体育祭(2)
私の知っている体育祭はこうなんです‼︎(白目)
修道院昭道視点
「で?どういう事か、詳しく説明しろ。咒」
「俺的にはイインチョのその格好を詳しく説明して欲しいんッスけど」
そう言いながら「何それセーラー○ーン?「○にかわってお仕置きよ☆」って言ってくださいッス写メるんで」と笑いを抑えながらスマホを此方に向ける咒の頭を鷲掴んで衣装に付いてたステッキ(?)を尻にぶっ挿した俺は悪くないと思う。
「チッ、早く何があったか言え。俺達は忙しいんだ。」
「いや、お前らもお前らでなんちゅー格好してんだ。」
そう言って無言でカメラをカシャカシャさせる生徒会顧問の式部嵐の目の前には、一昔前とまではいかないが、色取り取りの眩しいプ○キュアのコスプレをした生徒会の奴らがいた。
「それにしても何だその格好は?恥ずかしくないのか?」
「いや、イインチョそれブーメラン、完全にブーメランッス」
「生徒の要望に応えるのは生徒会の役割の一つだ。」
「いや、貴方がクジ引きで一番の貧乏くじを引いたんでしょう。」
「なんですか?「俺に任せとけば問題ない」とか言って100本あるくじから5本引いたら5本貧乏くじって、おかげで僕達は○リキュアですよ。」
そう言ってスカートを全力で下ろそうとする副会長を横目に見ながら、話が進まない事に苛立つ。
それは会計も同じ気持ちだったのか、可愛らしい格好をしている事も忘れて「………で?何?」とドスの効いた声を出してくる。
「あぁ、それがよぉ、なんかややこしい事になっててな」
そう言いながら頭を掻く生徒会顧問はなんとも言えない顔で生徒会室の中にある休憩室を見る。
「…そこに」
「「誰かいるのー?」」
と休憩室を指指す双子、だが、生徒会長は何かを感じ取ったかのように目を細める。
「華宮桜と……2人?知らない女がいる。それにーーー微かな、血の匂いが。」
「俺も、気になって、いた…。」
「華宮桜と、1ーC在原奈菜子と咲良田杏だ。詳細は咒に聞いてくれ。」
それを聞いて俺は尻に挿さっているステッキ(?)を抜かず、咒を汚物を見るような目をしながら視線で訴える。
「イインチョ、尻の……とっ「自分でとれ」いや、意外と奥に刺さって「力め」…ウイッス。」
《暫くの間、お待ち下さい》
「俺もう、お婿に行けないッス。」
「なら嫁に行け。それよりもさっさと事を説明しろ。」
「はいはいはいはい、えーと、まず、第二倉庫の裏から悲鳴が聞こえたんで、俺が様子を見てきたんス。」
「おい待て」
「なんスか、セーラーイインチョ」
「お前は校舎の見回り責任者だろう?なのに何で倉庫の近くにいるんだ?」
「いやー、SFのリンリンが如何しても野外でー、って言うからつい❤︎」
殴った俺は悪くないと思う。
「ねえ、なんで風紀委員長さんSFで怒ったのー?」
「「映画嫌いなのー?」」
「いや、咒の言っているSFはセッ「彼奴は映画はファンタジーの方が好きなんだ」え?紅海…?」
馬鹿正直に話そうとする生徒会顧問と空気を読んだ紅海
こいつらと一緒にいたら話が進まんな
「えー、ゴホン。続きを話すっス。それで、倉庫に行ったらまず血溜まりが滅茶苦茶見えて、それから狼に食い殺されたみたいな死体と泣いている華宮桜とぷらす鼻水垂らしてる在原奈菜子がいてー、、そ・れ・か・ら、とりあえず落ち着かせて事情を聞こうとしたら、在原奈菜子が急にそりゃあ見事にザァッと青ざめて「杏ちゃんっ!」って言いながら倉庫に行ったんスよ。そしたら、気絶した杏ちゃんがいたって訳ッス。めでたくなーい、めでたくなーい。おしまい❤︎」
「……杏…?咲良田杏は、確かあの事件の……」
「そうっス。あの事件に巻き込まれた儚げ色気美人の杏ちゃんッス。」
咲良田杏、前の事件では加害者に危害を加えられそうになった被害者、今は新たな事件の重要参考人。
偶然にしては、あまりにも……
「偶然じゃあ無いんじゃねぇか?」
俺と同じ考えをしている事にイラついたが、あえて何も言わない。
「……あの」
俺たちが咲良田杏に疑惑の目を向けた時、そのドアの向こうから、病人のような白い肌の、…顔が良い女が覗くように此方を見ていた。
「あ、杏ちゃん…」
そう驚いたような声をあげる咒を見て、この女が咲良田杏なのだと認識する。
「咲良田、体調はどうだ?」
「式部先生…、あの、此処は?私は一体…」
「倉庫の中で倒れていたんだ。…覚えてねぇか?」
「分か、りません。覚えて、いないんです。」
「…どういう事だ?」
「分から、ないんです。倉庫に行った覚えはあるんですけど、其処からの記憶が、無くて……」
次回はお狂ちゃんかセーラーイインチョか視点を迷っています。