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中心と元凶の対面

最近忙し過ぎて死にそうな作者さんです。

最近需要が足りてない作者さんです。

最近獣人もありかなと思ってきた作者さんです。

けどやっぱり獣っぽい化物LOVEだなと再認識した作者さんです。

化物が綺麗とかありえねぇと思う作者さんです。

化物は化物であって欲しい作者さんです。

最近ヤンデレ愛が加速している作者さんです。



「ねぇ、聞いた!?野球部主将の佐鳥純平君、自殺しようとしたんだって!!」




教室の扉を開けるやいなや、衝撃の一言を発した女子は、教室のざわめきを無視して話を進める。




「昨日の夜、屋上から飛び降り自殺しようとしたんだけど、運良く命に別状はないって!!」




それは鬼の血が混じっているからだろうなと、他人事のように考えるお狂、鬼は強靭な肉体と腕力が取り柄なのだから、屋上から飛び降りた位では死なない、死ねるはずがない。




そんな当たり前の事ですら考えられないほど、彼は追い詰められたのだろうか。




まぁ、仕方ない。噂ほど恐ろしいものはない。真実を、事実を捻じ曲げる程の力を、噂は持ち合わせているのだから。……今も昔も、変わらずに




「やっぱり本当だったんじゃない?あの噂……」



「あの事件の黒幕は佐鳥純平君って奴?やだー、信じられーない」



「けど、死のうとしてたんでしょ?だったら本当じゃない?」



「うそー」





ヒソヒソ、ひそひそ





静かな不協和音が教室を支配する。お狂も奈菜子も気持ち悪そうに視線を逸らす。




「……違う!!!」




突然の大声に吃驚したが、取り敢えず教室の前廊下から聞こえた声に顔を向けると、小振りな体に焦茶色のような茶色のような髪に、今にも泣き出しそうな丸い目、乙女ゲームの主人公、華宮桜が立っていた。




「…あたしはただ、本当の事言っただけだよ?」




華宮桜の言葉は想定内と言うようにくすくすと嗤う原因の女子。大方、登校中この廊下を通る事を知ってわざと大声で喋っていたのだろう。だが、何の為に?




「あの子、蒼蛇鱗先輩の親衛隊隊員だよ、たしか……」




小声で教えてくれながら奈菜子は、眉を寄せ不愉快そうに二人の様子を見ている。

その言葉で合点がついた。ゲームの中でも親衛隊の隊長、もしくは隊員が華宮桜を虐げる場面は多々あったのだ。その中でも生徒会長、副会長の親衛隊は過激派で、生徒会長の親衛隊は肉体的苦痛、副会長の親衛隊は精神的苦痛を与えていた。




道理でこんなにも気色悪い事をしている筈だ。多分、気に食わなかったのだろう。生徒会のお気に入りの女子生徒が…。理事長の娘という事はゲーム内では口外していなかったし。

まぁ、この場面を旦那様が見れば「愉快ユカイ、女の争いホど醜いナァ」と言いながら酒を浴びる程飲むでしょうが。




「…違うもん。純平は自殺なんかしない。…だって、純平はいつでも強くて、カッコよくて、私の…、私のヒーローなんだから!!」




そう言ってとうとう泣きながらその場でしゃがみ込んだ華宮桜に、女子は苛々している顔で言い放った。





「はぁ?生徒会の皆様に囲まれてたあんたは知らないだろうけどさ、佐鳥純平君、噂ではトンデモナイことしてる奴よ?」




そう言いながらしゃがみ込んだ華宮桜を見下している女子は、追い打ちをかける様に話を続ける。




「サッカー部が邪魔で煩わしくて鬱陶しくてしょうがなかったから、サッカー部の主将を操って、ツブしたって、噂❤︎」




その言葉に酷く驚いた顔をする華宮桜は、恐らく知らなかったのだろう。大方、生徒会の彼等が華宮桜の為に耳を塞いでいたのだろうが




ーーーそんな事しても、いつか分かってしまうのに





あぁ、ほんと





「……くだらない」





私のその一言に、教室の空気が凍った。

さっきまでのざわめきが、まるで幻だったかのように…、奈菜子は驚いたように此方を見つめる。私が、首を突っ込むとは思わなかったのだろうか。




正直私も、どうして首を突っ込んしまったのか、自分でも分からないのだ。ただ…




ーーーえぇ!?修学旅行、行けないの?!




ーーーあの娘さぁ、絶対売春してるって!!




ーーーはいはい、悲劇のヒロイン気取りですか?




ーーー安心しなよ、あんたみたいな不幸な娘、何処にでもいるから






ただの、同情だろう。






「……貴方は一体、何がしたいんですか?」



「何って、それは………」



「噂を広めて、何がしたいんですか?」



「そ、んなの、…あんたには、関係ないでしょ」



「なら、関係ない私たちに、関係ない話をしないで下さい。」



そう冷たく言葉を返したら、整った顔を歪めながら「ウザッ……」と憎々しげに言い放ち、女子は何処かに行った。




「あ、あの……」




凍った空気の中、蛮勇にも恐る恐る話し掛けてくる華宮桜




「貴方は、Aクラスでしたよね」



「え、…あ!うん…!!」



「もうすぐ朝礼が始まりますよ。」



そう言った途端「え!?うそ、やばっ!!」と華宮桜は猪のように駆けて行った。






あぁ、それにしても、くだらない






私はただ、サッカー部の主将を陥れたのだけなのに、




ーーーまさか此処まで落ちるとは








…もしかしたら、私が何もしなくてもこの学園は








次回、今回のモブ目線でいこうと思います。とにかく明るいモブ君でいこうと思います。



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