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残された少女は動く(3)



旦那様めっさ恋しい(出していないのは作者←








「えー、学園の諸事情により、夏休みを少し早めることになりました。生徒の皆さんはーーー」





その皆さんが揃ってないようで

なんて事を考えながら、講堂に半分しかいない生徒たちの1人である私は校長先生の特徴的な髭を観察していた。





この講堂にいない生徒たちは今何処にいるかと言うと、答えは風紀委員室だ。





校長室を占拠しようとした生徒こと親衛隊の方々(生徒会長・生徒副会長)とそれを庇う別の親衛隊の方々(生徒会書記・生徒会会計)と、なんとか行方不明になった風紀委員長のために学園の状態を立て直そうとする風紀委員の方々で軽く満員電車のような蒸し暑さを維持しないる。





だが、今のところ親衛隊の方が有利だ。いや、正直何が有利なのかは私にもさっぱりだが





私を監視していた風紀委員Dも行方不明になった。いや、正確に言えば存在を抹消された。隠雲の術によって





大方、ぬらりひょんが何かやったのだろう。理由は分からないが





「ーーー皆さん、体調管理をしっかりとして、有意義な夏休みとしましょう。」





だから皆さん半分もいないんですよ、と心の中で呟いた。




ーーーーーー





「杏ちゃん、夏休みは何するのー?」





私が荷物を纏めていると、奈菜子は売店で買ってきたあんまんを食べながら問いかけてきた。一口いる?と言うかのように食べかけのあんまんを私の顔に近付けたが、生憎いらない。





「私は…何をしましょう。とりあえず家に帰ります。」



「私、夏休みの間に杏ちゃん家行きたいなー。」



「残念ながら、私の住んでるところ…危険がいっぱいなんです。」



「えー、何それー。」





奈菜子は笑って流そうとするが、進めば進むほど危険看板が立っている咲良山…洒落にならない。まあ危険生物は旦那様だけですが。





「けど……この学園、大丈夫なのかなぁ。」



「…そうですね。」





講堂にいた生徒達も不安そうな顔をしていた。当たり前か、行方不明者に暴動、早くなった夏休み、終わりそうのない宿題……不安になるのも無理はない。





「あ、もう荷物まとめちゃったの?」



「はい、奈菜子も早く纏めて里帰りしましょ?」



「里帰りかぁ……私、家族いないしな。」



「え?」





突如の爆弾発言に、思わず鞄を落としそうになる。





「あ!けどね、家族はいないけど、待ってくれる皆がいてね…!!」





奈菜子は無理矢理明るく振る舞おうとするが、笑顔が痛々しい。





「けどね………ずっと、ずっと待ってる人がいるの。その人がかえってくるのを、ずっと、ずっと………待ってるの。」





奈菜子は笑った。その笑顔は菜の花みたいに可愛らしくて





「帰ってきたら、いいですね。」





可哀想なほど、純粋だった。





ーーーーーー





少女は思った

きっかけは何だった?





少女は思った

一番罪深いのは誰?





少女は思った

どうして私なの?





少女は思った

お義父さんはどうして、お彼岸太夫に執着するんだろう?





少女は思った

お義父さんを誑かしたのは、お彼岸太夫?





少女は思った

罪深いのは、お彼岸太夫?





少女は思った

きっと、そうだ。








ぜんぶぜんぶ、あのおんながわるいんだ









「術は成功

……少々強引でしたが、仕方がないですよね。」



「ぜんぶぜんぶ、あのおんながわるいんだ。」



「そうですよ、全部全部お彼岸太夫が悪いんですよ。」


「ぜんぶぜんぶ、あのおんながわるいんだ。」





「……貴方はもう少し賢いと思っていたのですが、残念です。





ーーーけど、仕方ないですよね。」













「まさか、私に聖銃を向けるとは思いませんでしたよ、………お嬢様。」







次回は分かりますよね←




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