プロローグは必然に
少女は思った。
優しさだけでは世界は救えないと
少女は思った。
すべてを救えない神様なんて、神様ではないと
少女は思った。
けど、私だけを、たった私だけを救ってくれる
少女は思った。
そんな人が欲しい
少女は思った。
いっそのこと、人でなくてもいい
少女は思った。
私の、カミサマが欲しい
少女は思った。
私だけの、カミサマが欲しい
そんな少女の願いを叶えたのは、皮肉にも悪逆非道な化物であった。
ーーーーーー
燃え盛る炎の中、百姓たちはすでに事切れ、無残な姿のまま捨てられていた。
少女の事を性処理の道具にしようとした百姓たちが、だ。
そんな中、この悪夢を作り出した化物は百姓の肉を食ったまま、少女に話しかけた。
「俺と共に来るカ、それともココで死ぬカ、フタツにヒトツだ」
…それは余りにも醜い化物であった。
鬼よりも長いツノ、飛び出そうな目玉に尖った耳、足が2本なのに腕が4本、そして、圧倒的な破壊力
だが少女はそんなことどうでも良かった。少女にとって、大事なことはただ一つだった。
「貴方は……、私のカミサマになってくれる?」
これは、少女と化物の馴れ初め
この悲劇で喜劇な物語の序章である。