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その男が見たもの(3)


これにてこの間話は終了いたします。

次、何書こう←






紅海 神羅視点




話を戻そう。そして振り返ろう。

ようするに俺は病室の前に来ていた。そこで咲良田杏と遭遇した。……出会ったのではない。遭遇したのだ。……何故かって?そんなの決まっている。




咲良田杏は突如ドラ●エのスラ●ムの速さで口を両手で塞いだのだ。ド●クエのス●イムの速さという所で察して貰いたいものだ。察せない奴は●ラクエをプレイして来い、面白いぞ。




…そしてその後、咲良田杏は縋るような、如何にかしてくれというような目で俺を見る。最初は訳が分からなかったが、病室の中から聞こえる声で察した。…それはもう見事に







ーーーこれは俗にいう修羅場か






いや、正直に言えば生徒会にも修羅場製造機が1匹いるから慣れてはいる。その前にいた元生徒会議長が修羅場製造マシーンだったから手馴れている。仏の手の平になった気分だ、吸血鬼だが。





だが、俺が気になったのは何故ここに咲良田杏がいるかだ。佐鳥純平の見舞い?それにしては粗品らしい粗品を持っていない。…まさか華宮桜が「付いて来て!」とか言ったのだろうか………?いや、まさかあの猪でもそんな馬鹿げた事を言う訳が





「あ、あのね。純平に私の友達、紹介しようと思って…!!廊下で待ってもらってるの!」







馬鹿げた事を言ってたな。







その言葉に咲良田杏も「え、まさかの?」という顔をして病室を見る。酷く哀れに思えた。





華宮桜は異様な雰囲気の佐鳥純平を恐れているのか、熊から逃げる手段をフルに使い(目を見ながらゆっくり後退る)廊下に手を伸ばす。





「紹介するね!私の友達の、咲良田杏ちゃん!!」





そう言った華宮桜の隣を見て酷く驚いた顔をした佐鳥純平。…とりあえず俺は溜息を吐き







「どうも、この猪の飼い主、咲良田杏です。」







咲良田杏と名乗った。







ーーーーーー





膨れっ面をした華宮桜、病室に入って来た咲良田杏、訳が分からない佐鳥純平とこの空気を作った元凶オレ……これは世に言うカオスなのだろうか?





「私が思うに、カオスはもうすぐ死語になると思いますよ。」



「マジか。」



「それは暫く続きそうです。」



「おけまる」



「微妙ならいんですね。」



「何話してんだよアンタら…」





そう言って呆れた顔をする佐鳥純平、だが、意外と咲良田杏と話をするのは楽しい。下らない話を面白いと感じるのは久方ぶりだ。





「…なんで、生徒会長がいるんだ?」



「そうですよ…!!なんで此処にいるの?!」



「俺は……」






副会長の代わりに来た、と手短に言おうとした時、佐鳥純平は咲良田杏を指差した。





「……あんた、放課後のグラウンドでいつも彼奴といたよな?」





彼奴とら一体誰か?と思ったが、佐鳥純平は聞き覚えのある名前を呟く。その名前は確か、サッカー部主将の…





「あと、よく差入れとか言ってなんか飲み物渡してたよな。」







ーーー飲み物?







その言葉に俺はあのアホ風紀共が送って来た報告書の一部を思い出す。





サッカー部主将から薬物反応が検出された。その薬物は







ーーー妖草







まるでミルクパズルのピースが1つ、やっとはまった気分だ。







咲良田杏はサッカー部主将と恋人同士になり、親密な関係になった。そしてサッカー部主将が油断したところで、妖草をすり潰したモノを混ぜたペットボトルを飲ませた。そのペットボトルを毎日飲まされたサッカー部主将は妖草の副作用であの事件をおこす。






これがもし、事件の概要なら辻褄は合う。……まあ、サッカー部主将の死因には関わってはいないが






佐鳥純平は疑うような目で咲良田杏を見る。華宮桜は話についていけないのか頭にハテナを浮かべている。





咲良田杏は困惑したような顔で佐鳥純平を見る。それはサスペンスで言う犯人の慌てふためいた様子ではなく、全く身に覚えのない罪状を検事に言われた容疑者のようだった。





「私は、そんな事してませんよ?」



「だったら、俺が見たアンタは誰だよ。」



「…分かりません。けれどあの頃の私は、放課後のほとんどを自分の教室で過ごしていました。」






どちらの目も嘘を言っているようには見えなかった。だが、こんなにも矛盾が生じているのだ。どちらかが嘘を吐いているのか、はたまた、どちらも嘘を吐いているのか






ーーーもしくは








次回は疑惑の静君ターンでいきたいな



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