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桜咲く前に

作者: じゅりぁ

話が強引に進み過ぎな上にかなりの乱文ですが、ご了承くださいm(_ _)m

桜が咲く前に、

あたし達は出会った。

まぁ、出会ったと言っても、一方的なもの。

あなたは、覚えていないだろうから…。

二年前に、この高校に入学してきたあたしと、

偶然、入試の試験監督だった松岡。

松岡は、体育教師。

しかも…妻子持ち。

それでも、

あたしは体育の時間が

待ち遠しかった。

そう、

一目惚れだった…。

外面に惚れたあたしは、授業などで接するようになると、内面にも惹かれていった。同じクラスの男になど

目もいかない。

興味がない。

『大人の男』に

恋しているのだから。

高校生活も

一年が過ぎた…。

二年になって、

あたしは体育委員になった。

もちろん、松岡が体育の先生だから…。

そんなあたしの、

分かりやすい行動にクラスメイトはもちろん、

松岡自身も気付いていたに違いない。

いや…気付いていた。

しかし、あくまで

教師と生徒。

何もないまま、高校生活は過ぎてゆく…。

秋も終わりに近づいたある日…

松岡と体育教官室で話していると、

突然松岡が

吉川(あたし)は、彼氏とかいないのか?』

と言い出した。

そんな事、聞かれるとは思わなかった…。

あたしが誰を想っているのか、松岡は知ってるはずなのに…。

たまらずあたしは

『知ってるくせに…』と呟いた。

その言葉に松岡は

『ごめん…』と

言った。

何の『ごめん』なのだろうか…

あたしは急に

胸が苦しくなった。

所詮は、教師と生徒なのだ…と、思い知った気がした。

気がつくと、目の前が

にじんでいた。

熱いものがこみ上げて

溢れ出したのだ。

松岡が慌てているのが分かった。

でも止まらなかった。

松岡は、あたしを抱きしめた。

『優しいね…』

あたしは笑った。

『ごめん…』

松岡はまた謝った。

あたしは、松岡から離れると、

体育教官室を出た。

そのあと、何回か体育を休んだ…。

松岡に会ったら、

泣いてしまう気がしたから…。

今日も体育を休んだ。

保健室の先生は、

出張らしい…。

あたしはベッドの中で携帯をいじっていた。

その時、保健室のドアが開いた。

入ってきたのは…

松岡だった。

『オイ、サボり魔め』

そう言って、カーテンを開けた。

あたしが黙っていると

『具合悪いの?』と

聞いてきた。

松岡の優しい顔を見て、泣きそうになったあたしは、

眉間に少し皺を寄せて

『胸が苦しい…』と

言った。

『松岡の事を想うと、すごく胸が苦しくなる…』もう…我慢が出来なかった。

強引に松岡に口唇を寄せた。

すぐに離して、うつ向いたあたしを、松岡はまた抱きしめた。

そしてもう一度

口唇を重ねた…。

今度は、長く…。

それからあたし達は

学校以外でも

会うようになった。

冬の始まりが訪れ

あたし達の関係は、より親密になっていた。あたしは、少し

生理が遅れている事に

気が付いた。

まぁ、今までにもあったし大丈夫だろう…

そのくらいの気持ちだった。

しかし、いくら待っても来ない…。

もしかして…と思い

検査薬を使った。

予感は的中した…。

唯一、松岡との事を知っている親友・美里に付き添われ、産婦人科へ行った。

頭の中は、真っ白だった…。

ただ、早く行かなきゃ…そう思った。

『オメデタですね。』

少し年配の優しげな女医は、そう言った。

診察室から出てきたあたしに、美里は

『早く松岡に知らせなきゃ…』と言った。

『ちょっと待って…』

あたしは、迷っていた。産めない事は、分かっている。

でも…松岡には言いたくなかった。

あたしの大好きな、優しい松岡の笑顔が、凍ってしまうのが怖かった。

困った顔をされるのが

面倒だと思われるのが

怖かった…。

美里は

『でも…』と言いかけたが、

それきり何も言わなかった。

あたしは普通に学校へ行き、普通に授業へ出た。何もなかったように、

松岡と接したかった。

移動教室へ向かう時、

階段で人とぶつかった。『あっ!』と言う間もなく、あたしは階段から転げ落ちた…

下腹部に、鈍い痛みを感じ、意識が遠のいた…

…―白い天井

目を覚ますと、

あの女医さんと美里と

そして松岡が

立っていた。

バレたんだ…そう思って起き上がろうとした時

『━━…』

下腹部が、恐ろしく痛んだ。

あたしはハッとして

『先生っ……』と、

女医さんを見ると

黙ってうつむき、首を振った。

『嘘…』

信じられなかったあたしは、美里の方を見たが

うつむいた美里の目の周りは赤く腫れていた。

『手を尽したんだけど…』女医さんが言った。

あたしは泣いた。

頭が空っぽになる程泣いた。

そんな、あたしの手を握り、松岡は

『妻とは別れる…』

と言った。

あたしは、何も考えることが出来ず、ただボーッとしていた。

何日か経ち、退院したあたしの元に

一本の電話がかかってきた。

松岡の奥さんからだった…。

『今から会えませんか?』奥さんは、消えそうな声でそう言った。

『はい…』

駅の近くにある、カフェで会うことになった。

謝らなきゃ…

初めて会う、松岡の奥さん。

あたしは、恐怖や罪悪感の入り混じった

複雑な気持ちでカフェへと向かった。

中に入ると、

席に座っていたのは

スラッとした、色白の美人…。そして、小さな男の子。

店内には、他の客もいたがその男の子をみて、この人だ…と確信した。

席に座ると

しばらくの間、沈黙…

そして奥さんが口を開いた…

『あの人を、愛しているんですか…?』

どう責められるのかと思っていたので

少し拍子抜けた…。

『あの人は本当にあなたを愛しています…。だから、あなたが本当に愛しているのなら…』

奥さんがそう続けた時

松岡がカフェに入ってきた。

奥さんも驚いているのを見ると、呼んだ訳ではないようだ…。

男の子が、

『パパ〜』と

駆け寄った。

あたしは、胸が苦しくなった…。

松岡は…、この子の父親で、この人の旦那…。

あたしは忘れかけていた…所詮、教師と生徒だということを…。

『菜緒子には悪いが…俺は吉川と…』

そう言いかけた松岡に

あたしは

『あ〜あ。』

と言って、

『結構、楽しめたよ。先生♪』と笑った。

松岡と奥さんは、黙ってあたしを見ている。

『本気で愛してる訳がないじゃん。遊びだよ、遊び!!』

そう言って、立ち

『でも、もう飽きちゃった。ゲームオーバー』

と続けた。

『吉川…』

松岡の声に、

くるりと背を向けて

『バイバイ、先生』

と言った。

鼓動が速くなるのが自分でもよく分かった。

そのまま、店を出て

あたしは美里の家に向かった。

美里の顔を見た途端

我慢していた感情が爆発した…。

次から次に

涙が溢れた。

あたしは、声をあげて泣いた…。

『本気だった…』

そう呟くと、美里は

何度も頷いて

あたしを抱きしめた。

『分かってるよ…』

そう聞こえた。

外では、チラチラと

粉雪が舞い始めた。

『お互い、この粉雪みたく真っ白なままで出会えたらよかったのに…

何もかも、白く染まってしまえばよかったのに…』

長い冬が始まった…。

冬が終れば、またやってくる…。

あたし達が出会った季節が…。

桜が咲く前に、あなたと出会い、そしてあたしは恋をした…。


実は…完全にノンフィクションな訳ではないんですよね…。まぁ、8〜9割はフィクションですが…(>_<;)自身、こんな切ない恋をしたとかしてないとか…(苦笑)

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― 新着の感想 ―
[一言] 私、今こういう恋愛してるんです!!!数学の先生なんですけどね。だからネットで探していて見つけて読みました。この話私からすればだいぶうらやましいですよ〜私も大好きな先生と付き合いたいよぉ〜楽し…
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