暴かれた真実
タイトル詐欺って、怖いよね⁇(仕出かした本人)
真実は約8割しか暴かれてません(テテーン
そして衝撃の展開になる……かも?
修道院 昭道視点
それは、白妖学園に勤めている兄の言葉が切っ掛けだった。
『…なあ、お前は妖に拘り過ぎるんだよ。一族を破門された俺が言うのはなんだが、確かに妖は陰陽師にとっては悪だし絶対に信じちゃならない。何があっても………俺たちは《人》の味方でいなくちゃならねぇ。それが陰陽師の、…守り人の使命だ。…けどよぉ、人だって悪だ。何故かって?所詮この世に正しい義なんざねぇからだ。つまり、妖と人は白と黒の勾玉のように交わらねぇように見えて、中身は真っ黒、同じ成分って訳だ。』
『つまり、お前は何が言いたい。』
『お前じゃねぇ、お兄たまだ。』
『分かった。分かった。お兄たま(嘲笑)』
『あー、可愛くねぇ!…つまり、《人》も疑えって事だ。この学園で人が死んだ。妖と人、何方を選ぶって問われたら妖って言いたくなる気持ちは分かるが、一回落ち着いてよーく考えてみろ。…1番恐ろしいものは妖だが、1番怖いものは……なーんだ?……なんちって。』
最後は戯けたように笑ったが、兄がそれまでに言った言葉は全て正論だった。
……だから、今でも胸につっかえて仕方がない。
…思い出せ、あの事件の不可解な部分を
・サッカー部主将の事件当日の奇妙な行動
奇妙な行動の1つであるノートの落書き?に書かれている文字は解読できなかった。
・サッカー部主将の勘違い
この勘違いは2つ、サッカー部のメンバーが咲良田杏を輪姦したと言う勘違い。そして、サッカー部主将が咲良田杏を恋人と勘違いしたことだ。
・サッカー部主将の不可解な死因
首から見事にスパッと綺麗に切れていた。それはもう見事に。凶器も探したが、廊下からは何も見つからなかった。
「クソッ……!頭が痛い。」
最初はサッカー部主将の妄想説が有力だったが、それはあくまで2つの謎を解決するだけだ。
……ああ!ついでに胃もキリキリして死にそうだ。
「大体、死体解剖はいつになったら終わるんだ…!」
遅い、遅すぎるのだ。あの事件が起きてから何ヶ月経っていると……
「呼ばれて飛びでずドアからこんちゃー!!」
「混ぜるな危険だ愚か者。」
まあ、今のはグッドタイミングだから、褒めてやってもいい。
ーーーーーー
「…で?結果は?」
「えーーと、デスね。なんと言うか…予想外な展開に発展しちゃったかーなー…的な?」
「???」
「まあ、一言で言うなら、あの首チョンパ君の体内から……薬物反応が出ちゃったんスよーねー…」
「………は?」
いや、落ち着け。これで2つの謎が解けたとポジティブに考えろ。犯行当日の奇妙な行動は薬物でラリったから、サッカー部主将の2つの勘違いは薬の幻覚のせい……
「て、んな訳あるか。」
そんな都合の良い幻覚がこの世にあるか、普通薬物の幻覚は身体中に虫が這い上がってくるとか、ナニかに殺されそうになるとか、主に自分に被害をもたらすモノだ。だが、サッカー部主将の勘違いは咲良田杏と恋人同士という都合の良い、むしろ妄想と言っていいもの、もう1つの咲良田杏がサッカー部のメンバーに輪姦されたという勘違いは咲良田杏が被害にあっているじゃないか。
「まあ、イインチョの考えている事は分かるんで〜、その薬物が何か教えるッスね。」
そう頭をぽりぽりと掻き、如何にも面倒くせーといった顔で資料を見る咒
「その薬物、妖草ッス。」
「…………………はぁ?」
「いや、そうなるのは分かるッスよ?妖草って基本的に無害ッスからねぇ。」
妖草、それは妖樹の側に生えた草が妖になる…のではなく、単に妖の妖力をアップする活力剤なのだ。
「けど……人が食べた例、見たこと無いッスよね。」
「それは……」
「当たり前ッス。普通の人は草なんて食べないし〜、例え餓死寸前だとしてもあんな危険信号色してる草なんて食べないッスよ。けど、此奴は食べた。どうやら妖草は人が食べたら作用として都合の良い夢を見るそうッスよ。けれど、副作用はその夢が悪夢に変わる事と思考能力の低下」
「もー、だから遅れたんスよ!!俺たちが頼んだ妖専門解剖の奴らが、こーんな事例初めて❤︎とか言って中々コッチに資料渡さなかったんスよ。まっ、大方、学会に出す前に世間に公表されたく無かったからだと思うッスけど、そんな面倒くせー事誰がするかっつーの!コッチは全部内密なんだよバーーカ!」
と、勝手にキレ出した咒を置いといて、俺は考える。この妖草の作用が事実であれば主に2つの謎は解けたことになる。不可解な行動は妖草の副作用である思考能力の低下が関わっていると踏もう。そして2つの勘違いは妖草の作用と副作用だ。だが………
「首は?首は如何なる?」
「首は何かスパッと切れていたらしいッスよ。」
「それは知ってる。」
「だって彼奴ら、妖草を人が食べた事例に夢中で何か適当なんスよ〜、もう!此奴ら全員クビっすクービ!!首だけに、…なんちゃって☆」
「…………」
「…まあ、けどイインチョ。取り敢えずこの件は妖が容疑者で間違いなさそうッスよね。妖草なんて妖か守り人しか知らないし、首チョンパも妖の犯行としか考えられないッスよ。」
「……………いや、待て。」
「はい??」
「人も、容疑者から外すな。今疑っている咲良田杏も人だろうが。」
「それはそうッスけど……」
こんな犯行が人に出来るかと目で訴える咒を横目に、俺は1つの突拍子もない仮説を立てた。
妖草は至る所で生えている訳ではない。この近くで咲いているのは妖樹が枯れ生命の活気を失っているあの山しかない。
……そして、その山は咲良山の近くだ。
咲良田杏の故郷は、咲良村だ。
…あの、厄病神が居着く忌まわしい山がある村だ。
咲良田杏は、…お彼岸太夫なのではないか?
こんな穴だらけの推理だが、俺は何故だか確信めいたものを感じたのだ。まあ、無理もない。
何故なら、俺はお彼岸太夫に1度会っているのだから
『…迷子、ですか?』
『……これ以上奥に行ってはダメです。』
『此処は……カミサマが住まう山、なんですよ。』
次回はイインチョの過去‼︎
作者過去話大好きなんで‼︎
ま、まあ⁇学園モノ(仮)なんで(震声)