳴:三上君なら大丈夫よ。今日みんなと仲良くなりたいって言ってたし。
高松幸助:マジで!?俺も仲良くなりたいわ〜!
椿加奈子:三上君よろしくね!
佐倉伊織:うちも追加する!よろしくね!
富樫瑛斗:よろしく!
西宮由乃:三上君よろしく!
戸塚優梨奈:うちもよろしく!
佐々木由梨:あたしもよろしくね!
おいこらマイエンジェル!!!
何勝手に言ってんだよ!!
よろしくラッシュが起きてるじゃねえか!
仲良くなりたいなんて一言も言ってないぞおい!
どうするよこれ。
完全に誤解生むだろ。
何か言わなければ。
けど追加ダメなんて言えないし、仲良くしたくないなんて言ったら明日めっちゃ気まずい。
よし。
ここは一言で済ませよう。
三上冷:みんなよろしく。
これでいい。
そしてスマホを放置。
グループトークなんかに参加しない。
パソコンでサッカーの動画でも見るか。
午後11時。
もうそろ寝る時間だ。
スマホで目覚ましをセットして寝るため一回スマホを開かなければならない。
どうせあの後もみんなでグループトーク盛り上がってるんだろうけど。
LINE通知530件。
え?
は?
530?
はああああああああああああああ!?!?!?
530!?!?!?
通知の数が530だと!?
三桁!?!?
こんなの見たことねえよ!
どんだけグループ内で話してるんだよ!
しかも個別にみんなから来てる。
これ全部返さないといけないのか?
ってかこれほぼ全員じゃねえか!
女子はわかるけど何で男子からも来てるんだよおい。
これ返さないと明日みんなから変な目で見られる気がする。
やってられねえわ。
仕方ない。一言ずつ返して寝よう。
だが一言返せばまた返信が来て、その永遠ループ。
結局夜中の2時まで寝れず。
全部マイエンジェルのせいだ。