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蜘蛛の糸(後編)


この話を書いての一言、次回で全てが分かる‼︎……ハズ、この話を読んだ方は訳が分からない方と訳の分からない方と意味不明だと言う方のどれかに当てはまるはずです。後書きで主将がどうなってしまったのかヒントを出しますので、是非見てください。


作者は思った。文才が欲しいと……(毎度の事です)



???視線


まだ明るい夕方の放課後、部活の奴らがついに片付けをサボり始めた。…正直言ったら何時かはこうなる事、分かってた。……いや、分かってたつもりで、本当にこうなってしまって、悔しくてしょうがない。俺への不信感は日に日に悪化していき、俺は主将に向いていないと監督に抗議した奴もいたらしい。本当に、情けない。自分の不甲斐なさも、彼奴らの行動にも……、けど、




「大丈夫ですか?」





俺は、もう1人じゃない





「先に、皆さん帰っちゃったんですね。私も手伝います。」


「あぁ、ありがとう。ーーーあん」


「…困った時は、お互い様ですよ」




そう言って照れ臭そうに笑う彼女に、俺の心は救われた。

彼女と出会ってまだ1週間しか経っていないけど、俺たちは付き合った。俺は保健室の事件で始めて会ったんだけど、どうやら彼女は、俺の事をずっと見ていたらしい。彼女みたいな美人に見られていたなんて正直驚いたし、野球部の主将ではなく俺を見てくれたのが、純粋に嬉しかった。




「…なぁ、あん。俺の事、好き?」


「………如何したんですか?急に…」


「んー、聞きたいだけ…」


「…好きですよ」




迷いもなくキッパリ想いを告げてくれる彼女が好きで好きでしょうがない。俺の顔もだらしなくなってんだろなと思って、サッカーボールを拾って顔を見えないようにする。




「……貴方は、私の味方ですか?」


「んなの、……当たり前だろ」


「私がもし、……誰かに襲われたりしたら?」


「そりゃあ、×すよ。例え誰であろうが」


「本当…?……あり、がとう。」




そう言って照れたように笑う彼女が可愛くて仕方ない。最近はよく部活後に来てくれて、サッカーの応援をしてくれたり、スポドリを買ってくれる。俺的にはスポドリくらい自分で買いたいけど、彼女は俺が知らないうちに買ってくるから、無碍には出来ない。気が利いてしっかりして、勉強も出来て、本当に彼女は凄い。




「ーーーさん」


「……ん?」


「大好きですよ」


「………、うん俺も」




そう、俺たちは付き合っていて、両想いで、結ばれていて、サッカー部の部室でキスして、いつか、あんな事もしたいなとか、高校生らしい欲をつい出してしまったら、彼女は恥ずかしそうな顔してたから、ゆっくり、ゆっくり歩んでいこうと思って





ーーーなのに





「なんで………」




飛び散った窓ガラス、怯える同級生、俺を押さえ付ける担任、廊下の血だまり、……サッカー部のメンバーの、真っ赤な姿。そして




「なんで……だよ、あん……」


「お前、は、俺の……味方、だろ?」


「だから、俺、お前を襲った奴らを、お前をマワした奴らを、……ーー殺したんだぜ?」





俺を押さえ付ける担任の力が益々入る。あぁ、邪魔だ。酷く邪魔だ。早く彼女を抱きしめたい。優しい彼女は今は怯えてるけど、俺を選んでくれる。俺を庇ってくれる。俺の、ーーー味方になってくれる。




きっかけは何だったか?そんなの、決まってる。酷く夕日が赤黒く気持ち悪い空の下、いつまで経っても来ない彼女、聞こえてきた泣き声、部室の隅で、ーーー無残な姿で取り残された彼女の姿。




頭が怒りと憎しみと殺意と、彼女との約束でいっぱいになった。あぁ、そうだ。殺さなきゃ、早く、早く早く早くはやく、殺さなきゃ、彼女との約束を守らなきゃ




「あ、なたは………保健室の方、ですよね……?」


「………………なんで、んな、よそよそしい、んだよ、俺たち、恋人じゃ……ねぇか…!」


「私は、恋人なんていませんよ」


「は?」


「私が、貴方と会ったのは1週間前の保健室だけです。私は、貴方とーーー恋人では、ありません。」


「うそ、だ…」


「それに、私は、あん、と言う名前ではありません。私は、ーーー咲良田杏と言います。」





「………うそだ、うそだ、うそだうそだうそだ、ちがう、おれたちはこいびとどうしであいしあってておれのゆいつのみかたで、みかた、みかた、で、おれの、おれのおれのおれのおれの…!!!」





思わず彼女に飛び掛かろうとするが、俺を押さえ付ける腕が邪魔で、すぐ近くまでいる彼女に触れられない。邪魔な腕が俺と彼女を引き裂いて、俺を引きずり続ける。必死になって壁と床に爪を立てたら爪がボロボロになって次第に割れてくる。10本の赤い爪跡は俺と彼女を結ぶ赤い糸のように見えた。あぁ、お願いだ。届いてくれ。10本もあれば彼女を縛れる。お願いだ。届いて、届いて……!!!




「……蜘蛛の糸は、千切れ落ちました。」





「貴方の首と共に……」





ーーーえ?





あれ、なんで、なん、で…、俺の足が、あんな処に……




「選んだのは、誰だったのでしょう。」




視界が、ぼやけて彼女が見えない。

けれど、脳内で聞こえる彼女の哀しげな声が、頭を木霊して…





ーーーすべては我が主の命ずるままに







はい、後書きになったので主将に何があったのかヒントを出します。


ひとーつ、前話で出てきたサボった男の子たちの会話を思い出して下さい。

ふたーつ、主将の彼女?が毎日スポドリを買ってくるのは何故?

みーっつ、奈菜子がお狂ちゃんを待たせている時間帯、お狂ちゃんは何処にいた?


この3つで分かったら凄いですね。けど他にもヒントはありますよ。

次回で分かるようにしますので、よろしくお願いします‼︎


次回、風紀委員長登場、主将の真実、この2つでお送りいたします‼︎


此処まで読んでくださり、誠にありがとうございます‼︎



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