新太やらかす
とある金曜日。
定期テストが終わり、気が楽になった生徒たち。
もちろん、僕もその一人。
ちなみに今回は前みたいな勉強会はなかった。というか今回は誘われなかった。
やっぱり宮本さんは徐々に積極性が低くなってきてる気がする。
まあ僕にとっては朗報だ。
岬「それでは皆さんテストお疲れ様でーす!気をつけて帰ってね。さようなら〜」
「さよならー」
さてさて帰ってゲームでもするかな。
鳴「あなた、テストお疲れ様。」
冷「どうも。お疲れ様です。」
鳴「まあ私はどうせ赤点決定だからテスト終わってもあまり意味ないけれど。」
冷「そうですか…」
宮本さんって成績大丈夫なのか…?
ハル「二人ともお疲れ様!」
鳴「ハルお疲れ様。」
ハル「さっき冷君にも言ったけど、今日の数A難しかったね〜!」
鳴「そうね。まあ私からすれば全教科難しいのだけれど。」
ハル「もしかしてまた勉強してないの〜?」
鳴「そうね。勉強は嫌いだわ。」
ハル「ダメだよ〜鳴〜留年しちゃうよ〜?」
鳴「その心配はないわハル。補習さえ受けてれば問題ないから。」
ハル「それでも赤点は良くないよ〜!」
鳴「まあ次から頑張るわ。それより帰りましょ。ハルは部活かしら?」
ハル「ごめんね…テスト終わって今日からまた部活始まるんだ…」
鳴「そう。部活頑張って。」
ハル「鳴ありがと!!頑張る!」
鳴「それじゃああなた。帰りましょ。」
冷「はい。」
「ちょっと冷いる〜?」
ん?
鳴「あなた呼ばれてるわよ。」
冷「えーっと…」
「あ!冷いたいた!」
あ、新太か…
新太「ちょっと冷!この後空いてる?」
なんだ新太、急にどうした。
新太「っていうかまずこっち来て!(笑)」
冷「すみません。ちょっと呼ばれてるので…」
鳴「良いわ、行きなさい。それにしても最近彼と仲良いのね。」
冷「ありがとうございます。確かによく喋ってます。」
鳴「まあいいわ。行ってきなさい。」
冷「はい。」
ハル「あーあー冷君また行っちゃったよ鳴〜」
鳴「別に良いわ。それよりハルは部活に行かなくて良いの?」
ハル「そうだった!もう行かないと…!」
鳴「私も玄関まで一緒に行くわ。行きましょう。」
ハル「あ、うん。でも冷君待たなくて良いの?」
鳴「良いわ。行きましょ。」
ハル「あ、うん…」
鳴、最近どうしたんだろ?
冷君と何かあったのかな?
ーーー
冷「それで何の用?」
新太「この後空いてるよね?」
冷「まあ空いてるけど。」
新太「ちょっと冷と仲良くなりたいって人がいるからさ、そいつと俺らで遊ぼうぜ!」
冷「え、誰?」
まさか女の子じゃないだろうな…
新太「或斗!ほらこないだ話したしょ?」
冷「或斗…?え、誰だっけ?」
新太「えー話したって!(笑)ほら、冷と同じぐらいイケメンで女子に大人気のさ〜」
冷「あーなんか言ってたね。でもなんでそいつが僕に?」
新太「それは俺も分かんない!とりあえず会いたいらしい!」
冷「そうか。」
一体何の用だ?
あれか?
真の学年No1男子を決めようってか?
顔見たことないから分からないけど、仮に僕レベルのイケメンだったとしても、そもそも張り合う気がない。
ほんとどうでもいい。
まじで勝手にしてくれ。
まあ、どうせ「仲良くしたい」とか薄っぺらい理由なんだろうけど。
新太「とりあえず、俺らは駅で集合になってるから行こ!」
冷「え、何で学校じゃないの?」
新太「なんかいつも駅まで女の子と歩くことになってるらしいから、それを済ませてからだって!」
冷「へー大変だな。」
人のこと言えないけど。
新太「じゃあ俺たちも行こうぜ!」
冷「うん。あ、でもちょっと待って。宮本さんに伝えない…と…」
あれ?
新太「ん?冷どうした?」
冷「いや、なんでもない…」
あれ?
二人とも教室にいないんだが…
どこ行った?
まあ別にいなくて良いんだけどさ。
新太「あ、もしかしてさっき冷が話してた女の子たち?」
冷「うん。いると思ったらもういなかった。」
新太「その子たちならさっき教室から出て行ったよ。」
冷「あ、まじ?」
新太「うん。なんか用あったの?」
冷「いや別に。」
新太「そう。じゃあ行くぞ!」
冷「うん。」
いや待て。
宮本さんと帰らないための理由としてこの誘いを受けたのに、宮本さんがもういないなら普通に一人で帰れるじゃん…
けどもう誘いOKしちゃったし。
まあちょっとだけ或斗?とかいうイケメンにも会ってみたいし。
僕と新太は駅に向かった。
ーーーーー
駅到着。
新太「あれ〜?或斗いないな?」
冷「駅のどこ集合なの?改札前?」
新太「いや、決まってない。ちょっと電話してみる!」
冷「うん。」
それにしても僕と新太とその或斗ってやつで一体何するんだ?
遊ぶって言ったって、カラオケ?ボウリング?それともファミレスでテキトーにおしゃべり?
まあどっち道帰るのは遅くなるか…
「ちょっと、あんた。」
ん?
「こっち。」
冷「あ、渚。何してんのこんなところで。」
渚「あんたに関係ないじゃん。」
冷「あーそうかい。」
渚「あんたこそ駅前で何か用事?」
冷「まあね。」
渚「何、またあの宮本さん?」
冷「いや違う。ほらそこに新太いるじゃん。電話中だけど。」
渚「ほんとだ。あんた最近新太君と仲良いわね。」
冷「そうかもな。」
ってか渚は知らないのか。
例の画像流出未遂の件。
僕がどんだけ苦労して流出を防いだか。
まあ知る由もないか。
感謝はしてほしいが、こればっかりは仕方ない。
渚「あんた何?私をジロジロ見てさ、何?」
相変わらず口悪いなぁ
でも可愛いからいっか。
渚「ちょっとあんた聞いてる?」
冷「ごめんごめん。ぼーっとしてた。」
渚「意味わかんない。」
新太「あれ?渚ちゃんじゃん!どうしたのこんなところで?」
冷「あ、もう電話終わったの?」
新太「いやなんか出なかったわ!それより渚ちゃんはどうしたの!?」
渚「たまたま通りがかっただけよ。」
新太「そかそか!」
渚「うん。」
新太「ってか渚ちゃんこれから暇!?渚ちゃんも一緒に遊ぼうよ!」
は?
おい新太。
渚「え?私が?」
新太「良いじゃん!暇ならおいでよ!ねえ良いよね?冷!」
冷「いや…」
全然良くないんだが。
渚「別に用はないけど、何?あんたたち2人で遊ぶの?」
新太「そうだよ!あ、或斗君も来る!」
渚「え、或斗?」
新太「うん!」
渚「え、新太君は分かるけど、或斗君と冷って仲良かったの?」
新太「いや今日初めて会う!」
渚「え…?」
冷「どうした。」
渚「いや別に。ただ或斗君とあんたが遊ぶってなんか意外だなって。」
冷「そう。それで渚も来るの?」
渚「は、何?あんた私に来て欲しくないの?」
冷「言ってないだろ、そんなこと。」
渚「うるさい。」
冷「はいはい、うるさいいただきました。」
渚「いやほんとうるさい!一旦黙って!」
冷「はーい。」
新太「2人ともやっぱり仲良いんだね!」
渚「良くないから!ほんとに!」
新太「いや〜やっぱ付き合ってただけあるわ〜」
渚「え…?」
冷「おい…」
新太「あ…」
渚「ちょっと待って。」
うわうわうわうわ
おいおいおいおい
ちょっと待て待て…
何言ってんだよ新太…
渚「あんた言ったの?」
新太「悪い冷…つい…」
あーあ。
終わった。
渚「ねぇ言ったの?」
或斗「皆お待たせ!!・・・ん?どうしたの皆…?」
新太「或斗…俺やっちまったわ。」
或斗「ん?どうした?」
渚「ねぇあんた聞いてんの!!!」
或斗「えっ…渚ちゃん!?!?」