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砂漠の月  作者: 沖津 奏
37/41

37 緑の瞳

 テジンはクナから小皿を受け取り、一気にあおった。


「うあああああああっ!」


 叫び声と共にテジンが目を押さえた。

「テジン様、落ち着いてください!深呼吸して、そう、ゆっくり・・・。」

 テジンは荒い呼吸を落ち着かせようと努力し、大丈夫です、と繰り返した。ほっと息を整え、顔をあげた。皆が驚いた。

「テジン様・・・目が!」

「ああ、なんだか以前よりよく見える気がする。」

「いえ、目が、緑です!」

 テジンの瞳はキナリのような緑だった。


 ため息ついた人々は、今度はよく帰ってこれたものだ、と話し合った。

「ああ・・・不思議なものだった。城が崩れて石の下敷きになって死んだはずなのだが・・・。体が単に軽くなったような感じだった。しばらくそこにいるよりなにもすることがなかったのだ。すると、父上がいらっしゃったのだ。お前はここに来てはいけない、今すぐ帰れとおっしゃるのだ。でも、帰れと言われてもどうしようもないのでそこにいると、ザード殿の声が聞こえて、吸い寄せられるような感じでもとに戻っていたのだ。あの時の父上はなんだか蜃気楼のようであった。」

 テジンは改めてザードに礼を述べた。


「よかった・・・。」

 クナがテジンの手をとる。テジンは安心させるように微笑んだ。

 その時、影の森の方から馬の蹄の音がした。全員が体を固くする。蹄の音はだんだんと近づいてくる。


 ばっと飛び出してきたのは、ダルキアの伝令だった。三騎いる。

「何事だ!」

 ナルーが尋ねる。三騎はなんとか息を整えようとしている。

「テジン様・・・一大事でございます!」

 一人がはあはあと荒い呼吸をしながら言う。

「何だ、申せ。」

「はっ。」

 三人は跪いた。


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