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砂漠の月  作者: 沖津 奏
39/41

39 新王 ユピテル

 クナは押し黙った。

 しかし、それに助け船を出すようにジラルガンが口を開いた。

「姫様、私からもジラン様に申しておきます。どうかテジン様も深くはお考えなさいますな。」



 ダカン国王ハクドや、ダルキアの援軍として駆けつけてきたガリシクとはその場で別れ、ハルキア軍とダルキア軍はトルキアから撤退することになった。トルキア兵はハルジーの遺言に忠実に、テジンを新たな王として迎え、テジン達を元の国境まで見送ると申し出た。



「テジン様、国に帰ってから正式な即位式となりますが、何とお呼びすればよろしいでしょうか?」

 ナルーがテジンに言った。

 ルキアでは王は代々即位の際、それまでの王子時代の呼称を改めるのが習わしとなっている。ダルキアもそれを引き継ぎ、トルキアとハルキアも今はそれに習っている。

 まだそんな心づもりも出来ていなかったのだろう、テジンは暫く戸惑ったような素振りを見せた。そして、ゆっくりと口を開いた。

「では・・・ユピテル、と。俺は、全ての者の平安を願う。」

 兵達がざわついた。

「ユピテル様・・・。」

 ユピテルは古代ルキアの言葉で、平和や調和、安息を意味する。

 ナルーが誇らしげな顔をしている。


 黒雲は晴れて、いつの間にか陽が差している。テジン、いやユピテルは帰り支度をするよう命じた。

 そこへ、トルキア兵がやってきた。

「ユピテル様・・・。」

「どうした。」

「キナリ様のお体、いかがいたしましょう。」

 気まずそうに言う。なにしろ、さっきまでは自分の上官だったのだ。

「丁重に葬ってやれ。」

 ありがとうございます、と一礼して兵は下がろうとした。しかし、ユピテルがそれを呼び止めた。


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