上洛
珠光よ!
今回は私の住んでいるところについてよ
初めに山口っていったけど、まさか知らないなんて言わないわよね?
知らないって人、今から旅行の準備をしなさい
そして、高速バスの往復券を予約すれば許してあげるわ
勿論山口の往復よ
それはいいとして、この時代の大内家の領地は今の山口、広島、島根、福岡、岡山にまで広がっているわ
福岡と岡山は少しだけなのだけどね
まあ、各地に何があるか知りたい人は市町村の観光課に電話でもしなさい、ちなみに萩の食べ物だと茄が……
話が逸れたわね、私は食べ物が大好きよ
この地域に住んでいて、こんな美味しい物がある!って人、私に連絡しなさい
え、今の話の方がどうでもいいんじゃないか?
……うるさいわね
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<大内館>
お父さんは、京に向かって出陣したわ
で、私は今、母上に抱かれているわ
「この稚児はほんに、泣かぬのう」
こればかりはね、おなかすいた時と生理現象以外呼ぶ必要がないの
「本女中様、そろそろ」
そういって入って来たのは乳母だけど、この人、私あまり好きじゃないのよね
「む、時間かの」
「はい」
なんか、母上に向ける目線が気に食わない……なんかやな感じ
「珠光様、ささ、どうぞ」
まあ、頂くものは頂くけど……仕方ないじゃない、飲まないと死んでしまうわ!
しかし、飲んでる間、大人二人の会話もない
私が当事者だったら耐えられないわよ……
「では、私はこれで」
「うむ、ご苦労であった」
「珠光……妾のいる意味とは何なのだろうな」
母上……そんな顔しないでよ
「あの方が言っていた事が分かるの……」
なんのことかしら?
「ははは、珠光、妾の言ってる意味がわかるのか!」
ええ
「……頷きおったのか」
そうよ
「珠光……妾はいくら頑張ってもお主の母には」
母上は誰がなんと言おうが私の母よ!
「…………なれるのか?」
ええ、もう既に
「ふっ、妾も柄ではなかったの、あの方が帰って来られたら報告じゃの」
ふふ、そうね、母上
「今は……妾が……」
母上はそう呟いて何かを決意した面持ちをしていたわ
それから数日後
お父さんの軍勢が尼子軍と睨み合いをしたのち山口へ退却する旨の連絡が来たの




