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2話 魔法

「行くってどうやって? あ・・・」

一瞬世界が真っ暗になったと思ったら、次の瞬間俺は何処かの森の中に居た

「案外すぐなんだな・・・」

周りを見渡していると右側の地面が光った

「到着ぅ~! おや? あなたがミズノタクトさん?」

じっと見ていると、そこから背中に蝶の様な羽がある小人が出てきた

「そうです、あなたが護衛さんですね、これからよろしくお願いします。え~と」

「ああ私の名前はフェリよ、よろしく~」

「フェリさんですね、よろしくお願いします」

「ん~ もっとそんな硬くなくて良いよ、私のことはフェリって呼んでね」

初対面の相手に溜め口もどうかと思ったが本人が良いといっているので良いのだろう

「わかったよフェリ、じゃあ俺のことも拓斗って呼んでくれ」

タクトねオッケーなどと軽い返事が返ってきた


挨拶もそこそこにフェリが

「ところでこれからどうするの?」

「神様から何か言われてないの?」

「いや~ 神様からは本人のやりたい様ににさせてって言われてるから。私は案内と護衛をしろって言われてるけど、私天国出たの初めてだから案内はあまり約に立たないかもそのかわり護衛は一生懸命やるからね!」

「人選ミスじゃ・・・あ、いやなんでもないよ」

物凄く睨まれた。結局決めるのは自分で、フェリは俺について来るだけなようだ

「とりあえずこの森を出ようか」

「さんせー」



運良く少し歩くと道を見つたのでそれにそって行くことにした

その間フェリがこの世界の事を色々説明してくれた

「この世界の情勢は、ノルド王国・ロドック連合国・ベルカ帝国の3つの国がこの世界の列強3国で他の国は列強国のどこかと同盟を結んで3つの勢力に分かれてるわ。3つの勢力の力はほぼ同じでここ十数年は大きな戦いは無くて小競り合いがあちこちで起きてるってとこね」

「へ~じゃあこの世界の町は全部その3つの勢力のどれかに属してるってこと? 小競り合いでも巻き込まれたら大変だ」

「いくつかの街が完全中立を宣言してるらしいわ、全国から商人が集まって来て一般に貿易都市と呼ばれてるわね、その貿易都市のどこかに行けば小競り合いに巻き込まれるって事は無いんじゃないかしら?」

「じゃあ当分の目的は貿易都市に行こうか、お金持ってないよね? 働く所あるかな~?」 

「大丈夫よ、いざとなったら、金持の財布をちょっと拝借すればいいじゃない」

神様の部下が盗み宣言しちゃったよ・・・

「いやいや、そういう事しないために働くんだよ」

「当たり前じゃない、けどホントに困ったら仕方ないわよね?」

「まぁ背に腹は変えられないね」

そう言うとフェリは笑顔でウンウンと頷く



「ところで魔法ってどうやって使うんだ?」

「えっ? 神様から聞いてないの?」

「魔法があるってのは聞いたけど使い方は教えてくれなかった、やっぱり呪文とかがあるの?」

「呪文とかは無いわね、この世界で魔法って言うと、攻撃魔法と回復魔法があって、攻撃魔法は火・水・地・雷・風の5つの属性――――」

つまり5つ属性は人によって相性があり普通その相性がいい属性を使っているらしい。それと魔法には熟練度というものがあり相性のいい魔法を繰り返し使うことによって自然とあがるみたいだ

魔法の威力や使い勝手は、魔力と熟練度の高い低いによって決まるらしい。

「でね、どう使うかだけど、簡単よ? 体の中の魔力を使う分だけ集めて、同時進行で頭の中でその魔力が何属性でどうこうこうなって欲しいってのをイメージするだけでオッケーよ。魔力を集めるのに時間がかかるけどそれも魔力と熟練度によって短縮できるわ、天才と呼ばれてる人とかは集める時間が10秒位で魔力を集めてるわね、ちなみに私は火属性で17秒位で発動できるわ」

どうだ凄いだろと言わんばかりの顔でこちらを見てくる。

俺は熟練度は無いけど魔力は神様が魔力だけは大量にくれたけど、その場合はどうなるのかな?



などと思いながら歩いていると、先の方から激しい声が聞こえてきた

「くそっ! もう少しで街に着くってのについてねぇな、サクヤ下がってなさい」

「ハッ! おっさん一人で何が出来るってんだ、野郎ども一気に畳み掛けるぞ!!」


なにやらただ事ではないな

「なんだか私の出番のようね!」

と言って声のした方へものすごい速さで飛んでいってしまった


そこでは質素な馬車と体格の良いおじさんと俺と同い年位の少女を、いかにも盗賊ですって人相の人たち7人が取り囲んでいた

「うわなんだこのちっこいの!?」

「妖精っすよアニキ、知らないんすか? 魔法を使う魔物ですよ」

「うるせー! 妖精だろうが魔物だろうが関係無ぇ殺っちまえ!」

「ちょっと! 魔物なんかと一緒にしないでよね・・・・・・・よし、いっけえええ!!」

やっと見えたと思ったらフェリの小さな体と同じくらいの大きさの火の玉が出現し、フェリの近くに居た盗賊3人を吹き飛ばした


「ふふ~ん♪ 普通の妖精と違ってこっちは何年も天国で修行してんのよ!」

驚いて目が点状態になっている盗賊を尻目にそんなことを言っている

「おいおいマジかよ、列強国の隊長クラスの速さじゃねぇか・・・」

他の魔法は見たこと無いけど、さっき言ってた通りこの世界でもトップクラスの実力があるのだろう



「きゃぁ!」

「騒ぐんじゃねぇ!! こいつがどうなっても知らねぇぞ! そっちの魔物も魔法使うんじゃねぇぞ!」

山賊のリーダー格が少女を捕まえてナイフを向けている

「サクヤ! クソッ、物が欲しいだけだろ娘を離せ!」

このおじさんはおそらくあの子の父親なのだろう、しかしまずい事になった。普通に戦えばフェリの魔法でこんな奴ら簡単に倒せるだろうが人質を取られては動けない・・・いやこう言う時の護衛だよと思いフェリを見ると

「むぐう・・・油断したわ・・・」

ダメそうだ



さてそんな様子を遅れてきたため盗賊に見つからず物陰から確認していた俺は

「俺が魔法使うしかないか・・・な?・・・」

正直自信ないです

「アニキ馬車の中は家財道具ばっかりですぜ」

「なにっ う・・商人じゃなくてただの引越し途中の親子かよ・・・おい、ずらかるぞ馬車に乗り込め」

「女はどうするんで?」

「逃げ切れるまで連れて行くぞ、良いからさっさと行くぞ」

「あっそうか、金目の物がないから女を奴隷商に売っぱらうんですね」

おいおいマジかよ・・・

「な、なんだと! 貴様ら娘を返せ!!」

「はいはいおっさん、動くと娘さん殺しちゃうぜ?」

「ぐ、クソどもめ!!」


自信ないとか言ってる場合じゃないな、えっとたしか魔力を溜めて・・・すると体が急に熱を帯びてその熱が右手に集中していった、これが魔力かな? 

んで頭でイメージ・・・属性は、雷が一番早いかな? 雷があのリーダー格が魔法に反応するより早く攻撃、殺すのは・・・気絶させる位で、少女は絶対傷つけない・・・・


そうイメージした瞬間右手から巨大な電撃が飛び出し狙い通りリーダー格の男に直撃、男は声にならない声をだして倒れた。が電撃はそれだけでは収まらず馬車にの近くでリーダを待っていた他の盗賊に襲い掛かり、その盗賊たちも倒れた


世界最大の魔力ってのも伊達ではないみたいだ、イメージより威力が数倍凄かったが死んだ? いやそうだとしても悔いる必要はないな、などと思いながら物影から出る。

「大丈夫でしたか?「ちょっとタクト!! あなた凄いじゃない!!」グハッ!」

フェリが叫びながら突っ込んできた、鳩尾にクリティカルヒット・・・


「あはは、ゴメンゴメン大丈夫? それにしても魔力集めだしてから発動まで1秒もたってないじゃない、天才通り越して化け物ね」

心配されて褒められて貶なれた、いや一応あれも褒め言葉か?


などと思っている間に親子の感動の再会(?)を終えたおじさんと少女が話しかけてきた

「少年、さっきの電撃は少年の魔法か?」

「はい・・そうです」

「おお!そうかいや~助かったよ」

「あの、本当にありがとうございました、私ホントに怖くて怖くて」

ん? この子近くで見るとめちゃくちゃ可愛いじゃんか・・・ここは紳士的に

「いえあなたが無事で何よりです」決まった・・・

「バカみたい」

フェリがとつぶやいて冷たい目で見て来る

すみません背伸びしましたもうしません



「しかし、こんな所にまで盗賊が出るなんてな、危ない世の中だ。ところで少年見たところ変わった服を着てるが何処から来たんだ?」

「えーと・・」

「山の向こうの村から来たのよ」

とっさに答えられず口ごもっているとフェリが変わりに答えてくれた


「へ~そうかい、民族衣装ってもんか? まぁいい、でその山の向こうからこんなとこまで何しに来たんだ?」

「村を出て旅に出て一人で生活しようと思いまして、あの、この近くに街ってありますか?」

「街? ああこの道をあと1日位行くと貿易都市シルディアにでるぞ。俺たちもそこに向かってる途中だが少年達も一緒に行くか?」

「ホントですか!?  いやー助かります」

「よし決まった、俺はガイウスってんだ、こっちは娘のサクヤだ」

「サ、サクヤですよろしくお願いします!」

ガイウスさんの隣で下を向いていたサクヤが早口で自己紹介をする。なんか脅えられてる?

「よ、よろしく、自分は拓斗って言います。こっちは、え~」

「護衛のフェリで~す、フェリって呼んでね♪」

「おう! よろしくな、さて早速だが行くとするか」


挨拶も終わり4人は馬車に乗り込む

「すまねぇな、引越しの途中で荷物が多いがまぁ適当に座ってくれ」

その言葉通り中は家財道具だらけで座るのがやっとだった、場所が無いのかフェリが俺の頭の上に陣取ってる。正直重い

「今重いって思ったでしょ!」

「そ、そんなことはないよ」

「ウソだね、絶対思ったでしょ。まぁそれでもどく気は無いけど」

「無いんかい・・・」


馬車に揺られシルディアが見えるまで4人で色々話をした。そうやらガイウスさんは腕利の鍛冶屋で故郷の村で働くより大きな街で働いた方が働き甲斐があると思い、一番近くにあった貿易都市のシルディアに引っ越すところのらしい。

こちらの身の上も聞かれたが、まさか「異世界から転生してきました~」なんて言えるはずも無く、フェリの言っていた通り山の向こうの村から旅に出たと言う方向でボロが出ない程度に話した。

「タクトはシルディアに行って何をするんだ?」

「何をするかは決めてませんけど、どこかで働きたいと思ってます」

「へ~そうかい、だったらギルドに行って傭兵になったらどうだ?」

「ギルド?傭兵? それってどんな事するんですか?」

「知らないのか? えっとだな、一般人が手に負えない事をギルドに依頼して、傭兵がその依頼を受けるって感じだな。依頼は魔物や盗賊なんかを退治するって言った討伐形の依頼や、魔物が多く住む場所でなになにを採って来いと言った採取形の依頼が主で。街の代表とかから街の防衛や街の兵と協力して盗賊のアジトを壊滅させたりってのがあるな」

「そんな仕事できるかな~?」

「タクトさんなら出来ますよ! 魔力だって昔見た兵士の方達より明らかに強いですから」

「それならやってみようかな? 一人じゃ不安だけどフェリも居るしね、けどサクヤ敬語なんか使わずタメ口で良いって言ったじゃないか」

ここに来るまでに何度かそう言ったが一向に直らない、どうやら・・・・

「命の恩人さんにタメ口なんて出来ません! それに私もともとこういう口調なので気にしないでください」


だそうだ。サクヤ美人だしもっと親しい感じでお喋りたいな~とか思っているが、本人がこう言うので諦めよう

「じ~・・・・」

なぜかフェリが睨んで来る、何でかは分からないが正直怖い



「おっ 3人とも見えたぞ、あれがシルディアだ」

馬車を操作していたガイウスさんが前方を指差す

「あれがシルディアか・・・」



異世界に来て二日目早くも目的地の貿易都市に来ることが出来た、これから傭兵になる為にギルドに行って、住むとこはどうしよう? お金ないから宿には行けないな~・・・まぁ行けば何とかなるかな

「本当のスタートはあの街からだもんな」


作者は名前を考えるのが激しく苦手なので、出てくる地名・人名はほとんど漫画やゲームから勝手に使わせてもらってます。

「この名前パクリじゃねぇか!!」とか思っても、その大きな心でスルーして下されば嬉しいです。

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