1話
はじまり始まり
俺の名は、リューキ。姓は忘れてしまった。見た目は18歳。しかし、その実、1000年もの時代を生きている。完璧に呪われてしまっていた。
でも、呪いを解く方法も分かっていたし、それによりどうなるかも分かっていた。解呪は術士を殺すだけ。逆に言えばそれ以外にはない。殺した結果はどうなるか?答えは簡単・・・そう、単に死ぬだけ。それ以外にはない。
術士を殺して自分も死ぬ。俺はそのために生きている。俺は、そのために戦っている。その術士と一緒に。殺す相手と間抜けにも共に行動し、隙を見ては何度も殺そうとした。何度も何度も幾度も幾度も。その都度、俺の企みは失敗している・・・だからまだ生きているのだ。俺たちの関係は、不死身の術士と不死身の奴隷。そんな関係だ。
俺に呪いをかけた者。その者に名はない。あるのだろうけど、誰からも呼ばれることがなかった。俺は元々知らない。知りたくもないし、知っていた者は全員殺された。・・・それは正確な表現ではない。正確には全員殺したのだ。
一緒に居る男、それでも神だった男だ。神と呼ばれていた男。この男の名を知っていたのも当然、神だ。この男はその神々の力を奪い取るために狡猾にも悪魔をも騙した。だから悪魔もこの世にはいない。世界は平和だ。
と、そんなに良い方向には進まなかった。神々は世界各地に存在していたし、人間と悪魔の動きを見張ってもいた。何度も言うが、その神々はもういないのだ。一緒に悪魔もいなくなった。ただし、一部だけ。一部の悪魔は結局生き延びた。なぜなら悪魔を根絶やしにすることには興味がなかったからだ。
神々は神という名の元、勝手な正義で統一していた。それはそれなりに偏ってはいたが平和だった。その偏った平和ももうない。
それが1000年前の話。




