貴女を知る旅(6)
すいません、作者は視点を変えました。
副委員長視点になっちゃいました←
ーーー幸福体質と不幸体質は紙一重である。
ーーーしかし、決して変わることはない。変わることは、ありえない。
ーーーこの世界の理不尽さは、この体質が主な原因と言えよう。
ーーーしかし、とある少女だけが
ーーー幸福体質を不幸体質へと陥れる事が出来る
ーーーならば、不幸体質の人間はどうだろう
「とと、どこへ行くの?」
ーーー少女は、無害である。
「この少女に掛かっている術で…は…かえる…んで、…に……」
ーーー少女に狂った人間には、3つの共通点がある
「とと、……とと。」
ーーー少女の顔を見ていること
「……と、やっ…、」
ーーー少女の声を聞くこと
「とと、とと。」
ーーー不幸体質であること
「……にん、で、やっと…」
ーーーそして
「……だめだよ。」
ーーー妖は、少女に狂わない
………………
………
…
ぐちゃ
ーーーーー
咒凪視点
イインチョは、俺にとって命の恩人だ。
「イインチョ……」
俺みたいなろくでなしの屑を、救ってくれた。
「答えてください、イインチョ…」
「………」
イインチョの頭からは赤黒い血が流れていた、俺の手元には血がべっとりと付いた石がある。これを誰かが見たら、完全なる殺人未遂事件だ。
「イインチョ……イインチョは、お彼岸太夫について、どこまで知っているっス?」
「……」
「これもダンマリっスか。……俺ね、一時期お彼岸太夫の考察やら推測やらの本を読み漁ってたんス。」
イインチョは頭を抑えながら聞いている。
あぁ、止血しなかったら死ぬのかな。この世界は過去の世界だけど、石で殴ったら血が出たんだし、このままだと死ぬかもしれない。
俺は自分のシャツを嚙みちぎり、イインチョの頭に巻きつける。
「ごめんなさいっス、イインチョ。喋らないんじゃなくって、喋れないんスね。」
頭から血が出て、意識が朦朧としていたのだ。なんで……気付かなかったんだろう。
昔からそうだ。
ーーーまじない様!まじない様!
ーーー誰が…こんな惨いことを
ーーーお前か?
昔から俺は
頭に血が上ったら抑えられない。
ーーーとと、おひがんたゆうのとこにいくの
ーーーとと、ととはひとだからだめだよ
ーーーとと、いかないで
ーーーとと、とと、とと
ーーーゆーこと、きーて
そのせいで、親父の……が
昔の苦虫を噛み潰したような思い出が脳裏をよぎる中、イインチョの重く閉ざされた口が開いた。
「昔、会ったことがある。顔は……記憶に無いが。」
「………会っ、た?
ーーー人である、イインチョが?」
お彼岸太夫についての本は数少ない。いや、正確に言うなら、お彼岸太夫の有力な情報が記された本は数少ない。
何故なら、書いた人間のほとんどが皆、お彼岸太夫に狂っていたからだ。
お彼岸太夫に狂った人間の本は分かりやすい。不自然な死、もしくは失踪と人物紹介の端に記されているからである……そんなの、遠回しに有力性が無いと言っているようなものだ。
そんな怪し過ぎる本の中で、俺が1番印象に残った本がある。
いや、あれは本というより紙だ。考察だ推測だという本がぐしゃぐしゃに置いてある中、お彼岸太夫についての考察が乱雑に書き殴られた
ーーーお彼岸太夫は人である
ーーーお彼岸太夫は不死ではないが、不老である
ーーーお彼岸太夫の術を、調べなければ
親父の、ゴミ屑だ。
次回は視点変えるかもしれないので何も言わずに←