40 終話
「やはり俺も行こう。」
部下に先に穴を掘るように命じた。
そして、部下が止めるが、自らキナリの体を抱える。
抱き上げる前、キナリの目を見た。緑だった目はその力を失い、白く濁った瞳があった。
キナリ―――クレオール=トルキア。玉座につきたくてもつけなかった人。愛する人まで失って、どんなに傷ついたことか。
痛みは結局当人にしかわからないことだが、ユピテルは自分のことのように胸が痛んだ。
兵の掘った穴にキナリの体を横たえ、ユピテルはふと思った。
約束しよう、この目をもってして俺はルキアの玉座につこう。
自然に涙がこぼれた。前よりも一層クナが恋しいのは、この目のせいだろうか。
キナリを埋葬して振り返ると、心配そうに覗くクナがいた。
その肩に手を回してユピテルは皆に聞こえるように言った。
「さあ、皆のもの、戻るぞ!今までばらばらだった三国が一つになるのは容易いことではない!だが、それを乗り越えてこそルキアの者だ!王位につくにあたって・・・私は誰も、一人として見捨てるような王にはならぬと約束したい。」
少し傾いた太陽のもと、人々の歓声があがった。
この後クナはダルキア王妃となり、ファリアと改名する。それから三年して、ジランの死と共に、ルキアは緑の瞳の王のもと、再び統一された。
その後砂漠では増えすぎたジゴクサナギの数が安定し、なんとか平穏を保つことができた。争いで荒廃したトルキアの地にも緑が生い茂っている。
人々はユピテルとファリアの二人をルキア再興の祖とし、ルキア王国はますます発展していくが、それはまた別の話である。




