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それはまるで(2)



◯witterやってる友達がめっちゃT◯itterしよしよ言ってくるんです


ツイハラだ、ツイハラ


I◯stagramやりたいと母がほざくんです


インハラだインハラ


Fac◯bookは今の所セーフです


あ、ツイハラもインハラも作者が勝手に命名しただけです。非公式です。


ついさっき調べたらインハラが違う意味でありました。








???視点






あの時、選択肢を間違ったのだろうか





あの時、お前の言葉を否定すれば






あの時、お前の手を取らなければ






あの時、お前があんな顔をしなければ






あの時、お前を救わなければ






あの時、お前に恋をしなければ






あの時、お前と出逢わなければ




あの時、お前と出会わなければ




あの時、お前と出合わなければ






俺は





いや





俺たちは





あの女に







狂わなかっただろうか?








「もしもを唱え続けるのは人の悪い癖だよねぇ。」


「もしもを唱え続けるのは人の美徳ですよ。」






「それを言って、なんの意味があるのかねぇ。」


「なんの意味の無い妄想で自己を補っているんです。………そうですよね?」




ーーーーーー





村を出た後、俺たちが向かったのは江戸の町だった





別に、行く当てがあった訳ではなく、なんとなく南へ南へ向かった結果だった





雪女は江戸へ向かう途中、だんだんと〈仮面〉が剥がれていった





当たり前だ。あの仮面は、あの雪山にいて初めて成立するものなのだから





彼女の美しい顔は、まるで酸をかけたかのように爛れ、無様な姿になっていった





彼女はそれを「見ないで。」というように、まるで夜鷹のように顔を風呂敷で隠す





俺はその顔を見る度に




(まるで家族のように過ごしてきたんだ、顔なんて関係ない)


(騙された、こんな見るに耐えない容姿だったなんて)





この2つの思いが葛藤するのだ





何方も、ウソのようで




何方も本当な






俺の思いが






ーーーーーー





江戸の町に着いたのは日が沈み、夜がやってくる刻だった





この時間帯に宿が空いているとは思わなかったし、何よりも彼女がそれを拒んだ





俺たちは野宿するために、人気ひとけのない河川敷の下で寝ることにした





河川敷の下には、夜鷹が使ったであろう筵があった






此処は元々、夜鷹が住んでいたのだろう






今は、いないらしいが






そう思っていたら、酷く悪酔いした男が千鳥足で此方にやって来た






男は焦点が合わない目で俺たちを見て、「なんだなんだぁ?お楽しみかぁ?」と気味悪くひひひと笑う





「なあ、おれぁもまぜてくれねえか?」





そう言って男は着物も脱がず、褌だけするすると脱ぐ





俺も彼女も着物がはだけている訳でもないのに





男は此方にじりじりと向かってくる





彼女は震えていた





その震えは、襲われるかもしれないという恐怖ではなく





自分の顔を見られるかもしれない恐怖が勝っていた






「い、いや……」





彼女はか細い声で無意味な抵抗をする





俺は咄嗟に彼女を背後に隠した





男はあからさまに不機嫌となり、呂律の回らない舌で唾を吐きながら叫ぶ





生憎だが、俺は動物を狩る事は出来るが




人を殺すなんて事は出来なかった





どうすればいいと思いながら真っ白になった頭のせいで








俺は動けずにいた







「ちょちょちょ、お兄さん。えらく男前じゃないですか。」





そう言って男の肩を後ろから叩いたのは、あまり質の良いとは言えない着物を無造作に着てはいるが、風呂敷の下から分かる程、美人な女






男は最初、訝しげに後ろを見たが




女を見たらすぐに鼻の下を伸ばして、俺たちの事など存在すら忘れたかのように、女に夢中になる





「ええおんなだなぁ、いくらだあ?」



「そんな無粋な事、後にして下さいな。それよりも……ね?」





そう女は甘えたように男の肩に両手をのせ、耳に吐きかけるように話す




男はますます鼻の下を伸ばして、強引に女の腰を引き、どこに行けばいいと興奮気味に聞く





そして、男と女は河川敷から遠退く












今思えばそれが







お彼岸太夫との出会いだった








次回はお狂ちゃんが回想で出てきまーす。今回もちょこっと出てましたが



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