夢現
雪乃静君みたいな感じの口下手な弟が欲しい
最近、視線を感じる
それはねっとりとした……まるで飴がドロドロに溶けたような、…少し気持ち悪いもの
その視線が誰のものなのか、嫌という程分かっている。
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
私の真横にいるのだから、当たり前だ。
ーーーーーー
原因は全て華宮桜だ。もう華宮桜に当たろう。
華宮桜は今、濡螺に頼まれパーティーに行っている。因みそのパーティーで華宮桜が何故、濡螺の苗字に変わっていないのかが明らかになる。…なんでその事を知っているかって?ゲームのシナリオと言えば分かるだろ?
…あのお見舞い以来、何故かは知らないが世界がゲームのシナリオに忠実でいようとしている。それは歪んでしまった物語をなんとか修復しようとするかのうに
そんなに修復したければ、異物を排除すればいいのに
この世界にとって、私は感染源なのだろう。私という存在によって物語が、世界の心臓が歪んでしまったのだから。
既に自覚済みなのだ。それ以前に旦那様の願いは学園崩壊なのだから当たり前と言えば当たり前だが…
それでも私は主張したい。
雪乃静には何もしていません。
嘘付けと思った方、本当なんです信じて下さい。
確かに私は人を狂わせて不幸にする事しか出来ない、幸せに出来た試しがない最低女です。けれど狂わせた方にはなんやかんやで接点はあったし話した事もあった。
けれど、雪乃静は接点はおろか話した事もない。
ならこの状況は何だ?なんで華宮桜がいないから雪乃静が来る?
…いや、仮にもだ。私は彼らにとって容疑者なのだから華宮桜の監視の巻き込まれが無い以上、自分たちで行動するしか無い。それで雪乃静が来たなら頷こうではないか。
だが、雪乃静が私の元に来てから約1週間が経過している。
約1週間、24時間営業とでも言うかのように監視されている。教室はおろか奈菜子もいる自室まで約10センチの距離で、つまり隣にいる。おかげで色んな者から奇異な目で、あるいは嫉妬の目で見られる。唯一の救いは雪乃静の親衛隊は温厚な事くらいだ。……だが、ストーカーよりタチが悪い。
今日から雪乃静の事をブラック企業系コン●ニと呼ぼう、うんそうしよう。
……落ち着け私、荒ぶるな深呼吸だ。心を落ち着かせるんだ。
雪乃静…ブラック企業系コ●ビニだって好きで私を監視しているんじゃない。もしかしたら生徒会長という名のブラック企業社長の命令だったのかもしれない。
「…………さっき、か、ら、…何?」
「いえ、●ンビニって大変だなと、思っていただけです。」
「まあ、24、時、間…営業、だ、もん…ね。」
「交代してるとは分かっているのですが、私が知っているかコンビ●の中で、24時間ずっと同じ方がレジをしている、まるでブラック企業みたいなコンビニがあるんです。」
「え、気持ち悪、それ単純に貴方のストーカーじゃない?」
お前だよ、というよりスラスラ喋れるんですね。
「……ねえ、ーーー」
「え?」
その言葉を発せられた瞬間、背筋が凍った。
「いつまで、しらばっくれるの?」
「……ひ、」
いや、言葉ではなく、その目が恐ろしかったのだ。
「……やっと、見つけたと思ったのに、
ーーーお姉ちゃん」
私を見ているようで、私でないダレかを見るその目が
「転生して、俺の事……忘れちゃった?」
ーーー気持ち悪い
やっちゃったね、爆弾発言しちゃったね。
これって急展開⁇(作者にも分からない←
次回は雪乃静君の過去に飛びます
いつも通りの流れですな←