花火大会6人集合
冷「え?二人で行くんじゃないの?」
リナ「違うよお兄ちゃん。本当は二人で行きたいけど、それだと結局お兄ちゃんから離れられないっていうか…現実と向き合うためにあえて皆で行くことにしたの!それに前からフミカと花火大会のこと話してたし〜あとハルさんとも今インスタでやり取りしてる!」
いやいやいやいや
待て待て。
何が起きてる?
整理しよう。
まず、二人きりで行かないのはリナが言った通り「僕から離れるため」っていうのは正解だと思う。
それで友達のフミカちゃんを連れてくるのもまあ妥当だろう。
まあ女の子だし惚れさせてしまう危険性はあるが、とは言ってもリナの友達だ。
同級生とかに比べたら可能性は低い。
問題なのは最後だ。
星乃さんに連絡するとか言ったか?
は?
なんで?
あのリナが僕の周りにいる女子を誘うだと?
本当にどうしたリナ。
今までだったら会ってすぐに「誰ですか?」みたいな感じだったじゃないか。
なのに今はインスタでやり取り?
ってかリナと星乃さんってまずメッセージのやり取りするほど仲が良かったのか?
リナ「お兄ちゃんどうしたの?」
冷「リナって星乃さんと仲良かったっけ?」
リナ「あんまり会ったことないけど、メッセージしてたら仲良くなった!家帰ってきた後にハルさんからインスタでメッセージ来てて、それでずっとやり取りしてたんだ!」
冷「でもリナって僕の周りにいる女子は嫌いなんじゃ…」
リナ「う〜ん、、、確かにお兄ちゃんのことを想ったら嫌いだけど…でもハルさんは違うと思う!」
冷「えっ何で?」
リナ「ハルさんほんと良い人なんだ!なんていうか、ハルさんにならお兄ちゃん取られても良いかなって〜」
おいおいまじか。
あのリナが「お兄ちゃんが取られても良い」って言うなんて…
何なんだこの変わりようは…
それにしても困ったな。
リナと約束した来週の花火大会にまさか星乃さんも来るとは…
リナと行けば宮本さんに誘われた時に断る理由になったのに…
ってか宮本さんも来るんだろうか?
いつも星乃さんとセットな気がするから多分来そうだな。
そうなると、メンバーはリナ、フミカちゃん、星乃さん、宮本さん。
このメンバーで行くってショウタに言ったら多分あいつも行くって言うだろうなぁ。
その後、リナと星乃さんが予定などをまとめて、ショウタも含めたメンバーで花火大会へ行くことになった。
ーーーーー
花火大会当日。集合場所の琴吹駅。
僕とリナ、そして出発前に家に来てたフミカちゃんの3人が一番先に着いた。
他の皆はまだ来ていない。
花火大会の会場はこの駅から歩いて数分らしい。
花火開始まであと1時間だが、もう既に人がかなりいる。
こりゃあ他の知り合いに会ってもおかしくないな…ってかなんかまた会いそうだな…
ショウタ「お!いたいた!」
あ、ショウタが来た。
リナ「ショウタさんこんばんは〜」
ショウタ「リナちゃんこんばんは!」
フミカ「こんばんはです。」
ショウタ「フミカちゃんもこんばんは!文化祭以来だね!」
フミカ「そうですね。」
ショウタ「あれ?冷は浴衣じゃないの?」
冷「うん。浴衣じゃないけど。」
そう。ここにいる僕以外全員浴衣を着ている。
家を出る前にリナたちに浴衣を着た方が良いとかなり言われたが、断った。
浴衣なんて面倒だ。
それに普段着ないものを着て星乃さんが更に惚れたらどうする。
そんなリスクは負わない。
ショウタ「浴衣着ないのはもったいな〜!」
リナ「ですよね!リナ何回もお兄ちゃんに言ったのに!」
冷「ほっとけ。」
ショウタ「まあでもいっか!ってかハルと宮本ちゃんは〜?まだ来てないの〜?」
鳴「いるわよ。」
えっ?
ショウタ「え!いたっ!!いつの間に!?」
鳴「今来たところよ。」
だよな。
びっくりした。
リナ「宮本さんこんばんは…」
鳴「リナちゃんこんばんは。元気?」
リナ「はい…元気です…」
ショウタ「ん?どうかしたの二人?」
鳴「いや、なんでもないわ。」
ハル「みんな〜!」
ショウタ「お!ハル!」
ハル「ごめん!ちょっとSuicaのお金足りなくて、清算してた(笑)」
ショウタ「そか!」
ハル「冷君!」
冷「何ですか?」
ハル「今日楽しもうね!」
冷「あ、はい…」
急にどうした星乃さん。
リナ「ハルさんは相変わらず元気ですね!」
ハル「だって楽しみじゃん!こうして皆で行くなんてあたし初めてだもん!」
リナ「え、去年とか行かなかったんですか?」
ハル「あっ、うん去年は…ちょっと行けなかったかな〜ははは(笑)」
リナ「そうなんですね。」
そりゃあ星乃さんは去年まで地味っ子だったもんな。
ハル「それじゃあ皆揃ったし行こう!」
ショウタ「おう!」
リナ「はい!」
鳴「相変わらずテンション高いわね。」
そうして僕らは花火大会の会場へ向かって。
会場と言っても、この花火大会は琴吹川の河川敷で行われる。
かなり大きい川で、河川敷もかなり広い。
おそらく花火は離れた反対側の河川敷から打ち上げられ、それを見上げる感じだ。
フミカ「お兄さん」
冷「ん?何?」
フミカ「ずっと気になってたんですけど、リナと宮本さんって一緒にいて大丈夫なんですか?その…文化祭の時あまり仲良さそうじゃなかったので…」
ショウタ「あ!それ俺も気になった!リナちゃん前みたいに嫌ってる様子ないけど何かあったの?」
冷「僕もよく分かんないけど、夏休みに入ってから星乃さんと仲良くなったみたい。」
まあ色々あったが、それを全部この二人に話すのは面倒だ。
フミカ「そうなんですか。別に仲良いならそれで良いんですけど。平和ですし。」
ショウタ「なんかよく分かんないけど、前みたいに口喧嘩しないなら何でも良いや!あれ怖かったし…」
冷「多分もう口喧嘩はないと思うよ。」
ハル「ちょっと冷君たち、何コソコソ話してるの〜!おいて行っちゃうよ!」
ショウタ「あ、ごめんごめん!」
ーーーーー
河川敷到着。
ハル「この辺にしよっか!」
鳴「そうね。この辺りなら見やすいと思うわ。」
ショウタ「じゃあ俺食べ物とか買ってくるわ!冷もついて来て!」
フミカ「私も行きます。」
ハル「あたしも行く!」
リナ「じゃあ私も行きます!」
ショウタ「流石にこんなにいらないよ〜(笑)」
ハル「確かに多いかも(笑)」
鳴「じゃあリナちゃんだけ残って、それ以外の皆は行って来なさい」
リナ「わ…分かりました。」
ショウタ「リナちゃんは大丈夫?」
リナ「あ…はい!」
ハル「何か欲しいものある〜?」
リナ「たこ焼き食べたいので、買って来てくれたら嬉しいです!」
ハル「分かった!たこ焼きね!でも売ってるかな〜?」
ショウタ「あそこに屋台結構あるから多分売ってるはず!」
ハル「そか!じゃあ買ってくるね!」
リナ「ありがとうございます!」
ショウタ「じゃあ宮本ちゃんとリナちゃんお留守番よろしく〜!」
リナ「はい!任してください!」
こうして僕を含めた4人は食べ物などを買いに行った。
宮本さんならまた僕だけを残して皆を行かせると思ってたけど、まさかのリナ。
どうせ何か話があるんだろう。
まあ僕としては宮本さんと二人きりにならなくて良かった。
ーーー
リナ「それで私に何の用ですか?」