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蜘蛛の糸(前編)


この作品を書いた一言、意味不明

自分が此処まで文才が無いとは思わなかった(泣き)

お狂ちゃんは抜けています。なんて言うか、学校で教科書忘れなかったけど筆箱忘れちゃうタイプです。分からないですよね。分かります。自分でも何言っちゃってんだろと思いました。

サッカー部の現主将はどうなるのか、興味は無いでしょうが楽しみにしていて下さい。







見知らぬようで見知った天井を見た瞬間思った事は、「やってしまった。」の一言である。





お狂には悪い癖がある。それはお狂自身自覚しているものであるし、直そうと何度も試みたものでもある。…すべて失敗に終わったが




お狂は全ての物事を客観的にしか観れない。『客観的』と言えば良い方だろうが、悪く言えば『他人事』にしか観れないのである。




だが、他人事なんてよくあることだ。例えば、何処かの国がミサイルを撃っても、自分の国に被害が無ければ他人事。隣町に殺人事件があっても、自分の地域に被害が無ければ他人事。クラスメイトが自殺したとしても、仲が良く無ければ他人事。所詮、そんなものだ。




なら、お狂は何がいけないのだろうか?

それは単純な話、お狂にとって自分の身に降り掛かる出来事すら『他人事』に思えてしまうのだ。




現に見知らぬようで見知った天井のある室内、…保健室に寝ていたのはお狂が廊下を歩いている時、危ないという声が聞こえたにもかかわらず、それが自分に向けての言葉だと分かっていたにもかかわらず、「サッカーボールが向かってきてるなー」みたいな感じで避けようとしなかったからである。



そして今にいたる。



・物事を『客観的』『他人事』にしか観れない

・自分の身に降り掛かる出来事も然り



一見危険な状態に思えるが、これを一言で纏めるのであれば、





お狂はかなり抜けている性格と言う事だ。





ーーーーーー




今までの経緯で気付いた方は気付いたと思うが、お狂が抜けている性格だと分かる場面はあったのだ。




まず初めに、少し前に遡るが、お狂が未だ忌諱と共に咲良山の奥深い屋敷に住んでいた時を思い出して欲しい。

ぬらりひょんは自分で客と言い張ったが、客とは招いた者を客と言う。何よりも出迎えてもいないのに勝手に入るのはただの不法侵入であり、お狂はもっと警戒をしても良かったはずだ。

だがお狂はぬらりひょんの言葉を信じ…いや、信じると言うよりも「ま、いっか。」精神で対応していた。それ以前に手料理を食べられるまで気付かなかった時点で はい、アウト



次は、お狂が未だ名もなき頃のぬらりひょんとの馴れ初め。一見普通に見えた方々も多いと思うが、それは間違いです。顔が良いからといって何でも許される訳ではありません。例え顔が良くても時代が違っても「おいで、おいで。」と言って未だ幼い少女を捕まえて食べようとするのは現代風に言えば公園で「おいでぇ、飴ちゃんあげるよぉ」と言って不気味に近付いてくる鼻息が荒い気持ち悪いオッサンと同じレベルである。そんなぬらりひょん(変質者)への対応は親切に道を教えていましたね。はい、アウト。



他にも色々あるが、それを言ってしまえば切りがないので割愛させて頂こう。



ーーーー



お狂が起き上がったら、まず学生服を着た2年の男子が見えた。その男子は保健室をウロチョロしており、ひどく取り乱していた。



大方、彼がサッカーボールの犯人だと気付いたお狂は何処かで見た事がある顔だと気が付いた。そして顔を見た瞬間気付く。彼はサッカー部の現主将だと



「あの………」



「…あっ!目が覚めたか!?」



「はい、…貴方が運んでくれたのですか?」



「え、あ…、あぁ。」



「………有難うございます。私、貧血を起こしちゃったんですね。」



「……え?」



「運んでくれて、有難うございます。」



「え、あ、その……」



男子は益々慌てた様子で、目を泳がせる。それはお狂が勘違いしていると思ったか、それとも本当の事を言わなければと言う罪悪感からか…





「自分が貴方にサッカーボールを当てて気絶させた犯人です。」なんて事、言えないのだろう。





この学園の運動部には共通して守らなければいけない規則がある。そのうちの一つが、傷害事件を起こさないこと。傷害を犯した場合、その加害者生徒は無期謹慎となる。



何故そこまで厳しいのかは、今は置いとくとして、サッカーボールをお狂の頭にぶつけたのは紛れも無い事実だ。もしそれが誰かに知られたらもう二度と、この学園でサッカーが出来ないかもしれない。しかもこの男子はサッカー部の主将だ。いくら事故だとしても、傷害事件を現主将がしてしまえば、サッカー部の評判はガタ落ち、サッカー部は肩身が狭い思いをするだろう。




だからこの男子は口を濁す。罪悪感と後悔と、責務に駆られながら。






……だからお狂は、蜘蛛の糸を垂らしたのだ。







「私は、廊下で貧血を起こして倒れたんですね?」




お狂は釈迦ではない。釈迦のように冷酷ではない。その罪人が他人を蹴落として自分だけ這い上がっても、「仕方無いですね。」と言って笑うのだ。




お狂は釈迦ではない。釈迦のように残酷ではない。その罪人が這い上ってる最中に、糸を切り落とす様な真似はしない。




お狂は釈迦ではない。釈迦ではないのだ。

何故か、そんなの簡単だ。






お狂は釈迦の様に、優しくはないのだから






罪人の末路など、高が知れている



嘘をついた人間は、嘘を重ね続ける



「………あ、あぁ、そうなんだ。」



悪人でもない、善人でもないモノは罪人だ



いつだって罪を恐れ、裁きを恐れる



「俺が、残ってサッカーしてたら、君が、倒れてて…」



正義が罷り通った時代など、存在しただろうか



そもそも、正義などまさしく『人其々』だ



「俺が此処まで……、運んで、来たんだ…」






蜘蛛の糸は貴方の首に絡みつきました




選んだのは貴方です







次回は徐々に壊れていく現主将、安定のお狂ちゃん、久しぶり奈菜子ちゃん、の1本です。

どうぞお楽しみに‼︎

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