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哀れな雪女は



最近鬱ゲーにハマりました

鬱ゲーはもともと好きなんですが

恋愛モノの鬱ゲーは初めてだったんですよね

鬱ゲーいいですよね

いい感じに鬱になりますよね







歴史が安定した時代の1つである江戸



だが、その江戸の世にも戦争はおきていた。








妖だけの大戦が









私はそれを妖怪大戦争と言っていたが

名前が付いていた筈だ。






確か、蠱毒の変……だったか






何故そんな名が付いたか、それは江戸の町で強い妖だけが生き残り弱い妖は食い殺される

だが、人は食わず殺さず、守り人にいたっては人を襲わないという理由で傍観に徹していた






だから、蠱毒のような呪詛に見えた。






一部の守り人は今でも誰かが蠱毒を行なっていたのではないかと、仮説を立てている位だ。





……その蠱毒の変は約100年続いた。





戦いの意味などなく、戦いで得られるものもなく、ただただ互いが信じられなくなりおきてしまった惨劇だった。






その原因は言わずもがな






「……私、なんですけどね。」






もともと、旦那様の娯楽・暇潰しが理由だった。

旦那様は平和が嫌いだ、平穏が苦手だ、なんでも、つまらないから……だそうだ。

だから旦那様にとって江戸の世は平和すぎて、ずっと苛々していた。その被害は巡り巡らずとも私に回ってきて……色々と大変だった。






そして、思い付いた。








ーーーそうだ、妖怪大戦争をおこそう









ーーーーーー






情報は本当に役に立つものだ、特にあまり頭のよろしくない妖には効果抜群だ。





初めは、どの妖を騙したか





確か、餓鬼にこう言ったのだ




ーーー江戸の城下町には餌が沢山あるそうですよ、それも、人以上に美味しい餌が




《餌》という表現は正解だ。餓鬼にとって己以外は全て《餌》だ。





だが、餓鬼にも弱点はある。それは1匹ではあまりにも弱い、それこそ唯の人でも踏み潰される小さな小さな存在だ。

……だからこそ妖は餓鬼を恐れない、餓鬼の恐ろしさを知らない。





餓鬼が集団となり一つの塊となれば





ーーー脅威になる事を





餓鬼は喰らい尽くした、妖を、妖だけを




人を食らわないのは、今は興味ないから





興味があるのは妖だけ



食いたいのは妖だけ





そして、夜が終われば「ひもじいよぅ、ひもじいよぅ。」と食っていた餌を残し、散らばり、影に隠れるのだ。




どれほど食らっても、どれほど食い続けても、餓鬼の飢えは渇かない。




だが私が言ったことを信じている餓鬼は、極上の餌を食った事に満足し、もう江戸の城下町は用済みだとでも言うように、町から去った。







一夜限りの殺戮だった。







餓鬼は全ての妖を喰らい尽くしたつもりだったが、私の予想通り、難を逃れた妖も僅かにいた。






そして、可哀想なほど互いを疑った。






ーーーお前がやったのか…?



ーーーはぁ!?俺は下っ端の妖だぞ!?こんな事できるわけねぇ!!



ーーー陰陽師がやったんじゃねぇのか?



ーーー馬鹿野郎!陰陽師は妖を食わねえだろうが!!



ーーーなら、一体誰が……!!



ーーーお、俺は知らねぇ…!だって俺ぁ里帰りの後だったんだ…!そ、それで、夜明けに江戸着いたらこの有様だ!



ーーー俺だって今日は昼動いて疲れちまったから人間みたいに寝てたんだよ…!!



ーーーな、なあ、信じてくれよ、お、おお俺じゃない…、俺じゃ……!!



ーーーひっ…!よ、よるな!!ど、どいつを信じりゃいいんだよぉ…!!






こんな事が妖たちの戦争の始まりだなんて、なんとも可笑しくて可笑しくてしょうがない。





後はただの妖怪大戦争だ。積もるは妖の骸、流れるは妖の赤黒い血、至る所で妖が死んでいるのだ。




江戸から離れればいいものを、負けん気の強い妖は江戸に残り戦い続ける、弱い妖はとうの昔に全滅だ。





守り人は妖の骸を焼いた。人に見られてはいけないからだ、あの時の守り人たちは清掃員のおばちゃんみたいだった。





自分が引き起こした大戦だったが、この大戦はいつまで続くのだろう、幕末まで?それとも明治?最悪、終戦まで長引くか、なんて考えていたが






「それが、今日で終わるなんて……。」







ーーーこれも、哀れな雪女のおかげだ







ーーーーーー





???視点





どうして、どうして?



私は、私はどうしてこんなに堕ちたんだろう



どうしてこんなに、堕ちぶれてしまったのだろう



私は恋をしました



愚かな恋をしました



愚かな人間に恋をしました



簡単な罠に掛かってしまった私を



貴方は助けてくれた



私が雪女だと分かっていても



貴方は助けてくれた



だから、少しでも貴方の側にいたくて



貴方の側にいたくて



貴方に見て欲しくて



貴方に求めて欲しくて



貴方に愛してもらいたくて




…………




幸せ、だったの



貴方との生活は、幸せだったの



愛してもらえて、嬉しかったの



だから



だから



だから






だから、いらなかったの






前の男の子どもなんて



たった1回だけ寝た男の子どもなんて






いらなかったの








次回予告が意味をなさない今日この頃

誰視点かさえ決まってないのです

て、てへぺろ←



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