明かされ始めるエンジェルの過去
私の名前は宮本鳴。
高校での私は変だと思う。
友達もほとんどいないし、性格も口も悪いし、愛想がなく、人付き合いが下手くそ。
一応ちゃんと理解しているつもり。
でも元々の私はこんな感じではなかったと思う。
友達もそれなりにいたし、楽しく学校生活を送っていた。
別に特別明るかったわけでもないし、暗かったわけでもない。
髪も今とは違って黒かった。
喋り方も違った。
性格も違った。
いわゆる普通の女子だったと思う。
でも強いて言うなら、顔が特別良かったんだと思う。自分で言うのもなんだけど。
かなり男子からモテた。
告白も週3回はされてたし、良いなと思った人とは付き合ったりもしてた。
気がついたら彼氏が3人いたってこともあった。
今考えると頭おかしいけど、同時の私はそれが当たり前というか、そういうものだと思って何も気にしないで生活してた。
皆も同じように過ごしてると思ってた。
だから気づいた時には、女子のほとんどは相手をしてくれなかった。
無視されるようになってた。
陰口が聞こえてくるようになってた。
鈍感だった私は、友達の好きな子や彼氏を自覚なしに奪ってたらしい。
だから自業自得。
弁解しようとしたけど、誰も耳を傾けてはくれなかった。
別に自分から奪いに行こうとしたわけではないけど、向こうからすればそんなのはどうでもいいんだと思う。
私は女子の中で嫌われた。
けど本当に孤立していたわけではなかった。
私のことを理解してくれてちゃんと接してくれた友達がいた。
3人いたけど、その中でも特に優しく接してくれたのが鶴ちゃんだった。
鶴ちゃんはずっと私を心配してた。私が嫌われる前から。
私が何も考えずに男子と遊んでるところを鶴ちゃんは気にかてくれていた。
後々考えると、鶴ちゃんからの忠告はちゃんとあった。
けどその時の私は、無自覚で何も理解してなかったから気にせず遊んでた。
それなのに鶴ちゃんは怒らずにずっと私のそばにいてくれた。
私と一緒に登下校してくれたし、休み時間も一緒にいてくれた。
嫌われている私と仲良くしてると、普通なら鶴ちゃんも嫌われるが、そんなことはなく、むしろ逆だった。
鶴ちゃんは人柄が良いし、人付き合いも上手いから、人望が熱い。
私とは逆。
そもそも私なんかより断然可愛いのにどうして男子は私の方ばっかり来るんだろ?
それは結局最後の方まで理解できなかった。
けど男子が鶴ちゃんに言い寄っても無理なのは知ってた。
鶴ちゃんは幼馴染みの蒲田君にずっと惚れていた。
そして蒲田君も鶴ちゃんに惚れていたけど、それを知ったのはかなり後で、もっと早く知ってたら人生変わってたと思う。
だって私と蒲田君は…
そういうことをしちゃったから…