表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/101

それは分かれ道



コメントありがとうございました‼︎

皆様の意見の結果、1→5→4→3という結果になりました。他のendは作者が適当に決めます←


今のところ1のendが終わったら新しい作品を作成し、この「分かれ道」から内容を変え、endを違うものにと思っているのですが、なんせ作者は気分屋ですので、分かりません(テテーン


コメント、本当にありがとうございました‼︎





「私は……「ちょっと…待って……」…っ!?」




「…監、…視役……一、人よ、…りも、…全、員で、監…視し、た方、がい…い。」




心臓が悲鳴を上げる。…やめて、こっちを見ないで。




……雪乃静




雪乃静は私が嫌いな視線を此方に向ける。じっとじっと、…前髪で隠れている目を、此方に向ける。




雪乃静は乙女ゲームの攻略キャラクターであり、主要キャラクターであったのだが、情報量が少ない事で有名だった。

○ikipediaでも、他の主要キャラクターの情報量と比べて五分の一という少なさであったが、「だからこそ妄想が膨らむ!」や「超ミステリアス最高!」と熱狂ファンを作った事が記憶に新しい。と言っても、…もう千年以上昔の話だが。




そんな彼が、何故私にあんな視線を送るのか、想像すらしたくもないが。少なくともそれは、彼を奇妙で不可解で気味の悪く虫酸が走る存在にさせるのは…十分だった。




「おい、流石に其処までの処遇は……」




私の境遇に哀れみを感じたのか、式部嵐先生は私の前に立ち、庇おうとする。




「…何か、忘…れて、る…んじゃ、な、い?」




そう言って周りを見渡す雪乃静は、少しの沈黙を作った後に、口を開く。




「この子、を、…疑、うのは、構わ、ない、け、ど……、もし、こ、の子が、白…だった、ら…?別の、可能、性。この…子は、もしか、したら…そう、いう、……体質…なの、かも、、しれ、ない。」




「体質………?」




風紀委員長の修道院昭道は少し不思議そうに此方を見る。風紀副委員長の咒凪は少し考えるような仕草をし、生徒会は何処か納得したような顔をする。





人には体質があり、主に幸福体質と不幸体質がある。

幸福体質の人は妖に狙われ難い。何故なら妖は《不幸》な人間を好むから。其方のほうが美味しいから。《不幸》な人は負の感情が湧きやすいから。

生徒会は私が不幸体質だと思ったのだろう。あながち間違いではないが……。





式部嵐先生は雪乃静の言葉を聞いて、何かを思い出したかのように目を見開く。




「……むしろ、その可能性の方が高いかもしれねぇ。咲良田には悪いが、こいつの家庭環境は最悪だ。」




そう言って罰が悪そうな顔をするが、私にとってそれは作られた過去だ。正直に言えば他人事のように聞こえてしまう。だから、「私のことは、気にしないでください。」と口走ってしまった。




その言葉をきっかけに、式部嵐先生は私のプロフィールがあるであろう冊子を生徒会の金庫から取り出し、此処にいるすべての者に見えるように置く。




「咲良田は、咲良村と呼ばれる小さな田舎の村に生まれたが、母親は元々子供を生むつもりはなかった。だが、男を縛るために生んだ。それが咲良田だ。しかし僅か数年で離婚。男と離婚した後、母親は咲良田を放置はしたが、それなりに愛情があった為、数少ない稼ぎを咲良田を育てる為に使っていた、が……。母親は新しい男を作ったのを切っ掛けに咲良田を育児放棄。金も無ければ、身寄りも咲良田を厄介者扱いしたため、帰る場所もなく、咲良田が売春をして稼ごうとしている所を理事長が見兼ねて、この学園に入学させたんだ。」




「………」




辺りが沈黙に支配される。誰も声を掛けなかったし、掛ける言葉も出てこなかったのだろう。






だが、私は頭が真っ白になっていた。






何故なら…私の作られた過去が

私の前世と、全くと言っていいほど…同じだから。




なんで、如何してと疑問の言葉が頭の中をぐるぐるぐるぐると回っている中、無情にも話は前へと進んで行く。




まず、私は生徒会と風紀の両方に監視される事になった。



だが、何も四六時中生徒会室にいろと言うわけではない。それは私の過去を知ってしまったという罪悪感かもしれないが、私にとっては迷惑そのものに直結する出来事の切っ掛けとなったからだ。






それは、主人公 華宮桜が私と共にいる事






つまり、私と奈菜子のいるCクラスに編入したのだ。



休み時間や放課後は勿論、同じ部屋に寝泊まりする始末



…唯一の救いは、奈菜子が部屋を入れ替わりしなかった事位だ。



華宮桜が私と共にいる理由は二つ



一つは監視、だが華宮桜が私を監視するわけではない。ならば何が監視なのか、それは…華宮桜はこの学園の全てに《監視》されているも同然なのだ。妖からは上物の餌として、人には嫉妬や渇望の対象として、守り人からは妖から守らなければならない重要監視人物として、故に、華宮桜と共にいるという事は、華宮桜の《監視》に巻き込まれるという事なのだ。




そして二つ目は華宮桜の希望、これは大方、私の過去を盗み聞きしたのだろう。私と華宮桜の過去は似ている。そっくり同じとまではいかないが。華宮桜が私に向けている同族意識は染み染み伝わってきた。




「ねぇ、杏ちゃん。大丈夫?」




奈菜子が心配そうに私を見る。疲れているように見えたのだろうか。




「…大丈夫ですよ。あまり気にしないで下さい。」


そう言ってみたものの、正直身体は色んな意味で限界だった。だが、これは華宮桜だけの所為ではない。




関節がギシ、ギシと音を立てるようになった。目も瞬きが余り出来なくなった。何より、体の中の水分が無くなってきている。




夏休みは持つと思っていたが、思っていたよりも早くガタが来てしまった。旦那様の一部をもらわなければ、私の身体は硬直し、動けなくなってしまう。




だが、夏休みも含めて私は監視される筈だ。なら旦那様に会いたくても会えない。





如何すれば良い?




如何すれば……






……いや、簡単な話じゃないか。






「旦那様、お願いがあるんです。」




風呂の鏡を通じ、何時ものように旦那様と会話をする中、私は話の流れを遮り旦那様に強請るように見つめる。




「アァ?…ンだヨ。」



熱くなるはずもないのに、身体が火照る。今思えば私がこんな事を旦那様に強請るのは初めてなのだ。心なしか声も震えてくる。







「旦那様、今此処で……私を犯して貰えませんか?」







「……随分と下手くそナ強請りカタだなァ……」




そう言いながら私の腿を指で伝い、まるで玩具のように私の反応を見る旦那様は、何方かと言えば乗り気だった。




旦那様の一部は、旦那様の体液でも構わない筈だ。普段は別のモノを貰っているが、それだと旦那様が色濃く残り、警戒されている守り人に気付かれ易くなってしまう。




旦那様の体液なら、まだ色も薄く、守り人も気付かないだろう。…その代わり、効果の持続性は余り続かないが。




だが、少なくとも痛みを感じないこの身体は、旦那様との情事後でも腰の鈍い痛みを感じない。故に奈菜子や華宮桜には少し長い風呂と説明できる。…旦那様の気分にもよるだろうが……






そんな事を考えながら、私は鏡から出てくる無数の腕に包まれるのだ。








次回は旦那様視点‼︎そして四大古妖のあの方が登場‼︎次回もお楽しみに‼︎




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ