宮本さんと廊下で
とりあえず冷静になろう。
冷「宮本さん、それってつまり僕に告白してるんですか?」
鳴「だったらどうするの?」
冷「お断りします。今は彼女作る気ないです。」
鳴「そう。まあいいわ。」
意外にあっさり諦めてくれた。
鳴「そのかわり毎日一緒に登校することね。」
いやいやいやいや。
それじゃ付き合ってるのと大して変わらないじゃねえか。
冷「何でそうなるんですか?」
鳴「あなたにまた寄りかかってもらいたいから。」
ショウタ「ん?冷どういう意味?」
おい!バカ!
何言ってんだよ!
ショウタに電車でのことバラす気かこいつ!?
冷「何でもないよショウタ。」
鳴「何でもない?私に寄りかかって気持ちよ…」
ちょ待て!マイエンジェル!!!
僕はとっさに宮本さんの腕を引っ張って廊下に出た。
鳴「いきなりどうしたの?やっぱり私と付き合う気になった?」
冷「ちょっと宮本さん!電車でのことはみんなに内緒でお願いします。」
鳴「何で?」
冷「色々とみんなに誤解されそうだからです。」
鳴「私とそういう関係って誤解されるの嫌?」
だからそのタイプの質問やめてくれよぉ。
嫌なんて言えるわけないじゃないか。
冷「とにかく、内緒でお願いします。」
鳴「分かったわ。そのかわり一緒に毎日登校してくれる?」
冷「それはちょっと…」
鳴「してくれないなら言いふらすけど。」
ずるいぞ、おい。
ん?でも待てよ?
別にみんなに僕が宮本さんの肩に寄りかかって寝てたことがバレても大丈夫なのでは?
みんなが宮本さんとそういう関係って思ってくれたら女子も僕に近づきにくいはず。
これはいいかもしれない。
フッ、残念だったな宮本さん。
どうぞみんなに言いふらすが良い。
それで僕に近づく女子は減るはずだ。
冷「分かりました。なら、どうぞ言いふらして下さい。」
鳴「えっ?」
冷「別にみんなに知られても結構なので、宮本さんとは毎日一緒に登校できません。」
鳴「そう。分かったわ。あなたって面白い人なのね。」
面白い?何を言ってるんだこの子は。
冷「初めて言われました。」
鳴「ますますあなたに興味が出てきたわ。」
何でそうなるんだ。
何回も言うが、興味を持ってくれるのはありがたい。しかしそこまでにしてほしい。これ以上仲良くなってはダメだ。
冷「そうですか。」
鳴「あなたみたいにモテそうな人が彼女を作る気がない。何か理由があって面白そうじゃない?」
冷「彼女というそ存在が面倒くさいからですよ。」
殺されないためなんて言えるわけがない。
鳴「私にはそうは見えないけど?」
なんか鋭いな宮本さん。
もうこの話は終わりにしたい。
まだお弁当残ってるし。早く食べたいし。腹減ってるし。
冷「そうですか。あの、もう教室戻りませんか?お弁当残ってますし。」
鳴「そうね。」
ハル「お〜い!二人とも〜!」
戻ろうとした時ちょうど星乃さんがやってきた。
ハル「どうしたの?二人で廊下で立ち話?」
鳴「ちょっと三上君に告白されたの。」
はあああああああああ!?!?!?
何デタラメ言ってんだよ!!!おいこらあああ!
むしろ告白してきたのは宮本さんの方じゃねえか!
冷「してませんけど…」
ハル「冷君やっぱり彼女作る気あったんだ〜!」
冷「だから告白してないですよ!」
ハル「またまた〜それで鳴はオッケーしたの?」
鳴「振ったわ。」
振られたんか〜い!
宮本さん表情変えずに言うから本当の話みたいじゃないか!
冷「僕告白してないですよ!」
ハル「冷君!高校生活はまだ始まったばかり!落ち込まずに前向きに頑張って!」
おい、人の話を聞け!
もういいや、教室戻ってお弁当食べよ。
この子たちの茶番に付き合ってられるほど僕のお腹は空腹を維持できないからな。
黙って教室に戻った。
ハル「ちょっと冷君!何で無視するの〜?」
鳴「三上君、やっぱり告白オーケーするわ。」
あ〜うるさい。無視しよ。
これから先、落ち着いて昼休みを過ごせるだろうか?
毎日これだと精神的にきつい。
ショウタ「やっと戻ってきたか〜!何話してたんだ?」
冷「別に。」
ショウタ「おいおい教えてくれよ〜。」
冷「嫌だ。」
ショウタ「頼むよ〜冷様〜!」
先生。早期席替えを希望します。周りがうるさすぎてお弁当のおかずに集中できません!
「あの〜、すみません。三上君だよね?」
「あ、はい。」
初めてショウタ以外からの男子に話しかけられた。
「僕、畑尾慶太って言います。」
「どうも。三上冷です。」
慶太「三上君サッカー部に入る予定なんだよね?」
冷「まあ一応。」
慶太「良かったら今日の放課後一緒に部活動見学に行かない?」