なぜこいつを誘った
ーーー数日前のLINEーーー
三上冷 :星乃さん、ちょっとお願いがあるんですけど…
星乃ハル:冷君!どうしたの?
三上冷 :実は友達がどうしても5人ぐらいで遊びたいらしくて、まあ訳あって僕が人を集めることになったんですが、あいにく僕そういうの苦手でして… もしできれば星乃さんにクラスの人を集めて欲しいなと思いまして…
星乃ハル:そうなんだ!あたしで良ければ全然良いよ〜!
三上冷 :ほんとですか?ありがとうございます。
星乃ハル:うん!全然大丈夫!誰誘えば良いかな?
三上冷 :とりあえず宮本さんと、後1人誰か誘って欲しいです。
星乃ハル:分かった!鳴にはもう言ってあるの?
三上冷 :いやまだです。誘っといてもらえると助かります。
星乃ハル:分かった!後の1人は誰誘えば良いかな?
三上冷 :ショウタとか慶太とか…まあ男子の誰か1人でお願いします。
星乃ハル:オッケー!任して!
三上冷 :ありがとうございます。それと、このことは内緒にしてもらっても良いですか…? 星乃さん主体みたいな形にしてもらえると助かるというか…
星乃ハル:あ、うん!全然良いよー!
三上冷 :ほんとありがとうございます…
星乃ハル:任しといて!遊ぶ日とかはいつが良いかな〜?
三上冷 :週末だと助かります。
星乃ハル:オッケー!じゃあ全部やっておくね!
三上冷 :ほんと助かります。
星乃ハル:冷君の頼みだもん!ほんとは色々聞きたいけど、たぶん冷君は答えてくれないから聞かないでおく!笑 その代わりあたしが行きたいところとか決めるから、ちゃんと来てね?笑
三上冷 :あ、はい、分かりました。
ーーー
と、まあこんな感じで星乃さんにLINEして頼んだ。
流石星乃さん。人が良すぎる。
それに顔が良くて胸も大きめとか、やはり彼女にするには素晴らしすぎる存在だが、僕には無理である。
まあ一発ヤるのもありだが、やめておこう。
関係を持ってしまった時点で僕に未来はない。
まあ今回のことはとりあえず星乃さんに頼めば大丈夫であろう。
と思っていたのだが…
ーーー
「やあ三上君!今日はめっちゃエンジョイしようぜ!!!」
は?
「どうしたの三上君?ぼーっとして。」
なぜお前がいる…
「せっかく皆で遊ぶんだから盛り上げて行こうぜ!!」
ハル「高松君テンション上げすぎだよ〜!」
高校デビュー高松…
なぜこいつがいる。
いや、別に嫌っているわけではないが、あの謎のテンションの高さは苦手だ…
別に教室にいる時はまあ慣れたが、こんな感じで話すとなるときついなと…
彼は僕と仲良くなりたいようだが、到底なれそうにない。
っていうか星乃さんよ。
どういうつもりだ?
てっきりショウタとか慶太が来るんだと思っていたんだが…
高松「いつもこんな感じでしょ!」
ハル「確かにそうかも笑」
高松「ハルも盛り上がって行こうぜ!」
ハル「そうだね!」
高松「ってか他の2人は遅いなぁ。後誰来るんだっけ〜?」
ハル「えーっと〜鳴と、冷君の友達の…えーっと…名前なんだっけ?笑」
冷「或斗です。」
ハル「そうそう!或斗君!1組なんだっけ?」
冷「そうですね。」
そういえば星乃さんは或斗のことを知らなかったな。
学年の誰もが知ってる有名人じゃなかったのかよ。
高松「あ、或斗来るの!?」
ハル「うん!」
高松「マジ!?楽しみだわ〜!」
今日の男子はイケメン2人とあなたですが、大丈夫ですか?
あまりの格差にメンタル死にません?
まあ女子は星乃さんと宮本さんだから、そこまで関係ないが。
高松「それにしても遅いなぁ、早く来てくれよ〜」
鳴「遅いって誰のことかしら?」
ハル「あ、鳴!」
あ、宮本さん、いつの間に。
高松「あ!宮本さん!遅いですよ〜」
鳴「あーそう。それよりあなたがちゃんと来るなんて珍しいわね。」
高松「いや俺は〜」
鳴「あなたじゃない、黙ってて。」
高松「あ、はい…」
鳴「あなたに聞いてるの。」
冷「あー僕ですか。」
鳴「そうよ。私がしつこく誘ったわけでもないのに来るなんて意外だわ。」
冷「まあそうですかね。」
鳴「一体どういうつもりかしら?」
冷「え?」
鳴「やっぱりいいわ。気になっただけだから気にしないで。私は関心してるから。」
冷「どうも。」
今回は事情があるんですよ宮本さん。
まあ言うわけないが。
鳴「あれ、境君はまだ来てないのかしら。」
ハル「境君?」
高松「或斗のことだよ!」
ハル「あ、そうなんだ!」
高松「まああんまり名字で呼ぶ人いないけど笑」
ハル「そうなんだ〜 ってか鳴はその或斗君って人知ってるの〜?」
鳴「まあ一応は。」
ハル「そうなんだ!」
これは少し意外だな。
今まで僕以外の男には見向きもしなかった宮本さんが、なぜか或斗を知っている。
やはりイケメンだからだろうか。
でも或斗からすればこれはポイントが高いというか少し有利だろう。
鳴「でも知ってるだけ。興味はないわ。」
やっぱり有利じゃないかもしれない。
高松「それにしても或斗遅くね?」
ハル「ん〜どうしたんだろ〜?」
高松「ちょっとLINEしてみるわ!」
ハル「あ、LINE持ってるの?」
高松「もちろん!前遊んだ時に交換したから!」
へぇ。こいつと或斗って面識あるのか。
もしかして仲良いとか?
まあ両方ともクラスの人気者的立場だから、そういう高校特有の上辺だけのノリみたいな交流とかあるのだろう。
高松「三上君は或斗といつから仲良いの?」
冷「最近かな。」
高松「最近か!じゃああいつのことまだ分からんかもしれないけど、あいつ結構マイペースというか自分優先で行動しちゃうんよな〜。だからたぶん今日も遅刻してるんだけど笑 けどほんとあいつは良いやつだし、一緒にいても面白いから今度三上君も誘うわ!マジ面白いから笑 あいつだってこないださ〜…」
どうした高校デビュー高松。
急に或斗との思い出話というか、なんか語ってきた。
そんなに仲良いのかは知らないが、別に僕には関係ない。
仲良くなった言っても、向こうからグイグイ来るだけだし、今回の目的は別に僕らが仲良くなることじゃない。
或斗と宮本さんをくっつけさせる第一歩。
なので脇役の人数合わせのお前は少し黙れとは思うが、それは流石に可哀想なので、僕に話してることは全て星乃さんに話していただきたい。
ほら、星乃さんは可愛いぞ。
無理だとは思うが、頑張ったら落とせるかもよ?
とりあえず今日のお前の役割は星乃さんの相手だ。
というのを全部言ってやろうか迷ったが、前に一回全部言ってしまって後悔したので、もうやめておこう。
やはり高校デビュー高松といるとストレスがかかってしまうな…
今日は我慢だ。
「皆お待たせ〜!!」
あ、或斗が来た。