第5話 荒野の道は波乱が一杯!!〜1〜
よし、俺偉い。
しっかり守っただから大丈夫!!
ということでお楽しみください。
村人と皆さんと別れた僕たちは、荒野の道を進んでいた。
不思議なことに村の様子は、現代の日本と変わらなかったが村を出たとたんに荒野が広がっている。
ナムスってやっぱり謎だ。
話は変わって、次の目的地はここから三十キロのところにある村だ。時間的に言うと夕暮れには間に合うだろう。…………おそらくは。
そう思いながら、心さんの方を見る。
「拓斗くん、今私のせいで遅くなるとか思いませんでしたか?」
ギクリ。
「い、いや〜そんなわけないじゃないか〜」
「そんなに、おちゃらけた人でもありませんから、正解ですね。酷いです。(グスッ)」
「すいませんでした」
慌て土下座をする僕。
荒野で土下座はあんまりだね。
しかしながら、正直なところその通りなのだ。
本来の予定なら、既に五キロ位歩いているはずなのだがあくまでも僕が一人で歩いていたらの話だった。
実際のところはというと、まだ二キロにもいっていない…………。
その原因が心さんであることは言うまでもない。
先程気付いたのだが、どうやら心さんは運動をあまりしない方で散歩でも最大五百メートルしか歩かないらしい。
その影響で、五百メートル歩いては十分休んで、歩いては休むの繰り返し。
最初は可愛らしいと思っていたけど、今になるとかなり大変だ。
それにまずいぞ。あと少ししたら……………………
「ごめんなさい。私が足手まといですよね(うぅっ)」
あ、やばっ。完全に涙目だ。
「い、いやそういう意味で言ったんじゃないよ」
「(うぅ)本当ですか?」
「そうだよ。例え遅くても一歩ずつ歩みが進んでるから」
一瞬、空気が凍りついた音がした気がする。
なんで!? なんか、まずかった?
「やっぱり(ぐず)足手まといですよね(ぐず)」
「え!? そんなこと言ってないよ!」
「言葉に気づかないなんて(すん)酷いです」
なんでなんで!? 僕、そんな悪いこと言った?
心さんの頬をとうとう涙が一通りした。
慌てて、落ち着かせようとするもどのような言葉をかければいいのか分からず、出すことができない。
「よし、こうなったら仕方ない」
「(グスッ)こうなったのも、拓斗くんがきゃ」
心さんの反論の途中で僕はお姫様だっこをした。
服装がスカートだから、見えないように一緒に押さえる配慮も忘れない。
「クウガ! お前は僕の鞄の中に!」
僕が告げると「しょうがないな」という感じでしぶしぶと鞄の中に入る。
「な、なにをするのですか拓斗くん!」
「ごめん! 心さん。少しの間我慢してて」
心さんの了承は聞かずに構わず走り出す。
「ヤバい、あと五分しかない」
「なにがですか? 何が大変なんですか? 教えてください!」
昼時にここにいるのだけはまずいのだ。
なぜならば………………「げ!? 予定より早いぞ!」
次回もお楽しみに!!!
ただし、連休は休ませていただきます。