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殺伐とした愛





やっと、完成した‼︎

一話完成するのにすごく時間がかかってしまった‼︎

次からは1週間目処更新を目指します‼︎


注意‼︎

今回はR−15の表現があります。





忌諱目線




ぬらりひょんが屋敷から出て行き、数刻が経った。あの意味有りげな笑みが気に食わなかったが、いつの間にか戻ってきたお狂を見て、その気も失せた。お狂を隣に座らせ、晩酌をさせる。お狂は見た目通り物静かで、忌諱も其れ程話す事は無く、唯々静かな時が過ぎた。だが、忌諱がとある一言を言って、その空気を壊したのだが…




「……、お狂、黒妖学園に入学しろ。」




唐突な話にお狂は眼をパチクリとさせ、忌諱を見た。

暫く考えた後、お狂は「何故…?」と、か細い声で忌諱にたずねた。




「サァ、なんでだろうナァ…?」




そう言ってはぐらかす忌諱は目を細め、お狂の顎を掴み、無理矢理上を向かせた。病人のような白い肌と、異常なまでの冷たい体温、唇が赤くなければ雪女と間違えられるだろう。




「舌を出セ」




又も唐突な事にお狂は訳が分からなくなったが、抗う事もなく、従順な仔犬のように従った。

そんなお狂の行動を嬉しそうに目を細めながら見ている忌諱は悪逆非道な化物とは到底思えなかった。




お狂の舌には今にも動きそうな黒い蜘蛛の痕がある。これは忌諱とお狂の契約の証。




だが、ぬらりひょんが思っているような重苦しい契約などしてはいない。





お狂が忌諱に求めたものは命ではない



忌諱がお狂に求めたものは隷属ではない





今思えば、なんとも幼稚な願いであり、契りだったと忌諱は思う。だがそれはお狂が側にいなかった時は乞い願い続けたものだった。




舌を出したまま動かず待っているお狂を見たら、お預けを待っている仔犬に見えて、酷く愛らしく感じた。不思議と舌を絡ませたくなった忌諱は、お狂の頭を押さえてお狂の口を貪った。蛇のように長い舌はお狂の舌よりも奥に奥に伸び、喉彦を掬い上げ、絡ませ、突いた。お狂はびくん、びくんと体を震わせ、頬を赤らめ、涙を流す。その顔に忌諱は益々興奮し、いつしか下っ腹が疼いて疼いてしょうがなかった。




ようやく忌諱がお狂を解放した時は、お狂の顔は少女ではなく女の顔をし、忌諱を見た。忌諱も限界が近かったが、まだだ、まだだと自分を落ち着かせ、お狂を責め立てる。




「物欲しそうナ顔して、ナァに期待してんダ?…ん?」



「…っ、ちがっ……!」



「違くネェよ、ホラ、言ってみロ。欲しいんだロ…?」


そう言って首筋をベロォと掬うように舐めると、お狂のナカも疼いているのか無意識に忌諱の太腿に股を擦り付けて眼を瞑る。




「…ナァ、お狂。昔の契りを忘れるナ。何があっテもダ。」



「…え……?」



「契りを忘れたカ?ん……?」



「…っ、わ、分かって、ま、す。絶対に、私は、んっ…、旦那、様を……、裏切り、ません…!」



「それだけダッタかァ…?」



「あっ…!んぅ、…私、は、旦那様だ、けの…、モノ、です。」



「あァ、そうだ。テメェは俺だケのモンだ。その代わり」






ーーーーーー俺は、テメェだけのカミサマだ。






そういう前に、俺の下っ腹は限界だったらしく、お狂を押し倒し、着物を乱す。




雲隠れした筈の月は、いつの間にか地に近い位置に沈んでいた。



ーーーーーー




黒妖学園の事をはぐらかした忌諱だったが、忌諱は単純に確かめたかったのだ。




…お狂の想いを。




お狂の名の由来は、《すべてを狂わす存在》




お狂は一言で言うなら麻だ。一度味わってしまえば、二度と手離せない。




それを知ったのは、何時だっただろうか




側に居るのが当たり前になった頃、お狂が陰陽師の男にうっかり保護されたことがある。大方、お狂の中の穢れ(オレ)に気付いたのだろう。その男は大層な男前だったが、堅物で努力家な好青年だった。





ーーーお狂に出会う、その日まで





お狂を保護したのは、紛れも無い正義感だったのだろう。だが、お狂と接しているうちに、その男は壊れていった。そう、コワレテいったのだ。





お狂が館に潜入していた頃、とある武将の男に惚れられたことがある。お狂は女中で、その男は一国の主。報われない恋だと諦めればよかったものを。その男はコワレテお狂を殺したのだ。…そして首だけ切り取り、暇さえあればその首に口付けをした。




……あの時のお狂を修復するのには手間が掛かった。




幕府を不審がる人間が出始めた頃、新選組のとある隊士の男が、団子屋に潜んでいたお狂に恋をした。綺麗な初恋のまま終わらせばいいものを、その男はお狂と共に心中しようとした。





だが、お狂は何もしていない。言ってしまえばあいつらが勝手に惚れて勝手にコワレテいったのだ。




お狂と言う存在で…




俺が知っているのはそれ位だが、他にも様々な人や妖、しまいには守り人を狂わしてきたのだろう。




そして、俺自身も…




お狂は俺のモノだ。お狂は俺がいなければ息すらできない。それは紛れも無い事実だ。契りは絶対。人ならざるモノと契りを交わした場合、破った対価は命よりも重く苦しい。







だが、心の何処かで、破ってしまえばいいと思っている。




この契りは俺とお狂を結び続ける糸



この契りはお狂と俺を縛り上げる鎖





この契りがある限り、お狂は俺を《カミサマ》として崇め続けるだろう。其処に敬愛アイはあるが俺が欲し続けた愛は無い。




だが俺が《カミサマ》で無くなったら、お狂は俺から離れていくだろう。





ならば、コワレテシマエ。





俺との契りを破り、他の男に汚されてしまえ




俺との契りを破り、俺を裏切ってしまえ




そしたらお狂に対価を払って貰おう




お狂と言う存在を、俺に差し出せ




そして今度こそ、俺を愛せ




「俺」を愛せ














次回も他視線です。いい加減生徒会と乙女ゲームの主人公出します。





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