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体育祭準備



作者は皆様に謝らなければならない事があります。

暫くの間は、新キャラは出ないと言いながら


だ し ち ゃ た よ !!


けれど作者にとってあの子は新キャラと言うより、あ、やっぱ何でもありません。はい


……続きはWebで←

(新キャラの正体は次回明かします)





6月の体育祭は、言わば生徒への配慮だ。



体育祭は、大抵の学校・学園は10月か11月に行う。何故かと聞かれたら答えられないが、私が知っている限りではその季節だったのだ。




ならば何故、黒妖学園は6月に体育祭を行うのか。




それは、主に妖の生徒を考えての配慮なのだ。



妖の好きな季節は多種多様だが、最も好きな季節は6月だ。それは、6月は雨の多い時期、言わば梅雨だからである。



この説明では不足していると思うので、簡単にまとめてみると




光である太陽か闇とも言える曇か…



妖は何方を好むか。




その一言なのである。




ーーーーーー





「杏ちゃん。ごめんねぇぇ!!」





そう今にも泣きそうな奈菜子が、嗚咽を鳴らしながら叫ぶ。…もう泣いているか。




「いえいえ、大丈夫ですよ。だから、そんな顔しないで下さい。ほら、鼻ちー、しましょう?」




そう言いながらテイッシュを取り出すと、奈菜子は遠慮無く5、6枚取り出し、鼻をかむ。





「け、けど!」



「もう、決まった事なんですから」



「うぅ…!」





何故、こんなにも奈菜子は謝り倒しているか、それは……




黒板に書かれてある



《咲良田杏 体育祭実行委員》



の文が全ての原因である。




ーーーーーー



因みに、私は運動は得意である。いや、得意と言うのは語弊か。私は運動は出来る。

けれど、私は滅多に体育に出席しない。ほぼ見学である。それは何故か、それは私の身体のとある原因が問題なのだが、今の…その話は置いておき、…お解り頂けるだろうか?





体育に出席しない=運動出来ない





この貼紙が見事に貼られるのである。





だからこそ、体育祭実行委員は、もっと運動が出来る方がすれば良いと思うし、正直に言えば関係ない話だと思って右耳から左耳、と言った感じで、他人事のように聞いていたのだ。




だが、これは運命の悪戯か、いや、運命の集団いじめか。




体育祭実行委員に、私と同じ、運動が出来ない(本当)の奈菜子が、推薦されたのである。因みに何故そのような経緯になったのかは分からない。聞いていれば良かったと後悔したが、反省はまったくしていない。




そんな事で、奈菜子が体育祭実行委員に任命と言う名の押し付けで決まりそうだったのだが、奈菜子には正直荷が重すぎる。何より、今にも泣きそうな奈菜子をほっとけなく、私は思わず




「奈菜子の代わりに私を入れて下さい。」




と言ってしまったのだ。




ーーーーーー




そんな事があってから早2週間、体育祭はもう明日である。





主に気合が入っているのは保体委員長と保体育委員会の方々だが、其々、この体育祭を成功させたいという想いが伝わり、自然とやる気が出てくる。




だが、私は1つ驚いたことがある。それは、姉妹校とも言える、白妖学園との交流会との事で、体育祭が合併した事だ。




白妖学園は黒妖学園と制度は何も変わらないが、乙女ゲームをした私に死角はない。


白妖学園の女子生徒すべて人であり、黒妖学園の主人公である華宮桜と同じ『華女』なのである。

製作会社が同じということで、設定が同じな乙女ゲームだった筈だが、生憎、私はそのゲームをしていないので、登場人物は勿論、ストーリーすら知らない。知っているのは概要と少女漫画化した事くらいだ。




…話を戻すが、何故私が体育祭合併に驚いたのか




話は簡単、乙女ゲームにそんな場面……無かったからだ。




体育祭は確か、黒妖学園だけで行う筈だ。そして主人公である華宮桜が学園に秘密がある事を知ってしまうきっかけとなった出来事でもあった。




これで物語が狂っても、正直興味は無いが、疑問が頭をくるくる回り続ける。




「どうしたん?そんなとこでボーッとして」



「あ、はい。大丈夫で………え?」





な、んで…?貴女が此処に、いるんですか?





私の後ろに立っていたのは、艶のある黒い長髪、大きな瞳、白い肌、ふっくらした唇。仕草が妙に色っぽく、不自然の無い色気を纏っている。傾国の美女とは…この人を指すものだと分かるほど、美しい人だった。




だが、私はこの人を知っている。知ってるも何も、この人は…私の最初の心友、私が……殺したも同然の、心友。






幕末と呼ばれた時代と共に、業火と共に、死んでいった私の……






「ふ「今は、花魁や無いんよ。お業」…あ、…だったら、私も、その名前では、ありません。」



「そうなん?」



「お業は、偽りの名です。真名は………」




続きは言えなかった。

何故なら、彼女は人差し指を私の唇に当て、まるで接吻する距離まで顔を近付けていたからだ。。彼女の細い指がなければ、本当に接吻してしまいそうなくらいに…




「真名は、大切な人だけに教えとき。それに、ウチにとってアンタはお業。ウチの大切な心友。……違う?」



「そう、…そうです、ね。貴女は…私、の……どうして、此処に?」



余りにも分かりやすい誤魔化し、通用するわけでもないのに。けれども彼女は唯黙って私を見つめ、私の予想斜め右に向かう事を言った。




「問いただしたい事、違うやろ?お業…アンタは、何でウチが生きてるか、知りたいんやろ?」




その言葉に、心臓が、悲鳴をあげるように、胸を締め付ける。これなら、最初から誤魔化さずに、私が思った言葉を口にすれば良かった。私にそんな資格、ある筈ないけれど…



私の思いを知らず、いや、私の話をあえて見て見ぬ振りをした彼女は、衝撃の一言を発した。






「簡単な話や。…転生、したんよ。この平和な…違うか。この、…静かな時代に」








そう言って彼女は、昔と変わらない微笑みを、私に向けるのだ。










次回は新キャラの子の正体が明らかに‼︎

作者の別の作品を見ている方は知っていると思います。




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