梓の親友と初恋
ーカラオケの帰り道ー
志穂「じゃあ私こっちだから2人ともまたね〜!」
圭「バイバイ、また今度ね。」
鳴「またね〜!」
圭「宮本は家どこなの?」
鳴「ここから5分ぐらいかな〜」
圭「近いな。」
鳴「蒲田君は?」
圭「10分とか?」
鳴「ちょっと遠いね!」
圭「まあ少しね。」
鳴「今日は何でカラオケにいたの〜?」
圭「誘われたから。」
鳴「へ〜笑」
圭「何だよ。」
鳴「女の子2人とカラオケなんて蒲田君ってモテるんだな〜って。」
圭「別にそんなんじゃねーよ。」
鳴「ほんとかな〜?」
圭「嘘をつく理由がどこにある。」
鳴「え〜なんか怪しいな〜笑」
圭「そもそも2人をそういう恋愛対象として見てないから。」
鳴「ふ〜ん、まあいいけど。ってか蒲田君と話すの久しぶりかも!」
圭「そうだっけ。」
鳴「好きな人できた!?」
圭「またそれか。」
鳴「だって前は答えてくれなかったじゃん!」
圭「当たり前だろ。宮本に関係ないし。」
鳴「良いじゃん!あ、ひょっとして私とか?笑」
圭「はいはい。じゃあもう宮本にしとくよ。」
鳴「え〜なにそれ〜」
圭「自分の恋愛とか人に話すわけないだろ。」
鳴「じゃあ鶴ちゃんのことはどう思ってるの?」
圭「何で急に梓?」
鳴「なんとなく。鶴ちゃん可愛いし!」
圭「梓は昔から知ってるだけ。それだけだよ。」
鳴「ふ〜ん、なんか冷たいね。」
圭「何が?」
鳴「蒲田君が! ってか鶴ちゃんの好きな人は知ってるの〜?」
圭「知るわけないだろ。」
鳴「じゃあ教えよっか!?笑」
圭「別にいいわ。興味ないし。」
鳴「またまた〜笑」
圭「ってかそういうの勝手に言って梓怒らないの?」
鳴「あーたぶん怒る!笑」
圭「じゃあやめとけよ。」
鳴「は〜い。」
圭「そういう宮本はどうなの?」
鳴「え〜やっぱり気になる〜?笑」
圭「じゃあいいわ。」
鳴「えっ、嘘嘘!聞いて!!」
圭「うるさいな。」
鳴「私の好きな人は〜…」
圭「うん。」
鳴「蒲田君!」
圭「あーもういいわ、そういうの。」
鳴「ねえちょっと!反応冷たい!」
圭「あのなぁ…そういうことを言ってるから男子が勘違いするんだろ。」
鳴「勘違いされても良い人にしか…言ってないよ…?」
圭「・・・」
鳴「あ!照れた!?ねぇ今照れたでしょ!?」
圭「うるさい。」
鳴「蒲田君が照れた!照れた!」
圭「何はしゃいでるんだよ。」
鳴「だって嬉しいじゃん!蒲田君が照れたんだよ!」
圭「はいはい。それにしても宮本ってすげーな。そりゃあ男子も皆惚れるわ。」
鳴「蒲田君は惚れないの?」
圭「惚れないだろ。誰がさっきまで人の彼氏とキスしてた女に惚れるかよ。」
鳴「ねえそれはもう終わったことだから〜!」
圭「終わったことねぇ…」
鳴「桜木君が京香ちゃんと付き合ってるなんて知らなかったもん!」
圭「はいはい分かってるって。ってか宮本は桜木が彼女持ちでも特に悲しくなったりはしないんだな。」
鳴「う〜ん、そういうのよく分かんないけど、別に何も思わなかった!」
圭「そもそも好きだったの?」
鳴「好きじゃなかったと思う!」
圭「なんか話聞けば聞くほど宮本すげーってなるわ。」
鳴「そうなの?」
圭「うん。同い年なのになんか恋愛の経験値が違いすぎて恐ろしいわ。」
鳴「別に大したことしてないよ〜」
圭「それ他の女子に言わない方が良いぞ。」
鳴「えっ何で〜?」
圭「いや何でもない。」
鳴「ふ〜ん。ねえ今日家来ない!?」
圭「は?」
鳴「だって蒲田君暇でしょ〜? 私の家、まだ親帰ってこないから!」
圭「すげえグイグイ来るじゃん。俺じゃなかったら男子全員勘違いしてるわ。」
鳴「蒲田君もしてよ!」
圭「するわけ。」
鳴「えーーー」
圭「ってか男子を家に上げるのって怖くないの?」
鳴「全然!だって危なくなさそうな人しかあげてないもん!」
圭「それでも気を付けろよ。」
鳴「えっ!?心配してくれた!?」
圭「はいはい、心配です心配です。」
鳴「だーかーらーさっきから冷たいよ〜!」
圭「悪かったな。」
鳴「もー!それで、家には来てくれるの?」
圭「行かないし、次の男を誘うのが早いわ。」
鳴「え〜だって家でお喋りするだけだよ〜」
圭「そうか。」
鳴「あれ?笑 もしかして何か勘違いしてる?笑」
圭「してません。」
鳴「でも蒲田君なら…そういうことしても…」
圭「はいはい。気持ちだけ受け取っておく。」
鳴「だからさっきから蒲田君冷たい!」
圭「知ってるって。」
鳴「知ってるじゃない!」
圭「ってか俺なんかといても別に楽しくないだろ。」
鳴「え?何言ってるの?」
圭「ってかそんなによく話す仲じゃないじゃん。」
鳴「でも今はちゃんと話してるよ?」
圭「今の話じゃねーわ。」
鳴「えー」
圭「とにかく誘うなら俺じゃない誰かちゃんとした人を選びな。」
鳴「えーそれはちょっとー…」
圭「あのなぁ。そんなに可愛いんだからもっと他の奴が良いと思うぞ。宮本に俺は勿体ない。」
鳴「えっ…?」
圭「だーかーらー、宮本は可愛いんだからもっと他の男子の方が良いって言ってるの。例えば本郷とか。あいつめっちゃイケメンなのに中身の方が超イケメンだからな。本郷ならいつでも紹介するぞ。」
鳴「あっ…うん…」
圭「とにかく俺じゃ勿体ないから。」
鳴「・・・」
圭「もうこの際だからはっきり言うけど、もっと自分を大事にしな。あと、その男子と遊ぶのも程々にした方が良い。もう手遅れかもしれないけど、そろそろやばいと思うから。」
鳴「・・・」
圭「聞いてる?」
鳴「あっ…うん。聞いてるー!」
圭「じゃあ俺先に帰るから。」
鳴「えー帰っちゃうの〜?」
圭「うん。」
鳴「え〜!やだ〜」
圭「はいはい。可愛い可愛い。」
鳴「ばか!!!」
圭「は、急にどうした。」
鳴「何でもない〜!!」
圭「そう。でもその感じは良いと思うわ。可愛い。やっぱ宮本すげえな。」
鳴「どういうこと!!?」
圭「宮本バイバイ。」
鳴「ねぇちょっと!!!」
圭「バイバーイ。」
鳴「もー…」
鳴「ばか…」
圭「あ、せっかくだから最後に聞くわ。」
鳴「なに!?」
圭「無理って分かってても好きって伝えるのってアリだと思う?」
鳴「えっ…」
圭「あーやっぱ何でもないわ。宮本またね。」
鳴「えっ…ちょっと…!」
圭「また学校で〜」
鳴「アリに決まってるじゃん!伝えてみないとそもそも無理かどうかなんて分かんないよ!言ってもらわないと分かんないこともあるから!」
鳴「って…」
鳴「聞かないで言っちゃったじゃん…」
鳴「…ばーか」
圭「そうか。ありがとう宮本。」