別に何も思わないけど?
ハル「あれ?そういえば鳴と或斗君は~?2人ともトイレとかかな〜?」
高松「いや俺さっきトイレ行ったけど或斗はいなかった!」
ハル「冷君は2人がどこ行ったか知らない?」
冷「僕も分からないですね。」
これは嘘じゃない。
気付いたら2人はいなくなってた。
ボウリング終わってからは、ボールを戻したり靴を返却したりしていたから、おそらくその時に隙を見て抜け出したのだろう。
だとしても一瞬だ。
そんな一瞬で誰にも見つからずに抜け出せるものだろうか。
しかも女の子を連れてだ。
或斗中々やるなぁ…
高松「ちょっと俺電話してみるわ!」
その必要はないぞ高松。
お前が電話しても出ない。
ハル「ありがと!あたしもさっきから鳴に電話してるけど出ないんだよね〜…」
宮本さんも電話に出ないということはやはり宮本さんも少しは乗り気か。
まあそもそも誰にもバレずに抜け出すなんて、女の子側の了承がなければほぼ不可能。
2人でこっそり話し合わせてタイミングよく実行するしか方法はない。
しかしあの宮本さんが乗り気とは…
もう僕を諦めてくれたか。というかこれで完全に或斗にシフトチェンジしてくれれば、少なからず今日わざわざ行動した意味が出てくる。
後は或斗次第か。
宮本さんを頼んだぞ。
ハル「ねぇ冷君…ちょっと…」
冷「あ、はい。」
ハル「鳴と或斗君がこっそりどこか行ったってことなのかな…?」
冷「そうだと思いますよ。」
ハル「だよね…」
冷「はい。」
ハル「今日の集まりって或斗君が言い出したんだよね…?」
冷「そうですよ。しつこく頼まれました。」
ハル「もしかして…鳴のこと好きとか…?」
星乃さん察しが良いな。
冷「はい、たぶん。」
ハル「え…じゃあやっぱり探さないと…!」
冷「え、別に探さなくて大丈夫じゃないですか。」
ハル「だって無理矢理連れてかれたかもしれないじゃん…!」
冷「大丈夫だと思いますよ。」
ハル「でもでも〜」
冷「無理矢理なら流石に誰かは気づくと思います。」
ハル「そうだけど…でもやっぱり鳴なら連絡してくるよ!」
冷「後でするんじゃないですか?今は或斗に夢中だと思いますよ。」
ハル「でも鳴の好きな人って…」
前までは僕だったけど、今は違うと思うぞ星乃さん。
心変わりというやつだ。
僕としてがはありがたい。
星乃さんはこのまま邪魔をしないように。
僕のことが好きならライバルが1人減ったんだ。
むしろ喜んでも良いと思うぞ。
ハル「冷君はさ…」
冷「はい。」
ハル「鳴と或斗君がこのまま良い感じ進んでも良いの…?」
冷「全然良いですけど。」
ハル「鳴のこと何も思わないの…?」
冷「はい、特に何も。」
ハル「鳴と或斗君が付き合ったら…?」
冷「おめでたいじゃないですか。」
ハル「冷君…」
冷「はい。」
ハル「冷君…」
冷「はい?」
ハル「冷君は…」
どうした星乃さん。
宮本さんと或斗はこのまま良い感じに進む。
お互いそれを喜ぼう…じゃ…
ハル「冷君はバカだよ!!!!!」
冷「え…」
ハル「ほんとバカだよ!!!ずっと一緒にいたのに何でそんな平然としてるの!!ちょっとは人の気持ち考えてよ!!」
冷「え…ちょっ…星乃さん?」
ハル「何であんなに一緒にいるのに鳴のこと何も思わないの!冷君も最低だよ!!!」
冷「えーっと…」
ハル「ほんと冷君も最低!!!」
冷「僕も最低…?」
ハル「やっぱり探してくる!」
冷「え?」
ハル「今日はごめん!冷君…またね…」
冷「ちょ…」
泣きながら去って行った星乃さん…
あれ…
どうなってるんだこれ。