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夢現(2)



新年あけましておめでとうございます‼︎

今年もよろしくお願いします‼︎

去年は作者の遅い更新などでお世話になりました←

今年はどんな出来事が待っているでしょうか⁇

わくわくが止まりませんな‼︎


人外増えて‼︎ダークファンタジー増えて‼︎人外‼︎人外の神降臨して‼︎

後、私に才能おくれ‼︎文才送れ‼︎

ってお参りしようと思います←







雪乃静視点






ーーー雪女


それは雪山に迷い込んだ男を惑わし誑かし交わり、凍死させる。……恐ろしく美しい妖






そんな雪女は特殊な性質を持っている。






雪女の一族は、決して男を孕まない。

その代わりとでも言うかのように雪女の腹から生まれた子は純潔の雪女だ。だから、雪女が妖の中でも上位の存在となるのはある意味必然だった。








だが、とある雪女は生んでしまった。









男の子を、俺を生んでしまった。





ーーー化物を、生んでしまった。






貴重な存在として重宝されるのではないか?と会長から疑問を持たれた事がある。そんな事、あるはずがない。だって、雪女の一族にとって俺は、のどかな村にツノの生えた赤ん坊が生まれるようなものだ。







気味が悪い、気持ち悪い、汚い








そう蔑んだ目で雪女たちは俺を見る








身体的に責め立てられなかったのは唯一の救いだろうか?いや、その代わりとでもいうかのように俺は迫害された。







それでも俺は幸せだった。

その頃はまだ、母さまは俺を愛してくれたから。






けれど、周りの雪女たちは俺と母さまが外に出歩く度、ジッと此方を見て……ひそひそ、ひそひそと耳を寄せ合う。





ーーーあの女、恥知らずなのかしら




ーーー男を生み落すなんて、気持ち悪い




ーーーいっその事、男の象徴を切り落としてしまえば?







ひそひそ、ひそひそ





ひそひそ、ひそひそ





ひそひそ、ひそひそ







悪意に満ちた目線、俺で物足りず雪女たちは母さまの悪口を囁き始める。







ーーーそう言えば、あの女って結構有名な売女よね




ーーーあの歳で子供がいなかったから焦ってたのよ




ーーー私見たわ、1人で何人もの男を相手したの




ーーー子供も、種が腹の中で混じり合ったからじゃないの?




ーーー子供が可哀想ねぇ






いつしか俺への悪意は、母さまに牙を剥く。





母さまは徐々に、…けれども確実に、心を蝕まれていた。雪女特有の白い肌も荒れ、美しい顔もまるで化けの皮が剥がれた様に醜くなっていった。







その原因を作った雪女たちは、まるで母さまを追い込むように囁き始める。






ーーーなあに、あの顔




ーーー雪化粧が出来ていないじゃない




ーーー汚いわねぇ






雪化粧とは何か、最初は不思議に思った。本来の雪化粧の意味と雪女たちの言っている雪化粧は何か意味が違うと幼いながら感じたのだ。





だが、幼い頃の俺はそんな雪女たちの悪口よりも、母さまの体調の方が心配だった。





雪女たちに陰で嘲笑われ、罵られ、母さまは徐々に心も病んでいった。聞こえないようで聞こえる陰口に母さまはもう、限界だったのだろう。






そんなある日の事だった。






俺が母さまと住んでいた洞穴に帰った時、母さまは尖った石を岩に擦り付けていた。





「……母さま?」



「…………」






キィ、ギリ、キィ、ギリ、キィ、ギリ







「母、さま…??」



「…………ふふ、なぁに?静…?」







母さまは俺と視線を交わさず、ただただ石を尖らせる。







「母さま、母さま。」



「なぁに、…なあに??……ふふふ」



「今日、吹雪だから、いつもより多く、葉っぱ集めてきた。」



「ふふふふふ、」



「あと、穴に埋めてた食料、掘って、持ってきた。」



「ふふふふ、」



「母さま。」



「………あはっ……ふふふふふ、」



「母さま……、それ」






それ、と言った瞬間、ぞわりとした感覚に襲われた。母さまは直ぐにそれの意味に気が付いたのだろう。







「その石、何に、使うの??」



「……静」



「なあ、に?」



「静、静、可愛い可愛い静、私の大切な大切な……大切な?」



「…………あ」








その瞳は濁って、濁って、汚くて







「ああ、…私の大切な…………、娘。」









ーーー俺を見ていなかった











次回はおねえちゃん登場です‼︎

過去編は続くよどこまでも←



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