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シャッフルワールド!! 番外編集  作者: 夙多史
【時系列】第一巻~第二巻
1/18

めいどさんのいちにちっ! 朝

 AM4:00

 白峰家にマスターと共に居候安定中のメイドさん――レランジェの朝はここから始まる。


 空はまだ淡黒いですが、清々しい空気が満ち始めています。レランジェは魔工機械人形の中でも特異な存在安定ですので、人間と同じようにその空気を肌で感じることができるのです。

 なんですか? 魔工機械人形とはなにか、ですか? これだから無知無能な人間は不安定なのです。仕方ありません。レランジェは親切者安定です。これは異界技術研究開発部に提出するレポートですが、そのことも少し触れておきましょう。

 マスターとレランジェは元々暮らしていた世界が……いえ、やはり面倒ですね。本編を読め安定です。

 レランジェは今、外出しています。早朝の気温は人間にとって少々肌寒いようですが、魔工機械のレランジェは大したことありません。

 なぜ外にいるのか? それは新聞配達なる『あるばいと』のためです。

「おっ! 今日も早いねぇ。そいじゃ、いつも通り頼むよ」

「了解です」

 新聞屋にいた髭面の男(笑顔が気持悪いです)から大量の紙束を預かり、それを担当している地区の家々に投下することがこの『あるばいと』の仕事です。

 乗り物を使用して配達をする人間もいますが、レランジェには不要安定です。自らの足で風を切って疾走し、短時間で全ての新聞を配り終えることくらいわけありません。楽な仕事です。

 どうでもいいことですが、最近この地区に『メイド服を着たマネキン人形が車のようなスピードで早朝の路上を奔走している』という噂が広がっています。マネキン人形……魔工機械人形の仲間かもしれません。一度お会いしてみたいものですね。



 AM6:00

 レランジェは白峰家の厨房に立っていた。


 レランジェは誘波様から定期的に頂いている『クッキングシーカー』という魔導書を片手に、この世界の料理について研究しています。

「不安定です。ガンボウの干物が添えられていません。これで朝食安定なのでしょうか?」

 と言ったところで、この世界がイヴリアではないことくらいレランジェにもわかっています。食材がまるで違うので最初は不安定でしたが、異界技術研究開発部によりインプットして頂いたこの国の言語に『郷に入っては郷に従え』という言葉があります。こちらの世界での料理を早急に習得しなければ、レランジェはマスターの侍女失格です。

「マスターにもゴミ虫様にも誉めていただきましたが、まだまだ不安定です」

 誘波様は魔導書のレシピ通りに作成できればゴミ虫様はイチコロ安定だと仰っておりました。しかしゴミ虫様は未だに死亡しておりません。修行が足りない証拠安定です。

 本日の朝食のメニューは、ベーコン入りスクランブルエッグにオニオンスープ、スパゲティサラダとトーストなるものです。完璧だと思いたいところですが、レランジェは魔工機械ですので味見は不可能。ここはいつも通り、マスターのお口に入る前にゴミ虫様で毒味安定ですね。



 AM7:00

 白峰家に住む他の二人の起床時間。


 ゴミ虫様家にある最も大きなベッドで金髪の少女が眠っております。この方がレランジェのマスター――リーゼロッテ・ヴァレファール様です。

「マスター、朝安定です。起きてください」

「んん~、もうちょっと……」

「了解です。では先にゴミ虫様をお起こししてきます」

「すぴー」

 マスターの寝顔は愛らしさ満点安定です。マスターの睡眠はレランジェにも妨害する権利はありません。

 ということで、レランジェは二階の部屋から一階のリビングに向かいます。そこには毛布を被ってソファーに横になっている惨めな少年――白峰rゲフンゲフン、ゴミ虫様がいました。レランジェはマスターの時と同じように優しく話かけます。

「ゴミ虫様、朝安定です。死んでください」

「――ってどだぁあッ!? ま、またかてめえはっ!?」

「チッ。臓器の一つでも破壊したかったのですが、残念です」

「その舌打ちと恐い台詞をやめれ! あとそこの長ドスはどこのヤクザ屋さんから盗んできたんだ!」

「魔工機械安定です」

「今関係ないよねっ!?」

 ゴミ虫様は今日も元気に起床。しかし段々とレランジェの気配に対して鋭敏になっているところがいただけませんね。



 AM9:00

 異界技術研究開発部内にレランジェはいた。


「ふむ、ロケットパンチに通話機能か」

「彼女ならまだまだ新機能を搭載できるぞ」

「次はどうする?」

「やはり空を飛べるようにしてはどうでしょう?」

「いやいやここは音速移動を」

「投影機能もありかと」

「目からビーム」

「おっぱいミサイル」

「「「それだっ!!」」」

「君たち、あまり下品なのはやめたまえ」

「班長はオトコノロマンをわかってませんね」

「「「いやまったく」」」

 馬鹿ども安定です。

 失礼、白衣を纏った研究者どもがレランジェの機能拡張について検討しています。全員馬鹿面安定ですが、彼らが行う改造は今のところとても便利なものばかりです。よりマスターのお役に立つためにも、彼らは生かしておくべきでしょう。彼らは頻繁に消し炭安定にしたい視線を向けてきますが、レランジェは殴るだけで我慢できる子なのです。

「……」

 数時間に渡る円卓会議が行われる中、レランジェは特にやることもありません。今日はレランジェの改造を行わないようです。ただ無言で突っ立っているだけで安定でした。


 一人称で書くか三人称で書くか激しく迷った結果、こうなりました。

 やはりレランジェ視点にするとあんまり面白くない気がします……。

(レージがいないとギャグが冴えないorz)

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