表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
砂漠の月  作者: 沖津 奏
40/41

40 終話

「やはり俺も行こう。」

 部下に先に穴を掘るように命じた。

 そして、部下が止めるが、自らキナリの体を抱える。

 抱き上げる前、キナリの目を見た。緑だった目はその力を失い、白く濁った瞳があった。

 キナリ―――クレオール=トルキア。玉座につきたくてもつけなかった人。愛する人まで失って、どんなに傷ついたことか。

 痛みは結局当人にしかわからないことだが、ユピテルは自分のことのように胸が痛んだ。


 兵の掘った穴にキナリの体を横たえ、ユピテルはふと思った。

 約束しよう、この目をもってして俺はルキアの玉座につこう。


 自然に涙がこぼれた。前よりも一層クナが恋しいのは、この目のせいだろうか。

 キナリを埋葬して振り返ると、心配そうに覗くクナがいた。

 その肩に手を回してユピテルは皆に聞こえるように言った。

「さあ、皆のもの、戻るぞ!今までばらばらだった三国が一つになるのは容易いことではない!だが、それを乗り越えてこそルキアの者だ!王位につくにあたって・・・私は誰も、一人として見捨てるような王にはならぬと約束したい。」

 少し傾いた太陽のもと、人々の歓声があがった。








 この後クナはダルキア王妃となり、ファリアと改名する。それから三年して、ジランの死と共に、ルキアは緑の瞳の王のもと、再び統一された。

 その後砂漠では増えすぎたジゴクサナギの数が安定し、なんとか平穏を保つことができた。争いで荒廃したトルキアの地にも緑が生い茂っている。

 人々はユピテルとファリアの二人をルキア再興の祖とし、ルキア王国はますます発展していくが、それはまた別の話である。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ