渚って友達いるの?
冷「いや別に。」
渚「あっそ。帰んないの?」
冷「あーうん、帰るけどさ、」
渚「何?」
どうしようか。
さっき新太が言ってたことについて聞くか、そのまま帰るか。
これ以上モテないためにも潔く帰るべきなんだろうけど、何も聞かずに帰ったら新太たちがまたなんか言ってくるだろうし、何より僕も渚のことは一応心配ではある。
元カノだし、部活のマネージャーだからな。
事情ぐらい聞いても良いか。
渚「ちょっとあんた聞いてる?」
冷「あーうん。渚ってさ、クラスに友達いるの?」
渚「は?急に何?」
冷「いや、いつも一人だから。」
渚「は?何あんた。いつも私のこと見てんの?」
冷「よく見かけるから。」
全然見かけないけど。
渚「あっそ。ってか友達いるかどうかあんたに関係ないじゃん!」
冷「まあ確かに。」
否定しないってことはやっぱ友達いないな。
渚「そもそも何であんたがそんなこと聞くの?」
冷「まあ、何となく。」
渚「もしかしてさっき新太君に何か言われたの?」
お、意外と察しが良いな。
渚「ねえ、そうなの?」
冷「それはどうかなぁ。」
渚「はぁ?はっきり答えなさいよ!」
冷「だって渚も答えてくれなかったから。」
渚「は?何それ?マジで意味分かんない!」
冷「はいはい、分かった分かった。」
渚「その返事もウザい!」
冷「じゃあどう返事すれば…」
渚「そんなの自分で考えれば?」
冷「あ、はい…それで友達いるの?」
渚「だからあんたには関係ないじゃん!」
冷「良いからこれだけ答えて。」
渚「はぁ?まあ一人でいることが多いのは認める。けど友達がいないわけじゃないから!」
冷「いや、いないだろ。」
渚「はぁ?」
冷「渚、友達いないでしょ。」
渚「いや、いるから!!」
冷「そんな嘘いらないって。新太から聞いたけどクラスでいつも一人らしいじゃん。」
渚「嘘じゃないから!ってかやっぱり新太君から話聞いてるじゃん!」
冷「まあさっき言われたからね。」
渚「そう…」
冷「別に僕に見栄を張る必要はないでしょ。」
渚「うるさい…」
冷「はいはい。」
渚「ってか私がぼっちなことは冷に関係ないじゃん!」
冷「あ、ぼっちって認めた。」
渚「うるさい!」
冷「まあ確かに僕には関係ないけど、新太から渚に聞くよう頼まれたからさ。」
渚「は?同じクラスの新太君なら聞かなくても見れば分かるじゃん!何?新手の嫌がらせ?」
冷「確かに。」
あれ?
ってか渚に聞くことは「友達いるかどうか」じゃなくて「イジメられてる自覚あるか」だったな。
普通に間違ってしまった。
けどイジメられてるかどうかを本人のストレートに聞くのは少し難しいな。
めっちゃ聞きづらい。
どうしよ。
渚「新太君に言っといて、あんたを通さないで直接聞いて来てって。」
冷「そういう渚も僕を通してるじゃん。」
渚「うるさい!良いから言っといて!」
冷「急にキレるなよ。」
渚「は?キレてないし!」
冷「あーはいはい。」
渚「その返しまじでウザい!もう私帰るから!!」
冷「えっ?ちょっと…」
渚「うるさい!ついてくんな!」
そう言って渚は帰って行く。
そして同時に新太からLINEが来た。
支倉新太:【画像を送信しました】
支倉新太:これって冷だよね!?
ん?画像?
何だろ?
えっ、
はああああああああああああああ!?!?!?!?!?