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哀れな女は(5)



今回で真相解明することが出来なかったです←

詐欺ですね、ある意味詐欺ですよね←







黒乃視点





止まった世界の中、壊れた子供は二度と立ち上がることはないだろう。立てる足があるのに立とうとしないだろう。まるで足をなくした赤ん坊のように地に這い蹲りながら生きて行くだろう。






世の中には、翼をもぎ取られ蛇へと堕ちたモノもいるというのに





この子供を手駒にする理由は主に2つある。




1つ目は程々に壊れていたこと、何も私が壊した訳ではない。壊したのはこの子の母親だ。歪んだ愛情は守護の力は持たない。ただ壊すだけだ。




因みに、あの哀れな雪女も私が壊した訳ではない、壊したのは……あの女






ーーーお彼岸太夫だ





何とも良い名を付けたと思う。あの糞みたいに人間的な……雪女を見放した男の、唯一の偉業だったのではないだろうか?







2つ目は監視、この子を知ったのは風の噂だが、噂は意外とあてになる。まさか本当に雪女の腹から男が生まれたとは…しかも、あの子の父親は





………





それにしても、今の状況は海老で鯛を釣る様なものだ。





何故、この男が其処にいたかは知らない。

こんな辺境とも言える村で、四大古妖が一妖、西の死神と遭遇するとは思ってもなかった。

………相当な女好きでも有名だったから、もしかしたら雪女と一夜共に過ごしたかったのかとも思った。





《まさか……こいつ……!》





けれど私の術では、この男の過去を見る事は出来ない。紛い物の私には精々、サトリの能力が通用するだけだ。





「どうやら貴方は、お彼岸太夫についつ知っているんですね。」





その言葉に死神は何のことか分からないと言った顔をしていたが、その脳内には可愛らしい少女の姿が見えた。





少女は、私が求めて止まないお彼岸太夫そのものだった。





「お彼岸太夫は、私にとって全てです。」



「…てめえの言うお彼岸太夫は…」



「貴方の思い描いた少女です。ああ、けれど勘違いしないで下さいね。あの雪女を壊したのは紛れもなく彼女も原因の1つです。」



「……子を流したから、男は雪女の元から去った。」



「そもそも、それ自体が過ちだったんですよ。」



「それに関しては同感だ。」



「……ふふ、いえ違いますね。あの男にとって、お彼岸太夫の言葉は口実付けです。」



「…………口実付け?」



「だって、あの男は心のどこかで逃げたがっていた。……醜くなった、いえ、醜かった女から。」



「…なんとも不憫な話だねぇ。」





死神は目を細める、この男は二重人格なのだろうか。さっきから話し方がやけにコロコロ変わる。






「どちらも悪くはない、とは言いません。むしろどちらとも悪いと言えるでしょう。」





そう、私はニンマリと笑った。





「お彼岸太夫のおかげで、あの男は女を捨てる口実付けが出来ました。」





そう、私は目を細めながらわらった。





「まさか、思いもよらなかったのでしょうね。







ーーーその後、雪女が壊れてしまうなんて。」



「…壊したのは、とどめを刺したのは、…………お前だろう。」





その答えは正解だ、だって私ですから

男を唆し、逃げるよう指示したのは

だが、私は何もしらないとでも言うように微笑む。






「ーーーだから?」







私が問いに答えてない事を、この男は気付いているだろうか。






「なあ、お前に聞きたいことがある。」





死神は鎌を下ろし、ワラう。





「この家にいた3つの魂を、なにに使った?」





それは、確信めいた口調だった。













「ーーー知ってる癖に。」








だがもう、婆さんは肉塊へと変わっているだろう。爺さんは………………ああ











「もう壊したんだ。」





次回はお久しぶりのぽんちゃんが出てきます‼︎

次回こそ……‼︎

次回こそ……‼︎



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