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たくされるもの 英雄と黒姫のロンド  作者: 永蓬 かずま
一章:託される英雄の意思
6/21

魔物と妖精魔法

本日の投稿はこれでラストです

次回は明日投稿になります

ナピィと二人でゴリンを食べ食事を取った後、自分たち二人はとりあえず人がいるところへ、とりあえず向かうことにした。

妖精のナピィが人間のいるところにいっても大丈夫なのかと思ったが、普通の人間には姿もみえず声も聞こえないのでこちらから何もしなければ平気だそうだ。

もし何かあったら自分に何とかしてもらうなどとも言ってたが、聞こえないふりをした。

ナピィのことだから、姿が見えないことをいいことにいたずら等をしそうだったからだ。

もちろんそんなことは口が裂けてもいえない。

ちなみにナピィは今は空を飛んでおらず自分の頭の上に寝そべり休んでいる、というよりかは楽をしている。

空を飛べるなら飛べばいいのに....ナピィ自体はほぼ重さを感じないのでいいのだが、こちらは歩きで疲れるのだ。

そんなことをよそにナピィは自分の頭の上から、あっちのほうがいいだのこっちになにかありそうだの。

どう考えても適当に進んでいる気しかしない、そんなに適当なら迷子になるのは必然じゃなかろうか。

「なあ、ナピィ。本当にこっちでいいのか」


「うん、きっと間違いないよ。私の感がそうささやいているの!」


感なのかよ!

このままナピィにしたがって進んでいたらだめな気がするが、かといって自分もどっちへ行けばいいのか見当もつかない。

しかたがないのでナピィと会話をして歩きつかれた気持ちを紛らわすことにした。



「そういえばさ、あの時ナピィを襲っていた・・・・」

「あ、いや。戯れていたやつは一体何なんだ?」

一瞬、髪の毛が引っ張られるような痛みを感じたが気のせいだろう。


「あー、あの子はウルフルだね」


「ウルフル?」

あの狼もどきの名前だろうか。


「そう、ウルフル。森とか山の中に住む魔物だね」


「魔物!?」

魔物とはいかに、普通の動物とは違うのだろうか?

外見は普通の動物にみえたきがする。


「あ、魔物のことも忘れているんだっけ」


「どうやらそうみたいだ」


「それじゃ魔物についてレクチャーしてあげましょう」


そういってうれしそうに魔物について語りだした。



この世には[穢れ]というものが存在し、それが魔物を生み出すといわれている。

この穢れはいつの間にか発生し、その周囲を汚染していく。

穢れがいつどのようにして、何が原因で発生しているのかはわかっておらず、穢れを防ぐ手段は今のところ見つかっていないそうだ。


その穢れが生み出す魔物には簡単に分類すると二種類いるそうだ。

まずはじめに[変異型]、こいつはもともとは普通の動植物だったものが穢れにより汚染されて変異して生まれる魔物だ。

もともとの姿をある程度保ちつつ巨大化したり、身体の一部が異常な形になったり、気象が荒く凶暴化したり。

見た目が普通の動植物そっくりなため、変異型と気づかずに襲われることもそれなりあるようだ。


次に[異種型]、こいつは穢れそのものが形となり動き出すものだそうで、数はあまり確認されていないそうだ。

この異種型は変異型と比べ数は少ないものの、大変危険で一度確認されると大勢の犠牲者がでてしまう。

それこそ、その脅威は自然災害レベルといっていいほどらしい。

姿かたちはさまざまで、大きさもまちまち。

唯一共通しているのは、全身が黒いということ。


以上が魔物に関してナピィが話してくれた情報だ。

もうひとつ補足しておくと、この魔物のを倒した後のことだ。

魔物の身体は貴重な素材となりピンキリだが結構高価で取引されているそうだ、その魔物の素材で魔物と戦う武器や防具を作ったり、一部のコレクターが趣味で集めたり。

中には魔物を倒すことで生計を立てている人たちもいるようで、そんな人々は冒険者と呼ばれているそうだ。

なかなかにスリリングの生活をしている人々がいるものだ、自分なんてウルフルというのにすら負けそうになったのに....。

そう思って噛まれた左腕を見る、今はほぼ完治しており痛みもほとんどない。

ん?そういえばこの腕の傷を治したのは....魔法といっただろうか。

この魔法についてもきになるのでナピィに聞いてみよう。

「なあこの左腕の傷を治したのは・・魔法とかいってなかったか?」


「うん、魔法だよ。 あっ! まさか魔法についても・・・・」


知らないのだからしょうがないだろう、うなずいて肯定する。


「もう、リンはほしがりちゃんだなあ」


誰がほしがりちゃんだ、反論したいところだがここは我慢しておこう。

魔法についてはぜひ知りたいところだ、もし自分にも使えるのならぜひ教えてもらいたい。

「ああ、ぜひ教えてくれ」


「しょうがないなあー、いい?魔法っていうのはね」


「魔法っていうのは?」


「こう・・・・フワーっとしてバーンなの!」


「フワー・・バーン???」

擬音すぎて何も伝わってこない、そもそもなんだよフワーって!

身体がフワーっとするのか?そしてバーンか....だめじゃないか。

まったく意味がわからない、魔物の説明をしたときはまともだったのにどういうことだ?


「うーん・・だからほら、そう! 気合だよ気合」


いや、気合で何でもできれば世の中皆苦労はしてないだろう。

「何だよ気合って! もう少し具体的に頼む」


「・・だって自然にできるんだもの、どう説明したらいいのかわからないよ」


そういってナピィは少し拗ねた。

うーん、もしかして魔法は妖精だけが使えるものなのだろうか?

だとすると人間の自分には使えないことになる、少し残念だ。

「それは妖精にしか魔法は使えないって事か?」


「んー、そういうわけではないよ。人間にも使える人は結構いるはずだよ」


「そうなのか、よかった」

それを聞いて安心した、まだ自分が魔法を使えないと決まったわけではなさそうだ。


「もしかしてリン、魔法を使いたいの?」


ナピィが自分の心を読んだのかのごとく聞いてくる、確かに自分は魔法を使いたい。

もしナピィみたいに傷を治す魔法を使えればとても便利だ。

「ああ、使ってみたいな。どうやったら使えるようになるんだ?」


「うーん、難しい質問だね....具体的にはどんな魔法を使いたいの?」


「とりあえずはナピィみたいな傷を癒す魔法をつかってみたいな、使えれば便利だし」


「ああ、ちょっとそれは厳しいかも」


「厳しい?」


「んとね、私のさっき使った[ヒーリング]と[キュア]はね、妖精魔法っていうの」

「妖精魔法はね、妖精にしかつかえないんだよ」


「そうだったのか、それは残念だな」


「あ、でもね。ちゃんと人間の使う魔法にも同じようなものはあるはずだから」


ガーンだな、でもまだ魔法をあきらめたわけではない。

というか本当に妖精魔法は妖精しか使えないのか、ナピィの勘違いということはないだろうか。

ナピィはところどころなんだか抜けているところがあるしな。

「妖精魔法か・・んー[ヒーリング]」

そういってみるが何も変化はない。


「無理だよー、そんな簡単に使えたら苦労はしないよ」


そういってナピィは苦笑いをしている、うーんやはり魔法名を言葉にするだけではだめなのか。

もしかしてある程度具体的なイメージが必要なのだろうか、傷を治すなら傷が直るイメージをするとか。

あとは魔法を唱えるとき何か力的なものをこめなきゃいけないだろう、それが何かはわからないが。

そう考えもう一度自分の左腕に試してみる、左腕はほぼ完治しているのだがほかに試す場所がないのでしかたがない。

「ヒーリング!」

そう叫ぶとかすかに左腕の傷の辺りに熱がこもった....きがする、成功したのだろうか正直判断に困る。


「リン、今何をしたの?!」


「いや、ほら。気合だよ気合」


「いや気合って・・・・」


さっき自分で魔法を気合だっていったではないか、まあ自分もほんとうにできるとは思わなかったが。

しかも、もともとほぼ完治していたのでどれほど効果があったのかよくわからない。


「ほんとリンって何者なの、もしかして妖精?」


「自分でもわからないが妖精ではないと思うぞ」

自分はナピィのような妖精には見えない、人間のような姿をした妖精がいる可能性もあるので決め付けることもできないが。


「本当に不思議だね、リンって」


「自分にとっては、今は大半のことが不思議なんだがな」


「ふふっ、そうだね!」


そんな感じにナピィと共に森の中を当てもなくさまよい続ける。


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