1年1組女子の裏LINE
その後、何のトラブルもなく夏休みが終わり、昨日から二学期が始まった。
夏休み期間中は、ほぼ携帯を見ないという放置作戦を取っていた為、部活以外に誰かと会うことはなかった。
なので、昨日はそのことについて色々宮本さんに言われた…大変だったぁ…
妹のリナに関してはあれ以来ごく普通の妹になったというか、今までに比べたら外へ出かける回数が増えた。
おそらく同い年の子たちと遊んでるのだろう。
彼氏が出来たかは不明である。
まあ、あのリナの可愛さなら彼氏が出来るのは時間の問題だな。
ーーーーー
火曜日、部活終わり。
冷「なぁ慶太。」
慶太「ん?何?」
冷「明日ってなんか宿題あったっけ?」
慶太「確か英語の宿題あったと思う。」
冷「分かった。ありがとう。」
慶太「あ、数学もあったかも!」
冷「え、ほんと?」
慶太「んーっと…確か…」
「ねえ二人とも!」
ん?
慶太「新太どうしたの?」
新太「いや、あのさ〜」
支倉新太。
僕らと同じ一年生のサッカー部員。
確かクラスは渚と同じ1組だったはず。
新太「渚ちゃんのことなんだけど〜」
慶太「うん。」
新太「確か冷って渚ちゃんと同じ中学だったよね?」
冷「うん、そうだけど。」
新太「ちょっと話聞いて欲しいんだけどさ。」
冷「うん良いけど。」
慶太「なんかあったの?」」
新太「それがさ、一昨日ぐらいにクラスで仲の良い女友達から急にLINEのグループに招待されてさ、」
慶太「うん。」
新太「それで普通に入ったら、まあメンバーはクラスの女子5人ぐらいだったんだけど、それで会話見てたらずっと渚ちゃんの悪口言ってんだよね。」
慶太「え?本当に!?」
新太「そう。まあ、前から渚ちゃんって友達いない感じでさ、女子の中では浮いてるなぁって思ってたんだけど、流石にこのLINEの内容は酷いなぁって思って、」
冷「どんな感じの悪口だったの?」
新太「うーんとね…あ、ってかLINE見る?」
慶太「見たい!」
〜LINE内容〜
池中美晴:ねえ聞いて聞いて
真野愛莉:なになに〜?
入山彩乃:どしたの?w
池中美晴:今日の学校帰りにさ、
入山彩乃:うんw
池中美晴:渚がめっちゃ戸賀に話かけられてて笑ったwww
真野愛莉:それはやばい笑
入山彩乃:戸賀相変わらずきもいww
川崎梓 :いや、両方きもい
古川桃奈:でたw 梓の渚嫌いw
入山彩乃:んねw ほんと嫌いだよねw
川崎梓 :いや、ここにいる皆嫌いでしょ
真野愛莉:まあ、そうだけど笑
池中美晴:新太は渚のことどう思ってんの?
支倉新太:まあ普通かな
池中美晴:いや、つまんなw
真野愛莉:男子って誰も渚のこと嫌いじゃないもんね笑
古川桃奈:だってあいつ男子に媚びてんじゃん
支倉新太:そうか?
池中美晴:そうだよ。渚って男子と女子じゃ態度違うからw ちゃんと見なってw
川崎梓 :渚とか○ねば良いのに
池中美晴:wwwwwwwwwwwww
古川桃奈:梓それ言い過ぎw
真野愛莉:でも否定出来ないかも笑
入山彩乃:ってかさ、2学期始まって早々に渚のカバンを掃除箱に入れたの誰?ww 体育の授業から帰ってきたら、渚の荷物全部掃除箱にあったあれw
池中美晴:出たそれwww
真野愛莉:梓じゃないの?笑
川崎梓 :いや、あいつのものに触れるわけないだろ
入山彩乃:え?w 梓じゃないの? てっきり梓かと思ってたw
川崎梓 :いや、ひどっ
池中美晴:え?じゃあ誰?w
古川桃奈:それ実は私www
池中美晴:まじで?w
真野愛莉:嘘!?
入山彩乃:まさかの桃奈?ww
古川桃奈:だってさ、あいつ普通に或斗くんと楽しそうに話してたからさ、なんかムカついてやったww
池中美晴:えーww
入山彩乃:桃奈すごw でもすごい大胆にやったね
古川桃奈:だって普通にムカつかない?
池中美晴:まあ分かるけどw
真野愛莉:それを行動に移す桃奈がすごい笑
入山彩乃:ってかあの後渚ちょっと半泣きだったよねw
池中美晴:そうそうw
川崎梓 :泣くとかキモすぎマジで
池中美晴:あれもどうせ男ウケ狙いでしょw 何人か男子寄って来てたし
入山彩乃:こう見るとほんと男子ってちょろいねw
新太「こんな感じなんだけどどう?」
慶太「なかなか酷いね。」
冷「っていうか情報量多いな。」
慶太「僕もそれ思った。まず、この戸賀っていう男子は嫌われてるの?」
新太「まあ嫌われてるっていうか、なんか全体的に不潔なんだよね(笑)」
慶太「へー」
新太「それに喋り方もなんか変でさ、とりあえず女子からはかなり避けられてると思うわ。」
慶太「なるほどね。」
冷「それより渚のカバンを掃除箱に入れたやつ酷いな。」
慶太「ほんとね!もはやイジメじゃん。クラスで問題になってないの?」
新太「それがさ、結構裏でこういうことしてるから先生にバレてないし、誰も先生に言わないんだよね〜」
冷「もしかして、このLINEの女子たちってさ、クラスのヒエラルキーの上の方にいる感じ?」
新太「そうだね!男子はそんなにヒエラルキーとかないんだけど、女子はあるっぽい。俺もよく分からんけど。」
冷「そうなんだ。ってかこの名前出てる或斗くんってどんな人?」
新太「えっ、、、」
慶太「待って、冷知らないの!?」
冷「えっ、知らないけどもしかして有名人?」
慶太「えー!或斗って学年じゃ誰もが知ってるイケてる男子だよ!学年一のモテ男は或斗みたいな。」
マジか。
同じ学年にそんな奴がいたのか。
自分でも言うのもなんだが、学年一は僕だと思っていた。
そんなに僕よりイケメンなのか?
新太「まあでも、冷のことを知ってる人なら学年一のイケメンは冷って言うと思うよ。或斗は顔が広いし、女子とよく喋ってるから。」
慶太「確かにそうだね。表は境或斗。裏は三上冷。みたいな?(笑)」
新太「そうそう!そんな感じ!」
冷「それはどうも。」
慶太「ってか話戻るけど、何で新太はこのグループに入れられたの?」
新太「俺もなんかよく分からんのよ。この彩乃って言うのが同じ中学でずっと仲良いんだけど、彩乃から急に入れって言われて、普通に入ったから〜」
冷「その彩乃っていう子以外の子たちとも仲良いの?」
新太「まあ仲良い方だとは思うけど、、、でも流石にこのLINE見たときは引いたわ。女って怖い…」
慶太「これは誰でも引くでしょ〜ちなみに新太は安藤さんのことどう思ってんの?」
新太「ぶっちゃけ普通に可愛くない?」
慶太「えっ!新太ってまさか安藤さんのこと好きなの?」
新太「いや別に好きではないよ(笑)ただ普通に可愛いと思うって話。」
慶太「そっかそっか〜」
新太「まあ可愛いから女子に嫌われてんじゃない?俺もあんま事情分かんないけど。」
冷「ってか何でわざわざ僕らに渚の話したの?」
新太「そうそう!忘れてた!冷って渚ちゃんと同じ中学だし仲良いじゃん?」
冷「仲は良くないと思うけど。」
新太「いや俺らよりは距離が近いじゃん!だからお願いがあるんだけど、、、」
冷「何?」
新太「渚ちゃんにいじめられてる自覚あるか聞いてくれない?」
冷「は?」
新太「いや、正直言って俺は彩乃たちと仲良いけど、渚ちゃんに対するアレは反対なのよ。ってかむしろやめてほしい。流石に酷すぎ。」
冷「うん。」
新太「でも俺って渚ちゃんから見たら多分あの女の子たちと一緒の集まりみたいに見えてんのよ。分かる?」
冷「まあ、いつも一緒にいるならそう見えるかもな。」
新太「そうだから、俺より渚ちゃんと仲が良い冷にちょっと渚ちゃんの心境を聞いてきてほしい!」
冷「え、何で?」
新太「いや、だから話聞いてた?(笑)」
冷「うん。」
新太「だから、俺の代わりに渚ちゃんを助けて!お願い!」
冷「とは言っても、僕は1組じゃないから助けれないかと…」
新太「そうかもしれないけど、とりあえず話だけ聞いてみて!お願い!」
冷「いや…」
慶太「あ、安藤さんこっちに向かってるよ。」
新太「あ、本当だ!じゃあ冷よろしく!俺らは帰る!慶太行くぞ!」
慶太「あ、うん。またね冷。」
冷「いや、ちょっと…」
新太「後でLINEする!」
そう言って慶太と新太は先に帰って行った。
なんか面倒なことに絡んでしまったな。
でも流石にあのLINEを見てしまうと、関係ない女の子なら放っておけるが、渚だからなぁ。
元カノとはいえ、流石に心配になるレベル。
かと言って、これ以上渚と距離を縮めて良いのだろうか?
危険じゃないか?
しかも助けるなんて…
でも渚ってすごいな。
部活では普通にマネージャーの仕事してるし、何というかイジメられてる感が出てない。
っていうかこれはイジメと呼べるのか?
渚「ちょっとあんた、何ぼーっとしてんのよ。」