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どうして



最近、黒乃君書くの楽しすぎて


なんだろう、この気持ち


はっ、これが恋←








「どうして、お彼岸太夫が此処に……!?」






爺さんは、怒りとか、憎しみとか、そんな感情は無く、只々、怯え震えるのを隠すように声を荒立たせる。





その表情を横目に婆さんは何か察したらしく俺たちに向かって「…帰るよ。」と静かに話しかけた。





俺はどこから帰るのだろう、帰るには今お楽しみ中のところを通らないといけないのに、と不思議に思っていたら、あの糞爺が「此処に抜け道があんだよ坊ー。」と、この雰囲気でも気の抜けるような声で話しかける。全力でぶん殴りたい。





俺の思いなど知らず糞爺は子どもがやっと通れそうな道を這いずりながら進んでいった。





それに続いて怯え続ける爺さんと、その尻を引っ叩きながら無理矢理潜らせる婆さん







俺は潜る前に、後ろを振り向く




肉の塊の中にある白すぎる肌、その中に紛れる恍惚な笑みを浮かべる女は、絶対に姉さんだった。





……けど、お彼岸太夫なんて名前じゃ、ない…。






「姉、さん……」






分からない、あの人は姉さんなの?それとも、…お彼岸太夫という人、なの?







混乱と絶望が頭の中でぐちゃぐちゃになっている中




喘ぎ声と異様な空気、充満した気持ち悪い愛液の匂いの中








ーーー最後に、俺の中で残った感情は








ーーーーーー





「説明、してもらおうじゃないか。」





そう、般若よりも恐ろしい顔で爺さんを見下す婆さんに、俺も震え上がった。







糞爺は呑気に欠伸をしていた、雪山に投げ捨てたい。







「…俺が、昔、とある女と駆け落ちしたのは知ってるよな?」



「………ああ、知ってて結婚したんじゃないかい。そのせいで村のはみ出し者になっちまったあんたのために村外れに住んだし、村の連中の奇異なゲテモノを見るような目にも一緒に耐えてきた、……50年もだ。」






その話を俺は初めて知った。だが、糞爺は知っていたのか、似合わない真剣面で話を聞いていた。






「その、女と駆け落ちして、…江戸の町で出会ったのがお彼岸太夫だ。いや、俺が勝手に、お彼岸太夫って

、呼んでるんだがなー。」





そう力無く笑う爺さんを見て居たたまれなくなった。





「……悪いが、これ以上言えない。言う気は、ない。」



「あんた………」



「なあに、大丈夫だ…。彼奴らが狂う前に、なんとしてでも、俺が止める。」







そう、爺さんは拳を血が滲むほど強く握っていた。







ーーーーーー






『雪女は、子を流してはいけない。』






あの夜鷹の口から紡がれた言葉は、俺の心を蝕んだ





雪女は、子を流してはいけない





…雪女の禁忌など、正直、俺の知る事ではない





どんな過去があっても、どんな禁忌を破っても





彼女は、彼女なのだから






ーーーそんな綺麗事は、言えない






子を流した





ーーーどうして?





子を流した





ーーーそれは、己の意思か





子を流した





ーーー一体、誰の…






子を、流して落として殺した






込み上がる怒り、その怒りは何に対しての怒りか




込み上がる涙は、何のために流しているのか




だが、少なくとも






その涙とともに、俺の愛情が流れていったのは、確かだった






ーーーーーー





「そもそも、それ自体が過ちだったんですよ。」



「それに関しては同感だ。」



「……ふふ、いえ違いますね。あの男にとって、お彼岸太夫の言葉は口実付けです。」



「…………口実付け?」



「だって、あの男は心のどこかで逃げたがっていた。……醜くなった、いえ、醜かった女から。」



「…なんとも不憫な話だねぇ。」



「どちらも悪くはない、とは言いません。むしろどちらとも悪いと言えるでしょう。」



そう、サトリは笑う



「お彼岸太夫のおかげで、あの男は女を捨てる口実付けが出来ました。」





そう、サトリは嗤う





「まさか、思いもよらなかったのでしょうね。





ーーーその後、雪女が壊れてしまうなんて。」



「…壊したのは、とどめを刺したのは、…………お前だろう。」





サトリは微笑う











「ーーーだから?」









サトリは嘲笑う








最近次回予告が意味を成してないので保留ー‼︎



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