蜘蛛の糸(中編)
思ったよりも主将出てこなかった。思ったよりと言うよりも名前しか出てこない。けど主将見事に壊れてます。お狂ちゃん、罪深い女………!!
私がそうしたんですけどね!!(開き直り)
この小説書いてるうちに自分の妄想が爆発しそうで怖い。てゆうか爆発してません(震声)大丈夫ですかね(震声)
在原奈菜子目線
2時間目の授業は英語、私のクラスの担任である式部嵐先生と共にホスト教師と呼ばれている安堂剛先生の授業を聞き流しながら、ノートを頑張って書いている杏ちゃんを見る。
……正直あの生徒に手を出している変態教師の話なんか聞きたくないのが本音。
此処はCクラス、可も無く不可もないのが特徴のクラスだ。この学園にはクラス分けテストと言うものがあって、入学式前と進級前に実施する。
私はテスト科目すべて平凡だったから、このクラス直行だったんだけど、私のルームメイトであり友達第1号こと杏ちゃんは少し特殊で、なんと言うか、得意科目と苦手科目の差が凄いの一言だ。数学と化学の点数を見たときのあの衝撃は今でも忘れない。なんか眼鏡のおかっぱ少女がサッカーしてる感じ、………ますます分からなくなった。
まぁ、一言で言えば、杏ちゃんはバリバリの文系少女
って事だ。
ところで、今なんでこんな話をしているかと言うと、そんなバリバリの文系少女の杏ちゃんでも、比較的文系だと言える英語で苦手な事がある。それは………
「咲良田、この文を読んでみなさい。」
「………はい。」
そう言って立ち上がる杏ちゃんに私はこっそりエールを送る。
「……ぎぶみー、らぶ、あんど、つるー。あい、うぃる こんちにゅーつー、はぶ ほーぷず あんど どりーむず……」
舌足らずな口調で必死に喋っている杏ちゃんを見て可愛いなと思いながら、こっそり盗聴している変態教師+αを見て思わずペンを折ってしまった。
そう、杏ちゃんは英語の音読が苦手だ。
初めてそれを知った時、杏ちゃんに理由を聞いてみれば、杏ちゃんの住んでいる咲良村という所は時代錯誤な村のようで、機械も無いし全員が着物だし、何より外国の文化が一切無いらしい。
どうりで杏ちゃんが機械に不慣れなのだと思った。
カメラ機能は一瞬でマスターしてたけど……、ま、まぁ、それは置いといて
……あの変態教師はそれをいい事に「なんども練習しないと上達しないぞ」なんて言って杏ちゃんに毎回音読させてる。そして毎回それを録音、と言うより盗聴している。……使い道なんて知りたくない。挙げ句の果てには他の男子も変態教師に続いて盗聴する始末、…あ、下敷き割れた。
「咲良田、もう良いよ。また明日も頑張ろうか」
「…はい」
杏ちゃんパッと見たらネコっぽいけど、どちらかと言えば犬なんだよね、現に犬耳が垂れ下がってる感じに見えるし…、てゆうかあの変態教師ちゃっかり明日も音読させようとしてない?あ、机ヒビ入った。
「奈菜子……?」
「え、あ!なぁに?杏ちゃん…」
「…いろいろ壊れているけど、大丈夫ですか…?」
「平気平気!杏ちゃんこそ大丈夫?舌噛まなかった?」
「私は大丈夫です。今日、ちゃんと読めていましたか?」
「バッチリバッチリ!!100点満点の花マル付きだよ!!」
「…本当?……ありがとう」
そう言って嬉しそうに笑う杏ちゃんに私も嬉しくなる。周りから見ればまだまだかもしれないけど、はじめは噛み噛みで何言ってるか分からなかったし、何よりも杏ちゃんが夜遅くまで頑張っていた事を知っているから、花マル付きだって付けたくなる。甘いのは自覚済み。あの変態教師そろそろ始末しないと、最近よく杏ちゃんにちょっかい出してるし……、あ、机割れた。
ーーーーーー
授業が終わった後、私は前にヅラの恨みを買った先生に未だに恨まれ、荷物持ちに資料整理と雑用をさせられている。杏ちゃんには先に帰ってもいいって言ってるけど、杏ちゃんは優しいから待ってくれる。けど…
「杏ちゃん、サッカー部か野球部の中に、好きな子いるのかな…?」
最近、杏ちゃんはよく窓からグラウンドを見ている。この学園のグラウンドはとても広いのだが、野球部とサッカー部は仲が悪いらしく、グラウンド争いは日常茶飯事、グラウンド争いのルールは野球かサッカー以外のスポーツで対戦すること、平等、均等と言う考えはなく、勝ったものがすべて、という感じだ。
中には面白がって毎回見にくる生徒もいるらしいのだが、サッカー部の主将が交代してからは野球部がグラウンドを占領しているらしい。
なんでも、サッカー部の現主将は天才型ではなく努力型で、サッカー以外のスポーツは並で、野球部の主将にグラウンド争いで負け続けているそうだ。
「そんな事はどうでもいいけど、杏ちゃんの事は気になるな……」
そんな事を考えてたら資料整理も止まってしまい、先生に睨まれる。うぅ、ヅラをしっかり被ってなかった先生も先生なのにぃ!
《……ぁ、……、!》
《………っ!ま……よ…》
「…ん……?」
隣の教室で何か話し声が聞こえる。けど隣の教室は空室のはず、え、幽霊!?………なわけ無いか
幽霊じゃない空室の声は、どうやら部活の片付けをサボった男子生徒3人のようだ。
「なぁ、本当に主将1人で大丈夫かなぁ…」
「だいじょーぶだって!!」
「けどさぁ、あのサッカーボールの数だぜ?手伝った方が……」
「だーかーら!だいじょーぶだって!!大体、毎回毎回野球部にグラウンドの主権持ってかれんだから、これくらいしなきゃ割りになんねぇだろうが」
「…………」
「ん?どうしたんだよ?さっきからだんまりして…」
「どっか具合でも悪いのか?」
「……あの、さ……、その主将の事なんだけどさ………」
「ん?主将がどうした?」
「………変、なんだ…」
「変??」
「うん……、前に、俺が忘れ物して、部室、戻った日あったろ?」
「あー、あの日か、そういやあの日もお前、具合悪そうだったよな。」
「うん…、それで、部室に戻ったら、主将がいて、いや、主将の話し声がして、主将の他に誰かいると思ったんだ。だから入り辛くて、なんか、雰囲気的に彼女っぽかったんだ。けどさ、主将以外の声が聞こえなくて、携帯で誰かと話してんかなと思ったんだ。けど、確か、主将って携帯持ってないだろ?…だから、ドアを開けようと思ったんだけど、俺、無駄にチキンだから、ドアを少し開けて、中を覗いてみたんだ。そし、たら……」
「主将以外、誰もいなかったんだ」
次回の神のままに(久しぶりの)は壊れた主将の末路、お狂ちゃんの悪女の仮面の2点を頑張りたいです。
が、頑張りたいです(震声)