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あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
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ヘラヘラした顧問

振り返るとそこには40代ぐらいの気楽そうな先生がいた。

「新入生?入部希望者!?」


慶太「まあ一応、入部しようかなって考えてます。」


「お〜!イイね〜!大歓迎だよ!」


まさかこの人が顧問なのか?

冷「サッカー部の顧問の方ですか?」


顧問「そうだよ〜」


この人が顧問か。

なんかヘラヘラしてるというか、優しそうというか、やる気なさそうというか。そんな感じの先生。

でもこういうタイプの先生で良かった。

厳しい先生とかだったら入る気なくしてたかも。


慶太「他に顧問の先生やコーチはいないんですか?」


顧問「いないよ〜俺だけ俺だけ。私立だから他にコーチを雇おうと思えば出来るんだろうけど、うちの学校サッカーに関心がないんだよね〜」


私立なのに弱小なのはこういう理由なのか。


顧問「うちは県内で私立最弱らしいよ〜ハハハハハハハハ」


いや何笑ってんのよ。

監督がこれじゃいくら上手い選手が来てもダメだろ。


慶太「練習は週何回ですか?」


顧問「火曜と木曜の2回で土曜日に試合があるだけだよ〜。どう楽でしょ?」


楽って…

監督もやる気ないのかよ。

でも思ってた通り練習回数は少ない。好都合だ。


顧問「ところで新入生は君たち二人だけなのか〜?」


慶太「僕らが知る限りではそうです。」


顧問「困ったな〜、うち今3年生が10人で2年生が7人しかいないんだよ〜、だから今年の新入部員を最低でも4人集めないと来年試合に出れないんだよ〜」


危機的状況なのかよ。

しかもベンチでもいいって思ってる僕からしたら、来年絶対試合に出るじゃん。

かと言ってこの学校には知り合いほとんどいないし、漫画やアニメみたく部員集めなんて出来るわけがない。

ってかそもそもやりたくない。面倒くさいだろ。

部員集めすると新たに出会いが生まれてそこから女子に繋がってしまう可能性がある。

まあ、来年試合出来なくても別に練習だけやってればいいんじゃね?

どうせ弱小なんだし。


慶太「練習っていつから参加できるんですか!?」


慶太はもう練習に参加したいのか。やる気あるなぁ。

ってかやる気あるなら何でこの高校に来たんだ?


顧問「入部届け出したら参加していいよ〜」


慶太「分かりました!明後日の木曜日に提出して練習に参加します!」


顧問「オッケーオッケー」


そうだ。

一つ重要なことを聞かないといけないんだった。

冷「あの〜、女子マネージャーっているんですか?」


顧問「女子マネージャー?うちの部活にそんなのいるわけないよ〜、弱小サッカー部だよ?」


冷「ですよね。」

良かった。

女子マネージャーという存在は極めて危険な生き物だ。

部活で常に共に行動し、マネージャーは日々選手への意識が強くなってしまう。

応援して、活躍してほしいという気持ちが徐々に増していき、やがて部員の一人に恋をしてしまう。

そして恋の標的となるのが間違いなく僕である。

僕のサッカーしてる姿を見たら必ず惚れさせてしまう。

これは決定事項。

だから女子マネージャーはいてはならないのだ。


顧問「君もしかして女子マネージャー欲しいの?欲しいなら募集するけど?」


冷「いや結構です。」


顧問「まあ募集したところで来るわけないけどな〜ハハハハハハハハハハ」


だから何一人で笑ってるんだよ。



その後僕らは1時間ほど練習を見てグラウンドを後にした。


慶太「冷はどうやって帰るの?」


冷「電車だよ。慶太は?」


慶太「僕はチャリ通なんだ。」


冷「そうか。じゃあまた明日。」


慶太「冷バイバ〜イ!」


さあ帰るか。

やっと一人になれたって感じだ。


そして誰かに会うんじゃないかと警戒しながら帰った。

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