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44話目

一応最後です(@_@)

「・・・終わったか」

「・・・ああ、早くこの結界解けよ」

「あ!ご・・・ごめんなさい」

私が力を解くと同時に4人の力の均衡は破れ、結界もその効力をなくした。結界が解けると、リューキはぐったりとその場に倒れ込んだ。あまりにも突然で、途切れた人形のような体を私は必死に抱きしめた。力強く、しっかりと。リューキからは、確かに温かみと、確かに心臓の鼓動と息遣いが聞こえてくる。私は、勝手ながら、安堵した。リューキを抱きしめると私は安堵する。多分、もうリューキを抱きしめることがあっても、この感情は芽生えないだろう。だから、私はこの時を永遠に自分の中で忘れないようにいろいろなものを体に刻み込む。

「痛いよ、マリ・ア」

リューキは気が付いていた。私もそれに気が付いていた。でも、私はやめなかった。私は今、こんなにも人間よりも我が儘だ。ちっぽけすぎるほど、我が儘だ。

「・・・そう。でも、もうしばらくこうさせて」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「もう・・・しばらく・・・な」

「・・・うん」

人間の感情の、最後の涙が流れていく。それをリューキに知ってほしい。見てほしい。感じて、ほしい・・・。リューキは力なく私の中で目を瞑っていた。見てくれているよね?

ああ。

私は出していた2つの影を体内に戻すと、満身創痍ながら困ったものだとため息を吐いた。今なら、この2人を殺すのは簡単だ。でもしない。なぜかって?疲れたんだよ、この私だって。今は、とにかく余計なことを考えるのはやめよう。朝日は、いつの間にかあんな高くまで昇っていて、そうか、あれは昼日か?こんないい日を、台無しにすることはない。

「帰ろう」

「・・・うん。でも、歩ける?」

「なんとかね。多分」

その後、3人は街に帰った。街には、もう悪魔はいなくなっていた。被害も灯台が壊れただけで、意外とそんなには被害がなかった。マリ・アの家は倒壊していたが、マリ・アの両親とヒツジは街の中心にある公園にいた。マリ・アとの再会を信じて待っていたようだ。少しだけ様子の変わったマリ・アだが両親はわが子をしっかりと抱きしめた。マリ・アは・・・そういえばまだ12歳の子供だった。すっかり忘れていた。

「私は・・・この街に残る」

「・・・そうか」

「ついてこられても困りますが」

俺がギロリとノウンの顔を睨み付ける。ノウンは目を背けるも悪びれる様子もない。

「・・・私は、この街を守るわ。あなたが守ってくれたんだもの。私も、守らないといけない」

「・・・そうだな」

「・・・今度会う時は、きっと戦うことになると思う」

「・・・レイスが蘇れば、でしょう」

今度はマリ・アに睨まれるも、ノウンの様子は相変わらずだ。

「・・・レイスも悪魔の王も、当然ノウンも俺が殺すがな。その後で、もし生きていたら・・・マリ・アは、絶対に殺しはしない。例え本当に敵になっても・・・」

「・・・ええ。生きていたら、私たちはきっと・・・」

「死にますよ」

うるさいと俺とマリ・アの拳と蹴りが、ノウンの体にのめり込む。ぐお。と言葉を漏らすとノウンはしばらく黙りこんだ。

「じゃあ・・・リューキ。またね」

「・・・ああ」

「あなたの目的が達成されることを祈っているわ。・・・達成されればどうなるかも分かってはいるけど」

「ありがとう。祈ってくれよ」

マリ・アと別れて魚の街を後にする。道中でそおおおと、ノウンが俺の心臓を掴んでみた。殺す気はないようだ。確かめておきたいことがあったのだろう。俺は一瞬、苦痛の表情を見せるも、次の瞬間にはその場から消えていてノウンの後ろに立っていた。左腕を首に巻き付け、短剣を背中に押し付ける。

「何をするんだよ、突然。今さら、また戦いたいのか?」

首を抑え込まれ、絶望的な状況のくせに、ノウンには余裕がうかがえる。ノウンには当然わかっていた。俺が今取っている行動は、攻撃されたから起こした・・・いわゆる防衛本能に過ぎない。今の俺にノウンを殺す気などない。

俺の左腕と腹と脚に受けたレイスの魂に直接下した攻撃は、すでに治っている。魂だけの攻撃も、目に見えなくて脅威と言えば脅威なのだが、その分治りが早い。まあ、そんなことを確かめようとしたのではない。

「魂の一部を、どうやら受け取っているようですね」

「・・・マリ・アのか?・・・ったく。余計なことをこっそりと・・・」

「・・・本当に」

俺は乱暴にノウンを投げ飛ばす。ノウンは転ぶことなく、すっと歩き出した。

「神々の肉体を持った人間たちが、やはり、すでに生まれ始めているどころではなく、成長し始めている。目的の魂はすぐにみつかりますかな?」

ノウンが嫌味ったらしくしゃべっている。無視しようかとも思ったが、どうせ長い道中だ。今さら無視することもない。

「わからないから旅をするんだろ」

「そうですか」

俺がニヤニヤしていると、ノウンがその様子を疑問に思っている。俺がその答えを教えてやった。

「・・・おまえさ。本当はヘタレすぎだろ」

「ギク!!ななななな」

「いい、いい。別に問題ねえよ。てか、知ってたし」

ノウンは顔を真っ赤にさせるも、俺を笑かしているだけにしか見えない。俺は更に笑顔を浮かべて言ってやった。

「まあまあ。お前を殺すことには変わりないから」


読んでくれた方、ありがとうございます

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