23 策略
「一気に攻め落とせ!」
テジンの声に、ダルキア軍はますます勢いづいた。地面の骨は砂と化し、もうもうと埃が舞う。
トルキア軍の最初の騎兵が林を抜けた。あと少しで林が終わる。こんな弱い兵、さっさと勝ってしまおう。
「なぜだ・・・!」
司令官が愕然とした。
骨の林を抜けると、キナリ様が直々に軍を率いてダルキア軍を迎え撃つ。そう聞いていた。だが、人の気配などない。まさか。だが、林の安全な出口は限られている。場所を間違えるなんて筈はない。
バチッと嫌な音が耳元でした。青ざめて振り返る。杖を構えたダルキア軍が疾走するスナアシに跨がっている。隣で兵がスナアシから落ちた。動かない。
「ナーロク様!このままでは全滅です!」
部下が怒鳴る。
そんなことわかっている!だが、どうすればいい?キナリ様の作戦と話が違う。骨の林を抜けたら、部隊がいると言っていたのに・・・。
「はめられたのか・・・!!」
最初から捨て駒だったのか!こんな弱い兵を与えておいて、忠臣であるこの私を、キナリ様は裏切ったというのか!
絶望の中の叫び声と共に、その司令官も地に伏した。
「いやあ、楽勝でしたね、テジン様。」
兵達に笑顔が見える。トルキアに勝てるのかという不安が少しは解消されたようだ。
「ああ。少し時間がかかるが、このままトルキア王城に行く。無駄な争いは避けるからな。街で略奪なんか働くんじゃないぞ。」
そう言って再び軍を進める。
恐ろしい奴だ、キナリという男。味方をも欺き、そうまでして何を求める?
足下には倒れたトルキア兵。毎年少しずつ骨の林は広がるという。いつかここも林の一部になるのか。
あと二つの山を越えればトルキア王城が見える。ジラルガンは上手くやっただろうか。




