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あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
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水曜日の朝

次の日。


さて今日の通学スケジュールをおさらいしとこう。

昨日の夜、改めてしっかりと対策を練りなおした。

昨日は見事に失敗したからな。

もう同じ失敗は繰り返さない。

知り合いと会わずに登校する方法。

難しいことではあるが、僕になら出来る!


まず、星乃さんと安藤渚に会わない方法は昨日と同じのように僕が普通列車に乗ればいい。

ショウタについては会っても会わなくてもどっちでもいい。

ってかどうでもいい。男子だし。

次に宮本さん対策だ。

昨日宮本さんは僕と同じ普通列車に乗っていた。つまり、快速列車が止まらない駅から乗ったことになる。

主要駅と主要駅の間だ。

如月駅の前の主要駅は栞咲中央駅だ。

この二つの主要駅の間にある三つの駅のどれかに宮本さんの利用している駅があるはず。

宮本さんと会わずに済む方法は普通列車でこの栞咲中央駅まで行き、そこで降りて快速列車に乗り換えればいい。

完璧じゃないか。

宮本さん残念だったな。

簡単に僕とは登校させないぜ。


そして僕は家を予定通りに出て、無事栞咲中央駅に着いた。


ここで10分待てば快速列車が来る。

宮本さんに会わずに済む!

そして一人で好きな音楽を聴きながら登校!

良い一日になりそうだ!


構内アナウンス「まもなく、2番線に新すのはら行きが到着します。」



さあ乗るか。

電車に乗った。



ハル「あ!冷君おはよ〜!」


冷「おはようございます。」



ん…?

おはようございます?


って…


星乃さん!?!?!?!?


何!?!?!?!?


なぜだ?

何で星乃さんがこの電車に?

待てよ…?

これって僕が対策を考えてなかったら、僕が乗るはずの電車なのか?

ってことは…


しまったあああああああ!


これじゃ朝早く起きて普通列車に乗った意味ないじゃん!

ってかもしかして安藤渚もこの電車に!?

どこだ?この車両にいるか?どこだ?いるのか?


ハル「冷君どうしたの?」


ちょっと待っててください星乃さん。

今緊急事態なのです。

安藤渚には会ってはいけないのです。

彼女は僕の過去を知っているのです。

だから会ってはいけないのです。

どこだ?いるか?いるのか?


よし。この車両にはいないようだ。

とりあえず一安心。


ハル「冷君大丈夫?」


冷「大丈夫です。」


ハル「ところで何でこんなところから乗ってきたの?」


冷「降りる駅を間違えました。」

本当は違うけど。


ハル「そうなんだ〜、冷君って本当はドジ?」


星乃さんには言われたくない。

冷「いや、そうではないと思います。」


ハル「ってか冷君座らないの?あたしの隣空いてるけど?」


座るわけないだろ。

一緒に隣同士で座ったらそこから良い雰囲気になってそのままゴールしてしまうじゃないか。

すごい危険だ。

ただでさえ二人きりの状況。入学式の帰り二人きりになって、僕に悩みの相談してきたじゃないか。

ダメだ。座ってはいけない。

けどどう断ればいい?

星乃さん可愛いからすごい断りづらい。

どうする?

足腰を鍛えるために立っていたいとでも言うか…

冷「立っていると少しだけ足のトレーニングになるので座るのは遠慮しておきます。」


鳴「トレーニング?」


冷「はい。これから部活も始まるのでそれに向けて。」

本当は違うけど。


鳴「そうなんだ〜、冷君って真面目なんだね!」


いいえ全く。そして素直すぎるこの子は。

冷「まあ一応…」


それから僕らは適当に話をしながら学校に向かった。

僕はいつになったら一人で登校出来るのか…




ハル「鳴おっはーーー!」


鳴「ハルおはよう。」


冷「宮本さんおはようございます。」


鳴「おはよう。ちょっとあなた、何で星乃さんと一緒なの?」


冷「たまたま電車で会って。」


鳴「そう。星乃さんとは一緒に登校するのに私とは嫌なんだ?」


冷「いや、たまたま会っただけですって…」

何でこうなるんだよ。

好きで一緒に登校したわけじゃないし。


ハル「鳴、ほんとたまたまだよ〜。」


鳴「そう。ハルが言うなら信用するわ。」


僕は信用されてないっていうことかよ。

別にいいけど。


ハル「じゃあ明日から三人で登校しようよ!」


おいおい星乃さん。

何言ってるんだ。

するわけないだろ。


鳴「そうね。じゃあ明日から如月駅集合ね。」


何勝手に話進めてんだよ。

いや、一緒に登校なんかしないぞ?

これ以上仲良くなんかなる気ないぞ?

そうだ!

僕も慶太みたいにチャリ通しよう!

って…家が遠すぎる…

冷「僕は一人で大丈夫です。」


鳴「ダメよ。そもそも何でそんなに一人で登校したがるの?私たちのこと嫌いなの?」


ほんとそのタイプの質問好きだな。

二人とも超可愛いから嫌いなわけないだろ。

ただ、これ以上関わりたくないだけだ。

冷「一人でいると落ち着くので…」


鳴「理由になってないからあなたの意見は却下ね。」


いや理由にはなってるだろうが!


ショウタ「みんなおはよーーーー!」


ハル「ショウタおっはーーー!」


ショウタが来た。

ほんと朝から元気なやつだ。


ハル「そうだ!ショウタも明日からあたしたちと一緒に登校しない?」


ショウタ「お!いいよーー!」


鳴「ダメよ。」


宮本さん即答。

さすがだ。


ハル「鳴何で〜?」


鳴「邪魔だから。」


宮本さん相変わらず冷たい。

そして酷すぎる。


ショウタ「お願いだよー宮本ちゃ〜ん!」


だから宮本ちゃんって…

もうこれからその呼び方で行くのか?


鳴「嫌よ。」


ハル「鳴、ショウタ悪い人じゃないよ?」


鳴「嫌だ。」


ハル「鳴〜、お願いだよ〜、たくさんいた方が楽しいよ〜?ね?いいでしょ?」


鳴「まあ…ハルがそこまで言うなら仕方ないわ。でも私の隣は歩かないでね。」


可哀想なショウタ。

ショウタよ。

君に宮本さんを攻略するのは無理だ。

今から星乃さんルートか岬先生ルートに変えるべきだ。



「そうだ!みんなLINE教えて!」

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